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呪壊の陰陽師 ―霊力零(ゼロ)の陰陽師が最強の妖狐と結ぶ仮初の契約―  作者: 仁科異邦
妖怪の王の復活編

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仕上げに向けて

 修行は続いた。

 一日目、二日目、三日目。


 六人は、何度も倒された。

 何度も、八岐大蛇に傷つけられた。

 何度も、恐怖を味わった。


 玄弥は、また死んだ。

 八岐大蛇の毒を受けて、全身が痺れた。呼吸ができなくなった。苦しみながら、意識を失った。


 でも、八岐大蛇の治癒の力で蘇った。

 目が覚めると、また修行が始まった。

 玄弥は、恐怖に震えながらも、また立ち上がった。


 ミユキは、何度も骨を折られた。

 腕、脚、肋骨。折れる音を聞くたびに、絶叫した。

 でも、八岐大蛇が治してくれた。

 痛みの記憶を抱えながら、また立ち上がって、戦った。


 ナギサは、何度も気絶した。

 八岐大蛇の攻撃で、意識を失った。暗闇に落ちる恐怖を、何度も味わった。

 でも、八岐大蛇が治してくれた。

 目が覚めると、また戦った。


 ムツミは、全身が傷だらけになった。

 血を流しながら、戦い続けた。痛みで涙が出たが、止まらなかった。

 でも、八岐大蛇が治してくれた。

 傷が消えても、痛みの感覚は残った。それでも、また立ち上がって、戦った。


 ユカリは、何度も恐怖で泣いた。

 痛くて、怖くて、逃げ出したかった。

 でも、逃げなかった。みんなが戦っているから。一人だけ逃げるわけにはいかないから。

 涙を拭いて、また立ち上がって、戦った。


 葛葉も、何度も倒された。

 でも、諦めなかった。九尾としての誇りを胸に、戦い続けた。


 六人は、死と再生を繰り返した。

 破壊と治癒を繰り返した。

 恐怖と向き合い続けた。


 そして、だんだん強くなっていった。


 五日目。

 玄弥の遠見が、より鋭くなった。八岐大蛇の動きが、はっきりと見えるようになった。

 恐怖は、まだある。でも、恐怖に飲まれなくなった。

 冷静に、未来を見て、避ける。


 十日目。

 玄弥は、八岐大蛇の八つの頭の同時攻撃を、初めて完全に避けた。

 遠見で全ての未来を見切り、完璧に避けた。


 「……ほう」八岐大蛇の声が、満足そうだった。「成長したな、玄弥」

「……ありがとうございます」

 玄弥は、初めて少し笑った。

 恐怖を、乗り越え始めていた。


 十五日目。

 ミユキの炎が、明らかに強くなった。

 朱雀の力を、より深く引き出せるようになった。炎が、より熱く、より大きくなった。


 二十日目。

 ミユキとナギサは、連携攻撃で八岐大蛇の一つの頭を怯ませた。

 炎と水を組み合わせた、高温の蒸気攻撃だった。


 「……面白い」八岐大蛇が笑った。「よく考えたな」

「ありがとうございます」

 二人は、嬉しそうに笑った。

 痛みを乗り越えて、成長していた。


 二十五日目。

 ナギサの水が、より精緻になった。

 青龍の力を、細かく操れるようになった。水の形が、思い通りになった。


 三十日目。

 ムツミとユカリは、風と土を組み合わせた攻撃を編み出した。

 砂嵐のような攻撃が、八岐大蛇の視界を奪った。


 「……やるな」八岐大蛇が頷いた。

「そういう工夫が、大切だ」

「はい」

 二人は、笑顔だった。

 恐怖を乗り越えて、自信がついていた。


 三十五日目。

 ムツミの風が、より速くなった。

 白虎の力を、自在に使えるようになった。動きが、目に見えないほど速くなった。


 四十日目。

 ユカリの土が、より堅くなった。

 玄武の力を、強固に使えるようになった。防御が、八岐大蛇の攻撃を数回は耐えられるようになった。


 六人は、明らかに強くなっていた。

 八岐大蛇の攻撃を、かなり避けられるようになった。

 反撃も、増えた。

 何より、恐怖に負けなくなった。


 八岐大蛇は、六人を見た。

「……よし。そろそろ、次の段階に進むぞ」

「次の段階?」玄弥が聞いた。

「ああ」八岐大蛇が頷いた。

「個別の修行だ」


 八岐大蛇は続けた。

「お前たち一人一人に、それぞれの課題がある」

「課題?」

「そうだ。それを、これから教える」


 六人は、八岐大蛇を見た。

 次の修行が、始まる。


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