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6,兄と王子達は体育祭で活躍したようです(午前の部)

 

 「リーゼ、僕、頑張ったよね」

 「俺だってやったよ」

 「俺の好きなもの作ってくれるんだよな」

 「あっ…あ…あ…」

 王子やエイ兄さまに猛アピールされ、私の語彙は消え失せたようだ。アニメキャラにそんな感じのいたな。砂金をくれる黒い人。


 「エリーゼちゃんが怖がってるよ。で、僕の好きなものも作ってくれるんだよね」

 お前もかい。



 「ひゃいっ…」

 私は辛うじて返事をし、昼食時間が長いことに感謝した。前世では1時間もなかった気がするが、今世の体育祭では少なくとも2時間は確保されている。


 「場所は取っておいたよ。こっち。アンナも」

 「はい、シルス様」

 「ん、マリーも」

 「は、はい!」


 シルス様は優雅に、レイ様は少しぶっきらぼうに、でも優しく婚約者をエスコートした。仲がよろしくて何より。


 そして私も婚約者のエルシーにエスコートしてもらった。今日、パトリック様の好きな騎士は所用で来ていないそうだ。


 「ここだよ。もともと人の出入りが少ないとこなんだけど、景色は良いよ」

 ほら、とシルス様が指した方を見ると目の前には広い海が広がっていた。この学園の裏は海になっているのだ。校舎裏に目を着ける人はそういないし自分達の姿も見ていた人は少ないだろう。太陽の光のせいか、水面がキラキラと光っていて凄く綺麗だ。



 「じゃあ、作りますね」

 「久しぶりだから楽しみだなぁ」

 「ハードル爆上げしないでください。減らしますよ」

 「僕が悪かった」

 ご飯で操れる王子。チョロすぎだろ。


 「安心して、エリーゼちゃん以外の食事なんて食べたくないから。あの魔道具貰ったけどそれでも嫌」

 欲張り王子の貴方のために3食作りましょうかと言いたくなる。


 「作ってくれるんだ。優しいね」

 「シルス兄さんの圧が凄いからでしょう。婚約者特権だと思ってたのに」

 拗ねる弟とそれを面白そうに見る兄。あとさっきからちょいちょい心を読まないで。怖い。



 「お昼ご飯にはお米ピザを作ります」

 外はカリッと中はもっちり。

 「なあにそれ」

 「ピザは知っていますよね」

 「うん」

 「お米をピザ生地に見立てた料理です。表面はカリッとした食感ですが中はもっちりですよ」

 「そんなのがあるんだね」

 シルス様と話しながら必要な調味料を必要な分だけ出す。


 「良い匂いする」

 エルシーがどこか感動したように呟いた。

 「感動するにはまだ早いよ。まだ食べてもいないんだから」


 2人分の大きさだと15分くらい。私、エイ兄さま、エルシー、レイ様、アクア様、パトリック様、シルス様、アンナ様、マリー様の大所帯だが私は転生チートを持っているのだ。フライパンの増産など容易い。

 40分くらいで全員分出来上がった。

 「んまぁ〜!」


 エイ兄さまが聞いたことない声を出した。美味しいみたいで何より。

 「美味いな」

 「うん、美味しい」

 皆褒めてくれる。

 「エリーゼ様は料理も出来るのですね。凄く美味しいです」

 「羨ましいですわ」

 「ありがとうございます」



 淑女が料理なんてと難色を示すのではなくアンナ様もマリー様も美味しいと言ってくれた。まあ王子がいるからというのもあるかもしれないが。


 「アクア様のアップルパイは後日作りますね」

 「ああ、楽しみにしている」

 無表情人間の微笑!恐ろしい…。普段表情筋使わない人の微笑みって一番危険だと思う。


 「僕のは?」

 「シルス様は何もしていませんよね」

 「これからするかもしれないじゃん」


 あと昼間からパフェは食べない。生クリームとか食べた後にまた体育祭午後の部とかしんどすぎる。

 「体育祭が終わってからならアップルパイもパフェも作りますよ。お菓子ですのでエルシーには劣るかもしれませんがそれでもよければ」


 やっぱりお菓子はエルシーに勝てない。これは完全に経験値とセンスの差だね。 

 「リーゼのパフェも凄く美味しいよ。ケーキとかも甘みを抑えつつ美味しく作るから凄いと思う」

 「そ、そう?ありがとう」


 甘さ控えめ仕様は私とエルシーの分だけで他は普通にバンバン生クリーム使ってるけど言わなくて良いか。

 


今回の登場人物


・エリーゼ・ガーナメント(10歳)

・エリオット・ガーナメント(13歳)

・エルシー・ウォルフラン(13歳)

・レイ・ウォルフラン(13歳)

・パトリック・ウォルフラン(18歳)

・アクア・ウォルフラン(17歳)

・シルス・ウォルフラン(20歳)

・アンナ・ガイアス(20歳)

・マリー・エバネン(13歳)

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