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東京タワーダンジョン

 

『ふふ、僕はこの東京を沈めようと思います。まずは、僕が魔王の力を示しましょう』


 そう言って黒服の男は東京タワーに右手を当てて、何かを唱えると東京タワーの姿が塔になっていく。


「まさか?!迷宮ダンジョン


『これはね、ダンジョンだよ。僕を倒さないと東京が沈む。僕を倒したいならダンジョンを攻略してくるといいよ。期間はん〜1週間だ』


 ザザとテレビが暗転して映像は途切れた。

 きっと冒険者達の間で議論やらなんやら起こるかもしれない。

 しかし、そんなの関係なく俺の身体は勝手に動き、家の扉を開けてウリエル翼に変えて東京タワーに向かって飛ぶ。


「待ってろよ楓」


 助ける、絶対に。


 ◆◆◆◆


「さて、僕の予想だとあいつが1番先に来るだろうから楓、君は1回層にいろ」


 楓は頷き踵を変えてしてダンジョンの1回に向かって行く。

 ここは東京タワーダンジョンの屋上だった。


「流石、自衛隊は仕事が早い」


 戦闘機が向かって飛んでくる。

 飛びながら銃弾を発射するが魔王が右手を翳すと銃弾は止まり、魔王が右手をググっと閉じると銃弾は圧縮され破壊される。


「阿呆かよ。圧倒的な強さの前に化学は役に立たないのに」


 それでもなお銃弾や爆弾と色々な化学兵器を飛ばされるがそれらを全て粉砕する。

 東京タワーの屋上は阿鼻叫喚の絵図となっていた。

 そこに佇むは魔王だ。


「面倒臭いな。落ちろ──黒玉──」


 黒色の球体が魔王の左手に顕現し、独りでに黒玉が動いて戦闘機に向かって飛んでいき、戦闘機を貫通して戦闘機は爆散する。

 他の戦闘機も破壊していく。

 数秒後には何も、何も残らなかった。


「はぁあ面倒臭い」


 爆発はつまらない。

 叫び越えが、絶望の色が、聞こえないし見えないからだ。


 ◆◆◆◆


 デカイな、とりあえずここが東京タワーのダンジョン入口だな。


「既に自衛隊達が避難活動をしているようだな」


 安堵したのにもつかの間。

 東京タワーダンジョンから映像が出てきて、そこには元凶魔王が居た。

 凄く、それは凄く嫌な予感がした。


『先に君たちがダンジョン攻略せずに勝手に攻撃したので気が変わりました。魔物を解き放ちます』


 すぐに分かった。

 東京タワーの屋上から大量の魔物が飛び、落ちて来る。

 F、E、D、C、B、A、ランク問わずの魔物の大群が東京に地獄を運ぶ。


「皆出てこい。東京を、町を、魔物を殺せ」


 鬼王達全てを召喚して魔物達の対処に当たらせて俺はダンジョンに入る。


「頼んだぞ」

「行ってこい翔!」

「ん」



 1回層


 ここは1回層って事でいいよな?

 前を向くとそこに居たのは虚ろの目をした良く、凄く見慣れた顔だった。


「楓」


 そう名前を呼んだのもつかの間、楓はすぐに爆弾を生成すると、それを飛ばしてくる。

 咄嗟に横に避けたが、爆風で飛ばされる。

 全く、容赦や躊躇いのない攻撃で少し驚くが、殺意も悪意もない攻撃だった。

 ただ、プログラムされた機会のように動くだけに見えた。


 そこで俺に問う、楓に勝てるのか?楓を傷付けらるか?───楓を殺すのか?


「嫌だ、俺は救う」


 目を見開き楓に向かって地面を蹴って接近してラプラスを刀に、ウリエルを靴にしている。

 何時ものやり方だ。今ではこれが定着している。

 早く、終わらさないと東京が血の海で、瓦礫の山となってしまう。


「爆剣」


 楓が静かに呟くと、爆弾で形を作られた剣が生み出されて楓の右手に収まる。


 ラプラス刀と爆剣がぶつかると、爆剣とぶつかった箇所が爆発する。

 やりずらい。

 バックステップで後退して接近してきた楓の攻撃をラプラス刀でガード、爆風で後に飛ばされる。


「近接で楓に勝てる予感がしない」


 しかし、俺に出来る事はそれだけなのでただ、ひたすらにがむしゃらに接近してラプラス刀を入れ込む。

 時には爆弾でガードされたりもして、数分した頃に攻略方が分かった。

 ラプラス刀の魔力を切る時だけ纏わせると爆発させないで爆弾を切って消滅させられる。

 しかし、剣は別だった。

 切って、弾いて、爆風を何とか耐え、爆発を耐えるしかない。

 数度剣と刀がぶつかり合い、火花ではなく爆発を散らしながら交える。

 楓が独自のステップを踏み、一気に接近して突きの容量で剣をまっすぐ突き刺す。

 このままガードすれば爆発して飛ばされるか、最悪大ダメージを受ける。

 なので、ここは横に躱す、⋯⋯ダメだ。

 本能がそう言っている。

 ここは。


「後に躱す!」


 バックステップとバク転して後に、楓とかなり距離を取って後に跳ぶ。

 楓が横に揺らりと揺れると、すぐ俺の目の前まで移動してくる。

 ラプラス刀を上から地面に向かって突き刺すように振り下げ爆剣を抑えて、爆発するのと合わせるようにウリエルを広げて爆風で後ろに跳ぶ。

 楓は爆発に巻き込まれてホコリを服につけながら腕に一筋の血が流れる。


「そうか、楓の魔法は自分にも当たる可能性があるのか」


 ラプラス刀を楓に向けながらどうやって助けるか、救い出すか考える。


「不可能?違う。絶対に何かある筈だ」


 希望的な観測?それがどうした。

 日向を守ると決めた!楓を救うと決めた!

 余計なお世話だろうが気にしたものか!

 俺は、俺のように戦う。


「少し傷付けるが、許してくれ」


 ウリエルの靴で地面を踏みしめ、一気に解放するように楓に接近、楓の横に動くと楓は合わせるように顔を横に向けるが、既にそこには俺はいない。

 これは左手少し地面に触れるくらいの中腰になって動いている。

 一時的な爆発力を使って音速で移動しているのだ。

 しかし、楓は動いた場所に俺の気配があるのでそちらを向くが遅い。

 楓の後ろに回ってラプラス刀をガントレットに変えて飛ばして気絶させようと考えてパンチしようとしたが、爆弾の盾で防がれる。


「がは」


 あれに、反応したのか?それと本能か?

 俺は、楓を甘く見ていたつもりはなかったが、心の何処かで何とかなると、いや、普通に思っていた。

 違うようだ。


「生半可な気持ちでやってるとこっちが危ないな」


 それからも何回、何十回、何百回と刃を重ねていく。


 ◆◆◆◆


 奏は立ち上がりニュースの右端を凝視していた。

 そこに映って居たのは奏の初の友であり親友だったのだ。


「どうして」


 混乱による思考の乱れで唖然と呆然とする奏にギルドマスター要が会議に行くぞと促すが、奏にはそれすら聞こえず、ただ走って東京タワーダンジョンに向かった。


「楓!」

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