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Aパート

この物語は、とある郵便局の夜間配達をしている仕事風景を淡々と書き記した物語です。


決して、決して。


そーいうお仕事をされているんですか~?って、

疑問文をつけてお電話される事はないようにお願いいたします。

彼等とて好きでやってるわけではないんですよ。


◇        ◇


「私、リポーターの尾沢芳子おざわよしこです。再配達の問題が多いこの頃、今日は流星郵便局にお邪魔し、その過酷な実態を調査しようと思います!!」


テレビ取材があるからといって、緊張したり、変にテンションを上げて仕事をするというのは良くないものだ。だったら言うが、


「なんで流星郵便局に取材の許可を出したんですか?」

「僕の大親友である、山口部長がいるからだ!取材なんか気にしないよ!!」

「あそこは郵便局の地獄みたいなところですよ……変なイメージが広まっちゃいますよ、住吉さん」


どんな時でも平常心というのは難しい。しかし、それに対しては信頼を寄せられるところであったが、


「現在、17時。どうやら、この時間から夜間再配達の業務が行われるようですね。各班、各地域の再配達の郵便物を取りに行っているご様子です」


再配依頼の郵便物・書留、夕方に到着した、速達、EMS(外国小包)を各班が持っていき、それぞれの机に広げ……


「…………」


自分のBDプレーヤーを班机に置き、ヘッドフォンをつけ、足を組んで座りながら、とてもイヤらしい顔付きになってご視聴し始める。


『ああぁ~♡♡孝樹~~♡はあぁっ♡♡好き好きぃ♡これぇぇ……やばぁぁ♡♡』

「ふへへへへへ」

「ちょっとーーー!!カットカットーー!!なんでいきなり、エロ動画の視聴をし始めるんですかーー!!ここ職場ですよーーー!!」


:これだけは本当に申し訳ない、事実にあった話なのだ:


「また堂々とやってますか、根羽ねばさん」

「変態親父……」


周囲がため息を漏らす……。くらいには、局でも有名な人。夜間配達の時は、エロ動画を視聴してから出発するという猛者もいるのだ。今はスマホがあるから、BDプレーヤーなんかなくても気軽に視聴ができますが……。

実際のところ、ホントにスマホでこーした時間を潰すことはよくあります。職場の人とお話ししたり、ゲームとかしている風景もぶっちゃけ珍しくないです。

尾沢の激しいツッコミに、根羽もヘッドフォンを外して確認する。


「ん?なんだい、あんた」

「私はテレビ局の尾沢です!!」

「スーツ着てるから男だと思ったぞ、女か」

「女ですよ!!失礼過ぎません!?」

「いや、ホントに女か?ちょっとおじさんと話さないか……ぐへへへ」


こーいうナンパ親父ってのは、どこの職場にもいるものです。

欲望に忠実だなぁ~って思っていたところに


ドガアアァァッッ


お約束と言えるくらいの飛び蹴りと、脅し用の斧でその机とBDプレーヤーを叩き壊す管理者2人。


「根羽。今日は取材があるから、いつものそれは止めろって言ったろーが」

「お見苦しいところをお見せしました」

「あああぁぁぁ!!山口部長に、蓮山部長ーーー!!俺のお気に入りのエロBDを破壊するんじゃねぇーーー!!クソがーーー!!」


……いや、ホントにお見苦しいのですが。


「こ、これから夜間再配のお仕事ですよね。……あなた方はこんなことをされているんですか」

「時間の潰し方は各々に任せている。モラルが欠けている奴がいるのも申し訳ない」

「尾沢さん、こちらの班にどうぞ」


イカレた班と真っ当な班と、地獄の中で働いている班がいる。

管理者として”平等の労働”というのは、やはり夢物語であり、できる限りは安心と信頼ができる仕事をお客様に提供するのが最良だ。



「わはははは、根羽っちは相変わらず、色欲魔だの~」

「堀山。あんたもまともじゃねぇーけど、軽~く説明してくれ」

「うむうむ。我、魔王軍のお仕事を説明するのだな」

「その中二設定を語らないでください。あなた、もう50代でしょうが」


なんなんだ、この職場?……っと、尾沢リポーターが不安になるのも仕方がないが。

根羽配達員のように夜間再配のお仕事の時刻になっても、こーしてゆっくり過ごしている方は一般的なのである。


「夜間再配のお時間は、現在、18時~20時、19時~21時という時間となっておる。17時30分には夜間再配の全ての荷物が出揃うわけだが……、我々、郵便局に限らず、配達完了が望ましいからこそ、こーやって時間を潰しておるのだ」

「それはどうしてです?」

「班のエリアにもよるが、我と根羽っちの配達地域はここから5分ぐらい。……一番遠いのは、さねくんのところ、15分ぐらいだろうか。トイレとか郵便物を回る順を決めるのに、10分くらいと考えれば……18時前には現地につける。ここで良くある問題なのが、”19時前には、18時~20時の再配依頼が終わりやすい”という点なんだ」


好きで時間を潰しているわけじゃないです。むしろ、今回はリポーターが来たという設定にしてますが


「配達地域でタバコを吸ってるだけでもクレームが来ますからね」

「外でエロ動画見てる奴いたらどう思うよ」

「な、なるほど……局内で済ませているわけなんですね」


本当に時間通りに出発すると。

だいたい、18時半~19時の間は配達員が暇になります。原則としては仕事がない状態で現地にいる状況なので、労働としてはもったいない時間になっています。


「尾沢リポーターは再配達をするのか?」

「まぁ、しますけど。夜遅くの時間帯にしますよ」

「そう!19時以降の依頼の比率が多いから、現地よりも職場で時間を使う方がいいんだよ!だから、根羽っちも悪気でやってるわけではないの。ただ、欲情を抑えきれないだけなんだ!」

「だからって仕事中にすんなや!!」


17時……実際、荷物が出揃うことを考えれば、17時半からで間に合うのですが。

ぶっちゃけ、暇している時間の方が長いですよ(木・金曜日は多いですが)。


「我の今日の再配達なんて、18時が2件。19時以降が14件!ワハハハハ、この我も暇になってしまう!出発するのは18時15分過ぎでも、早いくらいなんだよ」


ここらへんは運要素が非常に絡んだ話になりますが。

再配達の無くそう、減らそうという努力は確かにありますが。すご~く、気まずい現実として。

19時以降の比率が高すぎて、業務時間を減らすことが難しいのが現状です。





挿絵(By みてみん)


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