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拝啓
今日は2話
拝啓 母上様お元気でしょうか。
私が異世界に来て、もう三週間です。
こちらの気候はとても涼しく過ごしやすいです。
今のところ、私は元気です。
ですが、今から元気じゃなくなりそうです。
頑張って生きて帰りたいと思います。
オレは初老の男と共に崖の前に来ていた。
「この坂を降りるのじゃ」
「あの、これって崖じゃないですか?」
「どう見たって坂じゃろう、ほら行け」
傾斜角度が70度は超えている崖を坂とは断じて言わないと思う。
オレが躊躇していると背中を強く押された。
オレは坂?を転がり落ちていく。
崖に生えている木や草に掴まろうとするが掴んでも抜けてしまう。
だが、徐々に速度を落とすことが出来た。
掴まれるところを探し続ける。
もう少し速度を落とさないと死んでしまう。
なにもしなければ、どんどん落下速度が上がっていく。
斜面を転がりながら、オレは思った。
死ね!クソじじい!と。




