白・・・恐怖の足音
5時にまた投稿します
前話におまけ投稿しました
良ければ読んでください
森の中には多くの命が溢れていた。
地球上では存在しない魔物と呼ばれているものたちもいた。
その生態系は大型肉食獣を頂点に形成されていた。
そのピラミッドはある存在によって崩された。
その存在に一番最初に気付いたのは食物連鎖の下層に位置する虫たちだった。
森の中でどこにでもいるような虫たち全てが姿を消していた。
虫の声が消えた森には静寂が訪れていた。
次に察知したのは小動物たちだった。
あるものは逃げ出し、あるものは息を潜め、隠れた。
正解だったのは逃げ出したものたちだった。
その存在が近づいた瞬間、隠れたものたちは死んでしまった。
そのあまりにも大きな恐怖により生きることをやめてしまったのだ。
最後に感知したのは大型肉食獣たちだった。
しかし、食物連鎖の頂点に位置する大型肉食獣たちは自身が持つ強大な力により逃げることをしなかった。
いままで、森の中で自分に害することができるものがいなかった自信がその選択をさせなかった。
大型肉食獣の内の一体である熊はその存在を獲物だと勘違いし、近づいてしまった。
熊にとってそれは狩りだった、襲い掛かろうとそれを目に入れた瞬間、体が動かなくなった。
まるで金縛りにあったように頭からつま先まで動かすことができなかった。
熊が最後に見た景色は自らに近づく拳だった。
森の中に熊の断末魔の叫びが響き渡った。
熊の死により他の大型肉食獣は理解した。
それは自分たちをはるかに超える上位者だと。
ついに彼らは逃げ出した。
森の王者であったプライドなどかなぐり捨てて。
全ての動物が消えた森はまさに死の森だった。




