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異世界神の黒き花嫁  作者: 未鳴 漣
第一章 ペンカーデル
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第21話 「闇扉」

 翌日、ソラが異世界にやってきて四日目の朝。


 湯気の立ち上る浴槽の前でかかとを上げて膝をつく姿勢になったソラは、今すぐ目の前の湯船に飛び込んで温まりたい衝動に駆られていた。いくら室内で風呂の熱気があるといっても、底冷えする冬の浴室はそれなりに冷える。背後でせっせと禊ぎの準備をするジーノが動くたびに、ひんやりとした感覚が素肌を撫でて鳥肌が立つ。薄手の湯帷子を着たソラは寒さを握りつぶすように丸めた拳を太股の上に置いて震わせ、後ろを振り返る。この時期になっても凍らない湧き水を汲んできたという桶が一、二、三……と、そこで数えるのをやめて正面に向き直る。


「準備はよろしいでしょうか?」


「や……やっちゃってください……」


 ジーノはその桶を持ってソラの後ろに立ち、「いきます」と声をかけてから一気に水を浴びせた。彼女は素早く次の桶に手をかける。時間をかければそれだけ長くソラの体に負担がかかるので、ここは手早く済ませることにしたのだ。そうしてジーノは水桶を次々とひっくり返し、そのたびにソラは悲鳴を上げることもできずに凍える感覚──というよりもほぼ痛みに近いそれを、ひたすら無心になることでやり過ごした。それが終わってしまえばあとはもう着替えるだけなのだが、すっかり体を冷やしたソラは一人で立ち上がることすらままならず、ジーノの腕にしがみついて脱衣場まで戻った。


 濡れた体を拭いて白一色の祭服を着付けてもらうと、幾分か体温が戻ってきたような気がした。まだかじかんでいる指先を擦り合わせ、ソラはジーノが祭服に着替えるまでの間に居間で体を温める。ジーノの準備が終わると、二人は揃って祠へと向かった。


 天気は晴れ。雪は降っておらず、風もほとんどない。天を仰げば青空の下に白い雲がぷかぷかと浮かんでいた。


 とはいえ、やはり外は寒かった。


 祭服に合わせた外套は「ないよりはマシ」という程度にしか寒さを防いでくれず、ソラは身を縮めて小走りになって聖域への道を急いだ。教会の裏手にある森へと続く小道には途中で五段ほど上がる木の階段があり、そこを上るとすぐ広場に出た。正面に大きな黒い口を開ける洞窟が見える。つまり、その広場こそがジーノたちの言う聖域であった。


 祠の前では既にスランとエースが待っていた。ソラたちと同じく白い祭服を着るその姿は、注意して見ないと背景に溶けて見失ってしまいそうだった。ソラが到着すると、スランは息が整うのを待ってから彼女を祠の前に立たせた。そして自分たちは後ろに控え、左胸に手を当てて目を瞑り、頭を下げる。


 とくに奏上する(ことば)はない。その代わりに、所作は頭や足、指の先と至る所に神経を使い、神への畏敬を込めて行われる。ソラは事前に教えられたとおりに仕草を行い、恭しく頭を垂れた。


 沈黙の数秒、あるいは数分。


 この地にある神を敬う者たちは風も凪いだ無音の中でいったい何を思うのか。


「……」


 そんな中、ジーノは少し早くなる心臓の振動を手の平で感じ、気持ちを落ち着かせるために小さく深呼吸をした。


 ジーノは一つ、心配事があった。それというのも、最初にソラと出会った際に彼女を助けようとした時のことだ。彼女は畏れ多くも結界に触れてしまっていた。父に似て信心深いジーノは、人助けのためだったのだから大目に見てほしいと心の中で神に語りかける。それに答えるかのように、木々の間──その地面に近いところを通ってきた風が粉雪を巻き上げながらジーノの頬を撫でる。その風につられて自然と顔を上げ、彼女はゆっくりと目を開ける。すると、横から差し込んだ日の光に目が眩んだ。


 そのせいだろうか。


 一瞬、


 ほんの一瞬だったが。


「──ッ!」


 黒いはずのソラの髪が雪白に染まって見えた。


 その白は天地を貫く軸と同じ色で、ジーノはソラがそのまま消えていってしまうような錯覚を覚えた。


「……、ーノ。……ジーノ?」


 目をまん丸に見開いて棒立ちになっている彼女を呼んで正気に戻したのはエースだった。


「ジーノ? ぼうっとしてたけど、大丈夫?」


「──え、ええ。大丈夫です。ちょっと眩しくて……びっくりしてしまいました」


「そう? それならいいんだけど」


 瞬きをした後、ソラの髪は元の色に戻っていた。不思議なこともあるものだとジーノが困惑していると、ソラがスランに促されて祠の方へ近づいて行った。


 ソラは戦慄きながら、結界との境界に手を伸ばしていく。彼女が境界に振れると、その先の景色が水面のように揺らいだ。波紋は端に反射して幾重にも重なり、ソラの手元に戻ってくる。


 結界は祠──洞窟の入り口を覆うようにして展開しているようだ。


「本当に結界の影響を受けないのですね……」


 スランは信じられないものを見る目をしていた。


「スランさんたちは触れないんでしたっけ?」


「ええ。相容れない者を拒むかのように弾き返されてしまいます」


 ──と、そこに一羽の雀が舞い降りる。冬の羽毛を纏って丸々と膨れているその鳥はぴょんぴょんと可愛らしく飛び回って、スランの足下を通り過ぎてソラの所までやってきた。そして結界の境界まで近づいていって、ソラが思わず「危ない」と手を伸ばすと……雀は結界の内側に飛び退いた。


「あれ? 動物は通れるんだ……?」


 感心するソラの視線の先で、日の光が届かない祠の手前まで飛び退いた雀は地面をつつきながらその奥に進もうとして──何かに怯えたように短く鳴き声を上げて飛び去っていった。


「奥って何があるんですかね? ジーノちゃんからは軸とつながってるって聞きましたけど」


「それは……」


 ソラの疑問にあまりいい顔をしなかったスランの横で、何かを思いついたエースが声を上げる。 


「──そうだ! ちょっと待っててもらってもいいですか? 俺、明かりを持ってきます」


 彼は身を翻して教会の方へ走っていった。祠の入り口に蓋をする暗闇の向こう側を見てみたいのは彼も同じなようだ。雪景色の中に消えていく息子の背中にため息をつき、スランは頭を抱える。


「まったくあの子ときたら。知りたがりもここまでくると呆れてしまうなぁ……」


「お兄様の何でも知りたい病はケイ先生譲りですね」


「へぇ。私はケイ先生の顔を知らないけど、年々二人して似てきてたりして?」


「言われてみればそうかもしれません」


「本当にね、困ってしまうよ。分からないことに直面したときの顔なんて特にそっくりで、そうなると何を言っても無駄なんだから」


 その辺りについてはスランも諦めているらしく、肩をすくめて首を振る。


 そうこう話している間にエースが明かりを持って戻ってきた。その手にあるのは燐寸で火をつける魔術用のランプと、魔力で明かりを灯す石である。


「こちらをどうぞ。使ってください」


 エースは慣れた手つきでランプに火をつけ、結界の外に出てきたソラに手渡す。ソラはそれを持って結界の中に戻り、祠の奥にかざして暗闇を見つめる。だが、明かりの位置をどこに変えても祠の中は黒く塗りつぶされて何も見えなかった。


 仕方なく、ソラは身を乗り出して暗闇に明かりを近づけていく。


「え……?」


 えもいわれぬ違和感。


 生理的な恐怖を感じ、ソラは手を体ごと引っ込めて祠から離れる。


「なにこれ──」


「ソラ様?」


「いや、その、えっと。私もちょっとよく分かんないんだけど……」


 首を傾げるスランとジーノに、ソラはしどろもどろになって上手く言葉を返せなかった。そこに、空気を読めないエースが口を挟む。


「ソラ様、手を結界の外に出してもらっても良いですか?」


「え? ああ……うん。構わないけど」


 エースの高揚した声はソラの緊張感をぶった切り、意表を突かれた彼女の口から難なく同意を引き出す。ソラは請われるがまま、あいている方の手を結界の外に出してエースに向けた。エースはその手の平に魔力を込めて光らせた状態の明かり石を乗せる。


「そのまま結界の中へ持っていってもらえますか?」


「はいはい。了解っと──」


 ソラは明かり石を握った手を何の考えもなしに結界の内側へ持ち込んだ。すると、石と結界とが触れた瞬間、目に見えない壁に様々な色の光が飛び散った。明かり石を握るソラの手には静電気のような痛みが走り、思わず開いてしまった手の平から石がバチバチッと音を立てて弾き飛ばされた。


 エースはかなりの勢いで飛んでいくその石を難なく掴み取り、満面の笑みを浮かべる。


「……お兄さん。その顔だと、何か分かったことがあったみたいだね?」


「はい。もしかしたら、結界に干渉できるかどうかは魔力の属性が関係あるのかもしれません」


「属性が?」


「ソラ様が光陰の二属性を持っていることは……その、先日の出来事でお分かりだと思います。実はこの二属というのは俺たち──この世界の人間は持ち得ないものなんです」


「それは初耳だね。したらエースくんたちはどんな属性の魔力を持ってるの?」


「俺たちが普段扱うのは地水火風の四属性です」


 ファンタジーの中では定番の属性である。ソラは「なるほど」と相づちを打って話の先を促した。


「その属性が関係あるって話?」


「ええ。二属の魔力を持つソラ様は結界に触れることができ、魔力を用いない灯火も問題なく通り抜けました。一方で、この世界の人間は結界を通れない。俺が魔力を込めた明かり石も弾かれた……」


「ははあ。そういうわけで魔力の有無と属性が関係ある、と」


 ソラは深々と頷いて納得したが、ジーノはどこか不服そうに手を挙げた。


「ですがお兄様、人間以外の動物も体内に微量ながら魔力を持っていますよね。ならばどうして、彼らは結界を通ることができるのでしょう?」


「そりゃ……あれじゃない? この世界の『人間』だけが通ることができないとか?」


「俺も自然とその結論にたどり着きました。ですがそうなると気になるのは、なぜ人間だけが結界に干渉できないのかということで……」


「うーん。ってか、そもそもこの結界っていつどうやって作られたものなの? やっぱ軸にいるっていう神様?」


 ソラの疑問にはスランが答えてくれた。


「この地方ではそのように伝えられています。過去には魔法院も調査をしていたようですが、こちらからは干渉のしようがないこともあって今では研究自体が廃れてしまっていると聞きますね」


「解明できない世界の神秘ですか。そういうのありますよね。超古代文明ってやつ」


 そう言うと、ソラはランプを掲げて祠の奥を照らし……寒気が通り抜けていった肩を抱いた。


「となると、この祠の中の状態もそういう人知を越えた領域なんですかね?」


「それはどういうことです?」


 祠の穴を見て顔をしかめるソラに、スランが問いを投げかける。


「いえ、だって……明かりの先が何も見えないとか不気み──奇蹟としか言いようがないな~と思いまして」


 振り返るソラは相変わらず祠の奥を照らしている。結界の外にいる三人は境界のギリギリまで近づいて目を凝らし……揃って首を傾げた。彼らはソラの言わんとしていることがいまいち分かっていない様子である。


「じゃあエースくん。手間取らせるようで悪いけど、ちょっとこのランプ……灯火? を引っかけられる感じの枝を探してもらえるかな?」


 ソラはそう言ってエースに近くの手頃な枝を折ってもらい、受け取ったそれにランプの持ち手を引っかけて祠の奥に向けた。


「スランさんたちの前でこんなやり方、無作法でよくないと思うんですけど……さすがに自分の手を突っ込むのは怖いんで、そこは勘弁してください」


 ソラはそう断りを入れ、心の中で軸の神様に謝りながら枝の先のランプを祠の暗闇の中に押し込む。


 それはさながら、光の届かない深海の闇に小さな明かりが心許なく飲み込まれていくような光景であった。ランプは洞窟の穴をくぐってすぐ、文字通り暗闇に包まれて見えなくなったのである。


 目の前で起こった現象にスランとジーノが目を白黒させる。


「これはいったい……どうなって……?」


「暗いのは影ではないのですか?」


「影じゃないだろうね。何か、得体の知れない真っ黒な物質で穴の中が満たされてる感じ。ちょっと怖い……」


 言いながら震え上がったソラはランプを暗闇の中から取り出し、結界の外に出た。容器の中で燃えるろうそくは消えることなく燃えていた。


 そんな彼女と入れ替わるようにして、一人沈黙していたエースがフラフラと結界に近づいていく。


「あれは何なんだ? もっと……近くで……」


 ソラたちが慌ててエースを引き留めるのと、彼が結界に触れて弾かれるのとは同時だった。エースは痛みの走った指先を押さえて後退る。


「お兄様!!」


「エース!」


「ちょっ、エースくん! 大丈夫!?」


「だ、大丈夫です……しかし驚いたな。俺もずっとただの日の影だと思ってたから……」


「私もそうだったらよかったのにって思うよ。ここ通ったら元の世界に帰れるかもとか考えてたんだけど、これはさすがにちょっとね……入ってみる勇気はないよね」


 ソラは内心冷や汗をかきながら祠の方を見た。


 正直なところ、ソラはその暗闇が怖かった。昨日夢で見たトンネルにも似ていたが、あの時は闇の先に小さな出口が見えた。その出口は夢からの覚醒を意味しているようでもあり、現実であれば目標となる終着地であった。しかし目の前で口を開けている祠の闇には先が見えない。先があるのかどうかも分からない。足を踏み入れた途端に延々と落ち続けて、二度とどこにもたどり着かないのかもしれない。


「さ、寒い……」


 気温のせいだけではない。


 得体の知れない何かに首筋を捕まれたような寒気だった。ソラは白い息を吐いて歯を鳴らす。そんな彼女の手をジーノが握り、スランとエースに目を向けた。


「今日はもうここまでにして、家に戻りましょう」


「……そうだね。私も少し冷えてしまったよ」


「俺は──」


「お兄様も戻りましょう」


「でも、ほら。ジーノ……あの暗闇の謎が……」


「お・に・い・さ・ま?」


「わ……、分かった。俺も戻るよ……」


 居残ろうとしたエースはジーノに強く促されてその場を離れることを決めた。四人は来たときと同じように動作だけで恭しく礼を述べ、聖域を後にした。


 階段を下りて小道を歩き、教会まで戻ってくる。ちょうどその時、どこからともなくやってきた白い鳥が礼拝堂の方に飛んで行くのが見えた。それはスランも見ていたようで、彼は一足先に鳥を追いかけて歩いて行き、堂の入り口前に設けられた郵便受けのような物の中に手を入れて何かを取り出した。


「これは……ケイからの鳩ではないようだね?」


 スランが手に持っていたのは鳥──ではなく、それを模して折られた手紙だった。 ソラはそれを不思議そうに眺めながら、


「こっちだと連絡手段はあの手紙みたいなものなんです?」


 問う彼女に、エースが説明する。


「あれは鳩と言いまして、宛先となる人間が込めた魔力を辿って遠く離れた場所からでも矢のように飛んで来てくれるんです」


「それは便利だね。手紙は常に速達なわけだ」


「いえ、平時であれば手紙は馬や獣使いの使役動物によって運ばれます」


「ってことは、鳩さんってばあくまで緊急用?」


「はい。あらかじめ送る相手に魔力を込めてもらう面倒もあるので、余程の時しか使われませんね」


 エースはいつもスランとジーノ、そして師匠のケイに宛てる鳩を懐に忍ばせているのだと言った。ジーノもその横で頷き、得意げな口調で兄の言葉に付け加える。


「私たちの鳩はお兄様の特別製で、筆を取らなくても込めた魔力によって文字が浮かび上がるように構成されているんですよ」


「そりゃすごい。わざわざペンで書く必要もないってのは、急の時に重宝しそうだね」


「はい。とっても便利なんです!」


 まるで自分のことのように誇らしく胸を張るジーノに、ソラは「この子もしかしなくてもブラコンだよなぁ」と笑った。


 そうして話していると、輪の外からスランが声をかけた。


「二人とも、それからソラ様。魔法院からの回答が届きました」


 先ほどの鳩は魔法院からの返事だったらしい。ソラは一転して真面目な顔になってスランの目を見る。


「何て書いてあったか教えてもらってもいいですか?」


「やはりソラ様を都までお連れするようにとのことでした。文面からするにかなり急いでいるようなので、明日にでも出られるようすぐに用意を整えましょう」


「明日ですか。随分と急ですね」


 ソラとしては、もうしばらくは異世界の牧歌的な生活を満喫したかったところだ。残念そうにそんなことを言ってみると、エースとジーノが少し呆れたように言った。


「ソラ様にその自覚はないかもしれませんが、聖人にせよ魔女にせよその存在は特別なものなんです。急ぎの対応が妥当かと思いますが……」


「お兄様の言うとおりです。むしろ、ゆっくりまったり気が向いた時に来いと言われた方がおかしい話ですよ」


「そ、そだね……失礼しました」


 自分が魔女あるいは聖人であるという自覚が薄いソラは兄妹の思わぬ態度に気後れしてしまう。その一方で、未だにこれまでの出来事を物語でも読んでいるかのように受け止めていたことを思い知り、恥ずかしく思うところもあった。


 この世界での出来事は全て自分の身に起きていることなのだ。それをきちんと理解しなければならない。


 いい加減、お客さん気分を改める必要がある。


 ソラは澄み渡った蒼穹を見上げて白い息とともに諦めを吐き出し、腹を据える。彼女が視界に切り取った天空の外では、目的地たる都の方角に向けて薄暗い雲が流れ込んでいた。

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