第十話
この小説はリレー形式で掲載していきます。
作者 oga
「スタンガンが手に入るのは明日以降だし、また次の週末に集まるか?」
そう俺が提案すると、ダンジョンが手帳を取り出しスケジュールを確認し始めた。
「来週は集まれそうだ。 どこぞの誰かと違って日曜が必ず休みというわけではないのでね」
「土日休みで悪かったな!」
ふと振り返るとワンドが申し訳なさそうに呟いた。
「私、引きこもりなので……」
「なんとかピコ、謝れ」
「お、俺が悪いのかよ!」
何かツッコミ忘れている気がしたが、その日はこれで解散となった。
ようやく家に到着した。
「ふぅー」
3人目も仲間になったし、結構順調なんじゃねーかな?
そんなことを思いながらお茶を飲んでいると、メールが入ってきた。
「あれ? 全然知らねーアドレスだ」
kamisama@…… というアドレスからのメールだった。
ローマ字表記で神様と読める。
ヨシピコよ、よく3人目を仲間にした。
次は「3種の神器」を手に入れるのだ。
伝説の剣「エクスカリバー」
幻の斧「ルーンアクス」
消える「ボールペン」
これらは横浜の赤レンガ倉庫に隠されておる。
週末にみなで取りにくるのだ。
「これはまさか……」
お告げの主からのメールだ!
俺はすぐにダンジョンとワンドに連絡し、週末は赤レンガ倉庫に集まることとなった。
そして日曜がやって来た。
横浜の駅で待っていると、まずダンジョンがやって来た。
「意外だな。 時間通りに来たか」
「当たり前だろ! てか10分前には着いてたっての。 でもワンドがまだ来てないな」
5分後、ワンドが小走りでやって来た。
「おっ、おまたしぇしましゅた~! みんなにょぶんのちょうしょしゅです」
どうやら朝食を買ってきてくれたらしい。
息切れしててめちゃ聞き取りにくい。
「ダンジョンはのり塩で、ヨシ…… はコンソメですね」
「さ、サンキュー」
気を取り直し倉庫に向かう。
神器とやらは倉庫の中にあるのだろうか?
「倉庫の前まで来たけど、どこにあるんだろうな?」
「まて、何かおかしい」
突然ダンジョンが周りに視線をやり、臨戦態勢に入った。
「な、なんだよいきなり……」
「あっ! 何かいます!」
すると、倉庫から鉄パイプや木材を持った男たちがゾロゾロと現れた。
1、2、3、4……
10人以上いる!
「メールの内容は嘘か…… どうやら魔王にはめられたらしいな。 お前たちは逃げろ。 俺が食い止める」
「な、なにかっこつけてんだよ…… いくらお前が強いからってこの人数だぞ」
「心配するな、俺の本気はかなりヤバイ。
スタンガンはお前が使え」
既に操られた男たちが迫ってきている。
「くっそ! 死ぬなよ!」
俺とワンドはダンジョンを残し走り出した。




