第53話 願いました。
今日も今日とて葉っぱとハチの子をもぐもぐしてます。
で、そうしてるとくるわけですよ、寄生虫が。終齢幼虫の運命といえばそうなんだけどさぁ、まるまる太ってておいしそうに見えるかもなぁ、とは思うんだけどさぁ。
アンナさんにグロ画像見せないように結界に幻覚付与すべきか考えるくらいには今のボクって半透明じゃん、どうやって見つけてるのか、っていう単純な疑問だよね。
【天羽様が見えなくなるので幻覚の使用はお控えいただけると幸いです】
愛するお嫁さんのお願いなら聴くしかないないね。
【妻が健気でかわいい】
絶対に夫の座を譲らないという返しには毎回のことながら脱帽するけど、ボクも譲るわけにはいかないんだよね、貞操の危機が本当に洒落にならない。この世界でボク(呪われて魔物(虫)化)を守ってくれる法律はありますか?
【検索中──、結果を表示します。ないですね、もっと言うと夫婦間になりますと人間の法律ですら強姦として扱われることもありません】
革命を考える案件勃発! え、ダメでしょ、いくら夫婦でもそんな無理矢理な関係は。この世界にボク以外の日本からの転生者っていないの?
【探索及び検索中──、結果を表示します。ここ数十年内はいませんね、前回の地球からの転生者は大陸からの方でした】
大陸広いよぉ、場所によって法律に差がありまくりそうだよぉ、ついでに何処の大陸だ、っていう……。訊いても仕方なさそうだからもう訊かないし、数十年以上も前の日本からの転生者がいても法律的に改変しようとか思わなそうだからこの話は終わりで良いかな。
【畏まりました】
さておき、結界にへばりついてくる寄生虫をどうしよう、っていうことなんだけども。
【虐殺一択では】
そうなんだけど、このままへばりついてくれてればいずれ毒で死んでくれるかな、って。そうすればボクが討伐したことになって吸収系の★が伸びないかな?
【鑑定中──、結果を表示します。現在天羽様を攻撃対象にしている生物は通常生物の寄生蠅なので、さほどの魔力も毒も期待は出来ませんが、放置で宜しいですか】
やっぱりお願いしようかな、不快に耐えなきゃいけない上にご飯が滞るなら割に合わない。
【では攻撃を開始しますので結界の維持をお願いします】
はぁい。
──中略──
【接近した生物の生命反応が全て消えました。生命核を抽出して保存します。死骸は捨てておきますね】
いつもありがとう、アンナさん。
【かわいい妻の為ですから】
ボクが夫です!
【ところで幼虫の残量が残り少なくなってきましたが、如何いたしますか】
最近のアンナさんは話の逸らし方が露骨だと思う。
【夫の座を譲る気が絶無ですので】
うわぁ皆無を通り越した表現で拒絶された、でもボクだってやだぁ……。
【嫌だとしても現実ですので】
これに関してだけアンナさんが容赦なく優しくない、成虫まで残り少なくなってきてる所為で欲求がだだ漏れしまくってる気がする、っていうか多分、事実……。
【約一ヶ月のおあずけ状態ですので】
ずっとこどもでいたぁい、なんて某おもちゃの王国のCMソングみたいなことを願う日がくるとは思わなかったよ……。




