第42話 味見しました。
【ハチの生命反応が全て消えました。生命核を抽出して保存します】
これで暫くは食べながらだけどお喋りが出来る! いつもありがとうね、アンナさん。
【妻の美容と健康と生命維持の為ですから、これくらいは当然です】
ボクが夫です。とりあえず移動しよっか、えーっと、何だっけ、新しい餌場……。
【羅瑚喇でしょうか】
あ、そうだ、マンドラゴラみたいなやつ。実在する植物だとナス科になるんだっけ? てことはまだマシな味だと期待が出来る……!
【検索中──、結果を表示します。地球の伝承上のマンドラゴラには魔女の媚薬、という異名もあるそうですよ】
地球の知識を何処で検索したの!? そして悪寒が……、悪寒が止まらない!! お嫁さんがこんなにも恐い!!
【私が夫です】
その発言が恐怖の原因です。あああ、きっと残り2週間もないのに……。あの時の賽子の出目が今更だけど憎い……。
【出目というよりランダムに選出された与罰の内容が原因だと思います】
それはそう。ついでに本当に今更だけど何でこんな罰が選択肢に混じってるの。
【実際に罰になり得るからでしょうね】
身を以て体感中だねぇ、隙あらば悪寒に襲われるし。
【解呪については手を尽くしていますので、もう少しお待ちください】
うん、お願いね。
さて、見えてきたあの植物がそうかな?
【鑑定中──、結果を表示します。】
羅瑚喇
刺激を受けると悲鳴に似た音を発し、聞いたものを発狂の状態異常に陥れる毒草
非常に強い毒と豊富な魔力を保持し多様な薬剤の原料にもなるが、取り扱いは非常に難しい
状態:良好
【魔魅夢酩妄毒草よりも毒性が強力な植物です。念の為、お心にお留め置きください】
はぁい。取り合えず、着いたら味見かな、それによってハチを先に食べるか後にするかを決めよう。口直し、っていうか精神衛生の保護は大事だからね。
マンドラゴラの葉っぱに近づいたタイミングで乗っていた葉っぱから飛び降りる。今回は先客はいないみたいだし早速、いただきます!
………………。
……………………。
…………………………、普通に不味い。
期待していた程には美味しくない、けど、タバコの葉っぱもどきに比べるとそこまで……、ってなる……。毒だからどっちも苦いのは当然として、こっちの方が苦くても良いのにそんなこともなく、ただ普通に食べられなくもない、っていう程度に不味い。何これぇ……。
【検索中──、結果を表示します。魔魅夢酩妄毒草は葉の部分に被食等の損傷を受けると苦味を増しますが、羅瑚喇にそのような性質はありませんので2口目以降は魔魅夢酩妄毒草の方が苦くても不思議ではありません。1つ前にいた魔魅夢酩妄毒草は天羽様の前に何者かが齧っていたのかもしれませんね】
調理すれば何とかなりそうな不味さ、っていうのも、イモムシになったことを後悔させるポイントだよねぇ。取り合えず味的には珍味として名高いハチの子を含むハチの巣がに軍配が上がるから、当分はハチを口直しに葉っぱを食べることにしよう。




