第38話 昇化しました(4回目)。
【条件を満たしました。昇化先に 夢毒蝶の幼体 が追加されます】
【鑑定中──、結果を表示します】
甘城 天羽 (アモウ・アマギ) の昇化先候補
魔毒蝶(幼体(五齢幼虫))
魅毒蝶(幼体(五齢幼虫))
夢毒蝶(幼体(五齢幼虫))
【検索中──、結果を表示します】
魔毒蝶(幼体(五齢幼虫))
魔法を操り、毒を持つチョウ型の魔物の五齢幼虫。食べると不調になり、不味い。
魅毒蝶(幼体(五齢幼虫))
魔法を操り、毒と魅了の力を持つ美しいチョウ型の魔物の五齢幼虫。食べると不調になり、不味い。
夢毒蝶(幼体(五齢幼虫))
魔法を操り、毒と幻覚の力を持つ美しいチョウ型の魔物の五齢幼虫。食べると不調になり、不味い。
お報せと共に目が覚めました、おはようございます。
【おはようございます、夜ですが】
魔力が枯渇して気絶したんですね、分かります。
ん? でも魔力が上限にならないと昇化先って増えないんじゃなかったの?
【天羽様が気絶した後に私へ預けていただいていた魔力を返したら、無意識に魔魅夢酩妄毒草に噛りついて魔力を吸い始めました】
アンナさんに魔力を渡しておいて良かった! そして言われてみれば葉っぱの萎れ具合がいつもの比じゃないし、今いるところだけじゃなくて目に入る範囲の葉っぱは萎れまくってる。寝惚けて吸えるだけ吸ったらしい。これ、四齢幼虫の餌になるのかな?
【鑑定中──、結果を表示します。味と魔力がかなり落ちますが、可食ではあります】
ならいっか、どうせ元から苦くてマズいし、魔力は先に吸っちゃったし。
さて、新しく加わった、ってことは魅毒蝶より夢毒蝶の方が上位種、ってことで良いのかな? 具体的に教えて?
【検索中──、結果を表示します。はい、仰る通りに夢毒蝶の方が上位種となり、魅了だけでなく幻覚も扱うようになります】
それだけ、といえばそれだけかもしれない。でも幻覚なら食餌的か性的かの2択から脱出が出来る、恐怖とか混乱とかが使えればそれだけ戦略の幅は広がる筈。
なので夢毒蝶でお願いします! けどその前に。
昇化している間の時間を回復に宛てる為に別の葉っぱに移動して、齧って魔力を吸って、回復魔法をかけて魔力を減らす。昇化中はゆっくりしか動けないし、敵はアンナさんが迎撃してくれるし、問題ないよね。
【万事お任せ下さい】
本当に頼もしいお嫁さんだよね。
【本当にかわいい妻ですね】
ボクが! 夫です!!
それはそれとして今度こそお願いします!
【夢毒蝶(幼体(五齢幼虫))への昇化を開始します】
急激に古い皮が窮屈になる、その程度が前回までの比じゃない。頭の皮が裂け、身体の大きさに耐えられなくてそのまま背中の方まで皹が伸びていく。ボク自身が動くまでもないんじゃないか、とすら思うけど皮がキツ過ぎて一刻も早くこの古い皮から出たくて、いつも通りにゆっくり前進する。魔力の巡り方と量が変わる、管が更に細く伸びて広がって皮膚の近くまで行き渡る感じ、でも流れる魔力は多く、速い。白っぽい身体は更に白くなり、月や星の僅かな灯を反射して少し煌くように見える。反射板にでもなった気分だ。
【風情が台無しですよ】
ごめん、今ちょっと、細かいことは考えられそうにないや。鑑定結果も後で聴くね。
────すごく、おなかへった。




