第36話 移しました。
事案が発生しました。
えー、終齢幼虫前にもう一回くらい討伐(可能な限り穏便な言い方)しておきたくて、魔力が足りなくて、もっというと更に魅了の★が増える可能性も出てくる。その上でボクに出来ることが、ない。いやいつも本当に少なくてアンナさんに頼りきりなのは自覚してるんだけど。
【もっと頼ってくれても良いのですよ】
夫の矜持に関わるので。
【実態が伴っていないので早々に諦めて私の妻であることを認めていただけると嬉しいです】
諦めたら何もかも終わりなんですよこの問題についてだけは!!
あと本当にこれ解決しないと拙いから、ここで夫婦問題は一旦終りね!
うあー、折角ここまで貯めたしやりたくないけど、放置しても絶対に良いことない……。……アンナさん!
【はい】
生命核消費してでも、魅了の★を召喚に移して。
【宜しいのですか?】
魅了の★が減れば寄って来る生物が減って、召喚の★が増えれば消費魔力は抑えられる。何かもうどうせ魅了の★は増えるし、魔力を効率良く使うならやるしかないんだ。……アンナさんからも少し魅力的に見えなくなるのはちょっと、嫌だけど。
【天羽様……】
ボク、またアンナさんに今と同じくらい、ううん、今以上に好きになって貰えるようになるからね!
【──────────】
? アンナさん?
【ハッ、お見苦しいところをお見せしました】
えーと、いや、見えてはいないけど。
詳しくは訊かないことにして取り敢えず、魅了の★を召喚に移して下さい!
【畏まりました】
【生命核の消費効率を最適化します】
【権限干渉中、魅了 の能力値を 召喚 の能力値へ移植します】
【権限干渉中、消費する生命核に対する現在能力値及び上限能力値の最適化を行います。宜しいですか】
はい、で良いのかな?
【権限干渉中、現在能力値及び上限能力値の最適化を行います】
権限干渉中に疑問があるとこういうことになるのか。詳しい話し合いが必要な場合はちょっと困る、事前の打ち合わせって大事だね。
【能力値の移植が完了しました、結果を表示します】
召喚:★★★★☆☆☆
魅了:★★★★★★★★☆☆
召喚の上限が増えた!
【魅了の現在能力値が召喚の能力値に対して過剰でしたが、これ以上は召喚の現在能力値の上昇には心許なかった為、試して生命核を下手に消費するよりは、と上限能力値の増加へ回しました】
能力値の中身が埋まってる★より空っぽの☆を増やす方が消費量が少なくて済むのか、なるほど。だとしても☆を2つも増やせたんだから、世界の心理の末端を夢中にさせてる★8つ目の能力値は凄まじい。
まぁそれだけ魅了の能力値がおかしかった、ということ。 ていうか今もおかしいよね? 何で減ってないの??
【……先程までの天羽様の魅了の能力値は以下の通りでした】
魅了:★★★★★★★★★☆
あれか、さっきのアンナさんがトンだ時か。
【天羽様のご意向に沿えず、本当に申し訳ないことを致しました】
うん、即効でアンナさんへの魅力が戻って来て安心した、ってところだけ拾っとくね。
【天羽様────……!】
うん、油断すると勝手に謎のカワイイが量産されて魅了の★が増えていく気配がする……。
【今のは天羽様の所業かと】
解せぬぅ……。




