第32話 思案しました(アンナさんが)。
あれから数回、ハチを狩ってるんだけど、なかなか魔物的なハチがかからない。
【探索中──、結果を表示します。付近に動物のハチの巣があります】
生態が被って且つ動物より魔物の方が強いなら闘争は避けるのが必至、特に肉食性の場合は食餌になりかねないから逃走も必至だ。つまり普通のハチが巣を作れるなら、この近くに魔物のハチはいない。
うーん、今からボクの足で移動するのは現実的じゃないし、葉っぱのジェットコースターもあんまり使い過ぎて時間経過とかで萎れたら後が大変になるし。かといって普通のハチをちまちま狩っても召喚魔法の星は増えない。
葉っぱをもぐもぐちゅーちゅーしながら考える。
【かわいい】
ボクに萌えているアンナさんはちょっとだけ放置だ、眺めて満足してくれるならいくらでも眺めていて欲しい。
【いえ、夫婦として会話も大切だと思います】
それはそう。ボクもアンナさんとお喋りしたいし、出来れば声で。
【解呪については、その……】
良いよ、目処が立ってなくても。もし立ってても言えないんだとしたら、ボクが知ると不都合があるんでしょ? なら伏せておいて然るべき時に教えてくれれば問題ないよ。
【理解のある妻で私は幸せです】
夫だと思ってくれるとボクが幸せです。
【それだけは無理です】
この生産性の生まれない会話は後にすることにして、どうやって少しでも質の良い生命核を少しでも多く集めるかの話をしたいんだけど。
【取り敢えず、付近にあるハチの巣を潰しますか?】
お嫁さんが物騒だ。
【妻の要望を叶える為なら、ある程度の生物は滅殺する覚悟です】
ボクが夫です、ってこの会話は後!
取り敢えずハチの巣を潰すのは進化後かな。胃袋の容量が劇的に増える予定だから、その時に栄養になりそうなもの全部食べていこう。
【珍味の幼虫、高カロリーな蜂蜜、美容と健康に良いローヤルゼリーなど、今後に欠かせませんからね】
アンナさんに末永く愛される為に美容も健康も大事だからね、先に成体を食べてから口直しにしたいなぁ。
【覚えておきますね】
というわけでハチの巣は後回し。残り数日の平和を満喫すると良い、ふはははは。
【悪役ムーブが似合っていません、かわいい】
謎のカワイイで悶えているアンナさんにボクはファンサービスをすべきなのだろうか、どうやって?
【過剰摂取で死にますので、今は大丈夫です】
いつなら良いの?
【思案中──、結果を表示します。天羽様はいついつまでも自然体でいていただければ】
そんな世界の真理の末端っぽい言い方までしなくても……。




