おまけ ▶︎ケモペディア
閲覧、ブクマ、応援ありがとうございました。
オマケの更新で完全におしまいです。
▶︎▶︎▶︎リンディーとは
「ずっと気になっていたんだけど…」
私はとうとう、この疑問に立ち向かうべく、口を開く。とか大げさに言ってみたが、割とどうでもよくて、後で聞こうと思って忘れていた事柄だ。
「うん? どうした? リンディー」
「リンディーってどこから出てきた名前なの?」
ゴルーダさんがつけてくれた名前。だから、彼に訊ねるのが正解をもらえるものだが…目を逸らしたぞ、このゴリ!
「ゴリが小さい頃拾った、カーチェの名前」
「ゴリじゃねぇ」
モクレンさんが答えてくれた。
「ぷっ…」
九石が吹き出す。
「リンちゃんにピッタリねぇ!」
うぉおぉい! シルキーさん、そりゃねぇっすわ! だが、カーチェに罪は無い。カーチェは可愛い。可愛いは正義。
「捨て猫扱い…?」
呟くように訊いてみると、ゴルーダさん目を逸らしやがった…!
「よかったじゃねぇか、カーチェみたいってことだろ? ぷぷぷ……」
「てめぇ、3日間ピーマンごはんにするぞ!」
「申し訳ありませんでした」
ハウスキーパーのカーチェ、ルルルフがとてとて近づいてくる。私の服の袖を握り、ニコリと笑う。可愛い。
「仲間ニャ!」
「だねー!」
ルルルフ可愛い。あとで猫吸いさせてもらおう。
私とルルルフの絆が強くなった気がした。
▶︎▶︎▶︎女神とは
女神ティトゥーヤ(3話に名前だけ登場)
全能の女神 女神たちのトップに君臨し、唯一名を呼ばれるもの
炉の女神
別名 鍛冶の女神
鍛冶の工房の炉に宿ると言われ、炉内にある金属に恵みを与える
機織の女神
服飾工房の織り機に宿り、糸に祝福を与える
炉と機織の女神の加護を持つ服は、一定以上の大きさで作られれば、着用時サイズの概念がある程度消える。
極端に大きい・小さい人には適さないので、注意。
畑の女神
畑に宿り、安定した実りをもたらすと言われている。
ゲーム:バケモンハンターでは、主人公自宅の畑に宿っている。だが、ゲーム内で畑の女神についての情報はなし。
なお、女神の姿を見たものはいない。
▶︎▶︎▶︎シルキーとアリーシャ
「なぁ、シル」
「なぁに? アリーシャ」
アリーシャは真剣な顔と口調で、シルキーに声をかける。
「リンに、文字を教えてもらわないか?」
「うん?」
アリーシャとシルキーの視線の先には、ゴツゴツとした岩みたいな形の魔物がある。
狩りの最中に、狩りとは違う内容の話をしている。
「そうすれば、リンとの時間長くなるぞ!」
「……!!! 名案ね!! そうと決まれば!」
2人は一気に駆け出し、魔物へ向かう。
ここ1年弱の、狩りにおける原動力は、異世界からの名を奪われた落ち人、リンディーだ。
小さい体でちまちま動いて、実に可愛らしい。だが、服をたくさんプレゼントしても笑ってくれないのだ。もっと笑顔になってもらうには、と考えても中々浮かばない。
ならば、こちらが頑張る姿勢を見せれば、褒めてくれるはずだ、という答えに行き着いた。
笑顔で褒めてくれるはずだ! と目が真剣になる。
「虹星ハンターになれたらっ…!」
アリーシャが渾身の力で大槌を魔物に叩きつける。
「リンちゃんが、褒めてくれるわっ!」
シルキーは大槌を掬い上げるように下から上へ振り上げる。
魔物は事切れた。
お気に入りの仲間、リンディーと一緒にいる時間を増やすという不純な動機ながらも、自ら勉強をしようという気になった、文字が苦手な2人。
虹星ハンターを目指す、と言えば断られる事もないだろう。
帰路はたいそう含みを持つ笑顔であった。
▶︎▶︎▶︎ミルクプリンを欲する者
「モクレン、飽きないの? 1年くらい食べてるよね、ミルクプリン」
「好物」
この国のミルクは、牛乳と違うみたいでお腹が痛くならない。味は牛乳と豆乳の間みたいなやつ。
何から取れるミルクかは聞いていないけど、美味しいやつ。
そのミルクで作ったプリン、飽きもせずに週2〜3は食すモクレンさん。
ミルクプリン以外にも、シフォンケーキとか作ったりしたけど、彼は全部平らげた。
嫌いな物が無いのはえらい!
「リン…くっそ鈍い。モクレンかわいそすぎ…愛が届いてない…ぷぷぷ」
「言ってやるな、あれはあれで見ていて面白い…くくっ」
九石とゴルーダさんが離れたところでボソボソ会話をして、肩を震わせているが、内容は聞こえはしない。
▶︎▶︎▶︎あの頃のメンバー
「ふたりとも、行方不明って不気味っすよね」
「そうだな…監視カメラの映像みても、突然消えてしまってるから、捜査のしようも手掛かりもないみたいだしな。1年近く経ってるからもう報道もされないし」
コーヒーショップのステラバックスで、しみったれた顔をした男ふたりがコーヒーをすする。
馴染みの仲間がふたり消えてしまった。あれからケモハンはやっていなかった。
語尾に草を生やすような明るい口調だった男は、そのような喋り方になることもなく、人懐っこく明るい口調の男は口癖は抜けないが、声から明るさは消えていた。
「よし、帰ったらケモるか」
「え、どうしたんすか?」
「次のアプデで、最終アプデだろ? あいつら戻ってきたら、引っ張ってやんなきゃ」
「……! そうっすね」
少しだけ顔が晴れやかになり、ふたりは店の自動ドアをくぐる。
――そして、落ちた。




