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己の歩むべき道は己で見つけてみせる  作者: 飛来針
第二章 ─ ミセリア国 ─
24/48

◆はじめての魔物狩り  [地図追加更新]

みてみんが今朝アップロード出来なかったので今頃追加更新です。

 (わたくし)は先日からアール様に拾って頂いた、アーバインと言う鋭猫(えいびょう)族と人間のハーフで、所謂(いわゆる)半獣人族と言われる者に御座います。

 今日はアール様に私の知る限りの、魔物生息地域という所をお教えしております。


 お教えしてアール様の持つ地図に、薄い(すみれ)色で色を塗って、お忘れに為らない様にしております。


 *** ***


「ミセリア国内には、四ヶ所の大規模魔物生息地域が存在致します。」


 先ず西側の山脈、ダリュセ王国に通ずる道は存在します。北ホルン渓谷と言われる場所なのですが、狭く入り組み迷路の様になっており、魔物生息地域となっております。

 (ちな)みに南ホルン渓谷と呼ばれる道もありますが、此方(こちら)はダリュセ王国からモンザリオ国に抜ける事が出来、南北二本の道が共に一本道となります。北側がモンザリオ国方面行き、南側がダリュセ王国方面行きと分かれております。


 首都ヒルリアから北西に進むとウィヒル湖がありますが、そこから北と北東の二ヶ所にも魔物生息地域が御座います。


 そしてドズより北西方面に位置し、ミセリア国首都ヒルリア~アデスラン国首都ロクまでの街道の、国境付近を南下した辺りには魔物棲息地域が東西に広がっております。



 他の国にも沢山御座いますれば、この際ですので一気に説明していきまする。


 エル商国周王よりやや北側に非常に強力な魔物の棲息地域があります。

 非常に危険ですので、近付かない様お願い致します。



 アデスラン王国の領土は広いですが、魔物生息地域も六ヶ所と多くなっております。

 北から順に王都ロクの北東、王都ロクの南西、そこから山頂に向かい南西方向国境付近、

 シュツー~カミーザへの街道の、今回バジリスクが出た地域の北側の山の麓周辺、

 シュツーから真南に進み国境を越え、モンザリオ国首都マウラスの北より始まりアデスラン国境を超えて広がる魔物棲息地域。

 そして最後に大都市カミーザより西方の、海岸部から南北に広がる地域となります。



 モンザリオ国は比較的少ないです。

 首都マウラス北の先程の地域と南を流れるホザル川を渡り、国の南部に位置するゴルシェリア山の北側麓周辺と、西側の島の三角島ですがこの島は全体が魔物棲息地域となります。



 ダリュセ王国は一番広い国土を持ってますが、中央の砂漠や広範囲の魔物生息地域があります。

 ダリュセ砂漠の北側より海岸線沿いに広がる地域と、ダリュセ砂漠南部を含み更にその東西にまで広範囲に広がる魔物棲息地域があります。

 これが原因で栄える事の出来る街の場所が、限られたと言われております。

 他に王都ゼウリオの北側にある小島も棲息地域で、東側の僅かな場所のみ安全と言う事です。


 数百年前にガゼウィル皇国が侵攻の前線基地とすべく、この島を占領しようとしましたが、

 叶う事無く撤退しました。この時の被害が激しく、ダリュセ王国と不可侵条約を結んだとなっております。

 この島の魔物はエル商国中央部の魔物より、凶悪だと言われております。



 最後にゲハノコ王国ですが此方(こちら)も広大な国土なのですが、利用できる面積が少ない様です。

 しかも風土病の脱毛症発症国として有名です。

 中央付近にメッセウス火山地帯を有し、北東にメッセウス山脈が続きます。

 その更に北東にゲヘル沼地がありそこと海岸線沿いに魔物生息地域が伸びております。

 また主要都市カヒルから北東へ進むと、またしても海岸線沿いに長く魔物生息地域が御座います。

 そしてゲハノコ王国最大の魔物生息地域は、王都ズーボルマの西方より始まり国の北西地域を丸々飲み込んでおります。

 


 (わたくし)の知るのはこれで全てです。

 マーギンとルメシアンに関しては、情報が無さ過ぎますので分かり兼ねます。


挿絵(By みてみん)


 *** ***


「成る程な、結構沢山有るんだな。では聞きたいんだが三人を連れ様子見で、魔物を狩りに行くには何処が良いと思う?」


「失礼だとは思いますが、私共(わたくしども)にはアール様が如何程(いかほど)戦えるか分かりませぬ故、ドズより北東に位置する魔物生息地域。

 ミセリア・エル・アデスランの国境が交わる所より北方へ進み、そこから東側へ広がる地域が宜しいかと思います。」


 (もっと)もな事を言い、そこから良い答えを導き出すアーバイン、俺は好きなタイプである。

 失礼だとかは俺は全く気にしないから、もっと砕けて喋ってくれて良いのにと思うほどである。


 アービィことアーバインは中々この口調が抜けない。もう完全にこう言うキャラだと、思ってしまうのも良いかも知れん。



 ────────



 数日のんびりしつつアービィに基本的なことを教わった後、俺を含む四人はアービィが決めた場所に向かう事となった。


 馬車で行っても置く場所がない為、徒歩で進む事となる。

 各種薬や毒を各自が持ち、予備をジルが担ぎ後衛として俺の横で護衛している。

 アービィが左前をウェルが右前を、軽く警戒しつつ進んでいる。

 薬は俺は俺で別に持っている、使ってもいいし途中で会った冒険者に売ってもいいしと言う物を。



 道中動物を狩る為に狩猟用の弓を三人に買い与えた。


 それを器用に使いこなし、狩猟を成功させてくるのはウェルが一番だった。


 夜は火を(おこ)し、俺はグッスリ眠っているのだが、三人は交代で見張りをしてくれている。


 急ぎ足で進むわけでは無い為、徒歩では八日から十日程掛かる。

 距離的にはエンシー~シュツーくらいである。

 帰りは疲れてるだろうから北の街道に出て馬車を拾い、ヒルリアに入らずまた馬車でドズまで行けばいいかと考えている。



 そしてジルは俺より弓の扱いが下手だった。そもそも矢が飛ばない。


 しかしこんな不器用なジルだが、今日は槍で猪を仕留めてきた。


「グランディーレで攻撃したら、動物が消し飛んでしまいました。なのでポーンスピアに変えました。」

 と言いながらペロっと舌を出す。


「おい・・・あざといなジル、だが可愛いからもっとやれ。」

 しかしこれはエレニアがやると、イラッと来るんだろうな。


 そんな扱いのエレニアだが、一つだけ役に立つ。"脱力"耐性が高いから効果範囲を調べるのを手伝って貰ってる。その代わりに最近入り浸りた食べたい時食べ、眠りたい時寝る自由過ぎる生活を送っているが、俺は文句を言わない。これも持ちつ持たれつと言うか、共存共栄と言うかそんな関係である。


 リッケンだと全耐性で影響を受けないから、実験には向かないのである。



 野生動物の料理に関しては捌くのはアービィが上手く、料理そのものはウェルよりジルが上手い。

 ウェルは魚料理が得意なようだ。アービィの料理は美味しいんだが、大胆過ぎる漢料理と言うべきか。


 料理や焚き火をする時は、当たり前だが火を(おこ)すよな。

 一人だと苦労していた火熾(ひお)しが、今はなんとジルが炎の魔法を使え直ぐに火が点く。

 ホールが寄越したこの三人は実に優秀だった。後は戦闘でどれくらい役に立つかだ。

 なんせ俺は"脱力"以外、殆ど役に立たないだろうからな。



 初日の狩りでアービィが鹿を仕留め、赤身部分に酒と塩辛いオノルンBとエポ保存液で漬け込み革袋に詰めていたが、何をしているのか分かったのは翌々日だった。

 定期的に革袋を出して揉み込みそれを黙って眺めていた、何かを作っているのだろうと思ったからだ。

 翌々日の昼になると、それを鍋で茹でだし薄く大きく切り分け穴を開け太めの紐に通し、吊るして歩いていたのだ。


「それは・・・干し肉か?」


 動物が取れない日の事を考え用意しておくのも私の務めで、棲息地域に入ってからはこう言う非常食が役立つそうだ。

 やはりこの男は優秀である。しかも今日も革袋に詰め込んで、新しい物を作り始めている。

 それを感心しながら眺める女性陣二人だが、ウェルの背嚢(はいのう)からは、鹿の角を短くした物がちょびっと見えているぞ、いつの間に持ってきた。




 そして特に問題なく八日が過ぎ、魔物棲息地域の入り口にあたる場所へ到着した。

 少し離れた所に野営後が見えるので、冒険者達も付近に居そうである。

 今日はまだ入らずここで陣美しつつ野営しよう。



 干し肉も随分増え各自10枚くらい持ち、ドウェインの特別調整で細い小瓶が取り付けられる様に()った三人の革鎧に回復薬や強化耐性薬を仕込み準備は万端である。




 ────────




 入口付近は弱い魔物しか居ないらしく"脱力"活用し少し奥へ行く。

 この脱力の活用だが例の"魔力の放出"により、俺は便利な放出を学んだ。


 自分中心範囲で脱力を使うとこの三人に影響が出るのだが、自分自身に使ってる内部に脱力を閉じ込めた、魔力の核の様な物を放出して他人に耐性を付けることが出来る様になった。

 レイチェルの件以降、頑張って試行錯誤した副産物だがな。


 これにより自分範囲の脱力を行使しつつ進んでいく。



 暫くすると真っ先にアービィが身構えた。

 見た目は鹿だが角が四本あり、脚や尻尾が馬の様な魔物だ。

「ヴィルーヒンです。弱いながらも雷魔法を使ってきます、お気を付け下さい。」

 雷・・・だと?

「この辺りは雷魔法使うやつはコイツだけか?」

「いえこの辺りは雷を使うものが多いです。」


「じゃあお前らこれを飲め、ナウィン耐性薬だ。一時間雷耐性が得られる。」


 耐性薬は便利なので、それなりの数を持ってきている。


「宜しいのでしょうか?」

「いいから飲め、お前らに何かあると俺が危ない。」


 こう言えば使うはずだ。


 そうしているとヴィルーヒンは全体雷魔法を使ってきた。

 淡い青色掛かった白い光が一瞬視界を奪う。


「素晴らしいですアール様、なんとも有りません。」

 と言ったと思えばもうアービィの姿が視認出来ない。


 全く声など発さず、背後に姿を現し左手に持つ武器で後脚を斬り付けたかと思うと、()(まま)体を一回捻(ひね)りその勢いを殺さず首の後から一突きし魔物を瞬殺した。


「ヴィルーヒンは雷魔法以外大したこと有りません。」

 そう言うアービィの言葉にジルとウィルが首を横に振って、あれはアーバインさんだからだと思いますと言う。


 やはりアービィは強さの底が見えん。


「それにしても良い武器です。アール様こんな良い品を持たせて頂き、本当に有難う御座います。」


 ジルがそっと耳打ちしてきた。

「(普通はヴィルーヒンと言えば、それなりの強さの魔物です。)」


 そしてヴィルーヒンの角と(たてがみ)を回収する。



「次は私が仕留めます。危ないと思ったらアーバインさん手助けして下さい。」

 と、ウェルが言う。


 ウロウロと魔物を探していると、またしてもアービィが気付く。

「ロンダウルフです。素早い動きと毒牙と毒爪が注意点で、一般毒です。」


「ウェル解毒はチベラギ回復薬だ、確認しておけよ。」


 頷くとほぼ同時にロンダウルフに向かっていくウェル。

 素早い連撃を繰り出すロンダウルフの攻撃を鉤爪で器用に()なす。

 隙を見てナックルでガンガン殴っていくスタイルの様だ。


 ロンダウルフが素早く体の向きを変えウェルの右側から攻撃を仕掛ける。

 鉤爪で反応出来ず右腕で防いだが、篭手部分で防御が可能らしく咄嗟(とっさ)に鉤爪で喉元辺りを突き刺し()(まま)右へ斬り裂いた。


「この鉤爪凄いですよ。鉤爪は本来防御用で突きくらいしか出来ないんですが、軽く力を入れると容易に斬り裂く事が出来ました。」


 もしかしてドウェインは、相当腕の良い鍛冶屋なのかも知れない。

 そもそもドウェインが作ったかは、知らないが・・・。


「では最後は私ですね。」

 と、ジルがあの高額な槍を構えて言い放つ。


 その武器の使い方とか試したのか聞くと、野生動物を狩る時に色々試したと言う。

 では見せて貰いましょうか。



 そして三人がヤバイ気配に気が付く。

 普通サイズの紫に黄色い模様の入ったバジリスクだ。


「通常のバジリスクでは無く、雷を使う個体です。」

 しかし本当アービィは物知りだな。


「では行って来ます。」

「待て。」

 と、言い猛毒解毒剤+猛毒耐性の付くエラギの小瓶を投げ渡す。


「エラギだ、そいつの効果は教えただろ。」

 有難うございます、と言って()けて行く。


「待てジル、流石に三人でやるべ・・」

 ジルは言葉を被せる。

「危ないと思ったら助太刀して下さい、では。」


 走りながらジルの持つグランディーレが淡い光を放ち出す。

 10m程だろうか手前で足を止めるジル、と思った瞬間槍を突く動作と共に光がバジリスク目指し()(まま)貫通する。

 その事を確認する前に前方に駆け出し、次はグランディーレが赤く輝き出す。

 ジルが突きを繰り出すと轟音と共にバジリスクが吹き飛び、微動だにしなくなった。


 この間十数秒であった。


「その武器は凄いと共に危険な位強い武器ですな。」

 アービィすら驚きを隠せない。ウェルも俺も固まっている。


「この槍アール様が銘名した時に、どうやら魔法を込める事が出来る、魔法槍になった様です。」

 サラリとそう言ったが、魔法○○はレジェンド武器やユニーク武器の部類だと言う事は、武器に(うと)い俺でも知っている。


 魔法を操れるジルだからこそ、生きてくる武器になって居たのか。

 しかも後衛としても遠距離から武器を介しても、攻撃出来るようになったと言う。


 化け物じみた武器を持つジルが無双し倒し、数日間の狩りで物凄い量の戦利品や素材を手に入れた。

 もう持ちきれない、そして干し肉が相当余った。



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