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この学園には攻略対象者はいません。  作者:
第二章 彼らは孤高の生徒会長とヒロインその1、又は、斜陽の令嬢と主人公その1、でした。

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11、驚きの白さです。

 





 仲間が増えた──私には無許可で──四月上旬の城生院学園高等部、私と元治もとはる君は転生ヒロイン疑惑を晴らす為、階段の上から、ゲームでのヒロインその2桃園百合恵ももぞのゆりえさんと攻略対象者桜花院覚(おうかいんさとり)の初イベントをのぞき見ている、このイベントは百合恵さんが教室の移動で迷い、それを覚が助ける、って内容だ。


 珍しい高等部からの入学者に、覚が心配し、


「──俺も教師一年目だからなぁ、……まあ、頑張りすぎるなよぉ、適当に気と手ぇ抜けよ」


 と、言って胸ポケットに棒付き飴を入れる、よし! ここまではイベント通り……さあ、はたして反応は!


「元治君、ゲームではここでの選択肢は三つ、

1「そうですね、先生」

2「もう、セクハラですか~」

3「でも、頑張りたいんです」

好感度は1が0、2が5、3が10です」


 転生ヒロインなら、この、三つのどれかを選ぶだろう、逆ハー狙いなら各自に三だ、けれど百合恵さんの反応は……、


「わっ! 期間限定のスペシャルイチゴ味じゃないですかー! ありがとうございます! いただきます!」


 貰った飴を即座にパッケージから出し食べると、言う行動だった、それにはいつも冷静な覚も、


「やっ、あげた俺が言うのもなんだが、もうすぐ授業なんだし……」


「大丈夫です! 私、歯は丈夫なんで!」


 百合恵さんは既に棒だけになった飴を見せ、挨拶をし次の教室に向かって行く、それを見送った覚が私達の元に来る、


「白だな」


「ああ、白だろうな……」


「……うっ、まだオフホワイトかなっ?」


 覚と元治君は白だと断定したが、私はまだ気を抜かないぞ! って! 私達も次の教室に行かなきゃ……遅刻は桜花院優菜(ヒロインその1)には似合わないからね。 




 昼休みの覚の研究室──城生院では教師一人一人に専用の研究室が与えられる──で、私達三人はヒロインその2、桃園百合恵さんについて話し合う為、カフェテリアでテイクアウトしたランチボックスを食べていた、すると、


「……なあ、ゲームで桃園の親の職業とかって、出て来たか?」


 と、元治君に尋ねられた、……ん? 確か……、


「お父さんは故郷で単身赴任、お母さんは近くの市立病院で看護師をしてる、じゃ無かったか?」


 私が記憶を探りながら答え、覚にも確認をとる、


「……ああ、そうだったね、母子三人暮らしで、凄く可愛くてカッコイイ小学生の弟がいるんだよね」


「ああ! いたね弟! 立ち絵だけの登場だけど、余りの美少年っぷりに攻略したいって声がそこかしこで上がった……あの子もこの学園に通っているのかなぁ……」


 いるなら是非観賞したい、覚と目を合わせ頷き合う、


「……相変わらずだな、二人とも……でもそうか……やっぱり二人以外の転生者が圓城寺えんじょうじにいるのは確定だな」


 ?


「どういう事ー?」


 覚が代表して尋ねてくれる、


「……桃園がカッティのマスコット付きの学生証ケースを持っていたんだ、それをツキトが胸ポケットに入れる様言っていて……」


 『カッティ』て、黒いペルシャ猫をモチーフにした圓城寺グループのマスコットキャラだよね、白いラバティン・カラーのドレスを着たキュートなレディって、あれ?


「カッティって、グッズ市販されてたっけ?」


「されて無いそうだ、圓城寺グループの社員の家族や、株主にプレゼントされただけだと」


 ええと、つまり?


「桃園の父親は圓城寺の社員、この春から本社勤務になったんだと」


「………………ええっ!?」


 ちょっと待って!? ゲームと違う、あっ、でも……、


「……そう言えば、お姉様から百合恵さんの事聞いて無い……」


 基本的に城生院の特待生は三家の推薦で選ばれる、桐生きりゅうは主にスポーツの、圓城寺は科学技術の、そして我が家は芸術分野の、それぞれ天才達を、言い方は悪いが『囲ってる』、桐生は野球とサッカーとバスケのプロチームを持ってるし、圓城寺は学生の内から自社で実地研修をさせている、まあ我が家は『高貴なる者の(ノブリス) 義務オブリージュ』を果たすと言う建前の……趣味というか道楽だが、


 そして、三家の入れた特待生は、それぞれの家の人間が庇護下に置いている……って事になってて……、


「……つまり、桃園さんは圓城寺の庇護下にあるの?」


 覚が確認をとる、


「……ツキトが言った事をそのまま言うぞ、『その学生証ケースを持ち歩く限り、百合恵様は圓城寺の……言い方は悪いですが『財産』という扱いになります、よほどの物知らずで無い限り貴女を害す者はいません……ですが、圓城寺の庇護下にある事を妬む者は現れるでしょう、けれど、貴女には胸を張って過ごしてほしい、貴女とそのご家族がその場に立っているのは、貴女方の能力故の事ですから……』だそうだ……ツキトがあれだけの長文を話すのを、俺ははじめて聞いたぞ……」


 ……確かに希少だ……っていうか!? ……そっ、その台詞はっ!?


月史つきひとルート後半に出て来る、『俺が貴女の騎士になる』の変形バージョンっ!?」


「……そうなのか?」


「うんっ! このイベントは全ヒロインで起こるんだけど、ヒロインが陰口を言われてるのを2人で聞いちゃうの、そこで言うのっ! 『貴女がその場に立っているのは、貴女の能力故の事です、ですから……貴女には胸を張っていてほしい』って!! で、その後の選択肢を間違え無い限り、『俺が貴女を守ります』って、ひざまずいて誓うスチルが出て!!」


 あれは、月史ルート最高のスチルだ……私は彼の攻略はそこまでにすべきだと思う……、


「……ああ、それで……どんな選択肢があるんだ……転生者疑惑を完全に晴らす為、聞いておくべきだと思うが」


 あ、あれ? なんか怒ってる? 疑惑よりも萌えを優先させたから?


「んー? 確か三択で、

1「……やっぱり怖いよ……」

2「……そうだね、でも不安で……」

3「……ありがとう、私頑張る!」

で、好感度は2が5アップ、3が10アップ、1は0、でもスチルは1か2を選んだ時に見れるんだよ~」


 そうなんだよね……3が一番好感度はアップするんだけど、スチルは見れないんだよね……。


「んー? で? 桃園さんの返答は?」


「……桃園の返答は『ふふ、六崎むざき君は圓城寺家を本当に誇りに思っているんだね? ……私ね、お父さんが圓城寺に入ってから、家族で過ごす時間も増えたし、ピアノも買って貰えて、いっぱい練習出来る様になって……それで今の私があるの、だから……ええと、つまり、おこがましい発言かも知れないけど……私も圓城寺に恩返しがしたい、立派な財産だと思ってもらいたい、って思ってるんだ……』だ」


 ……ええと、つまり……百合恵さんは……、


「やっぱり白だな」


「白だったね~」


「……ピュアホワイトでしたっ!」


 ……うん、よかった、安心した、だけど……、


「どっちの場合も選択肢より、好感度が上がってるのは天然!? さすがリアルヒロイン!!」


 ……女子力とはこういう事か……!






 

カッティは某完璧令嬢をイメージしたキャラです。

彼女の幼少期の服や持ち物にアップリケされてました。

デザイン制作は紀香さんです。


……某完璧令嬢は恥ずかしがっています。


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