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この学園には攻略対象者はいません。  作者:
番外編

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121/121

First Lady Complex2

 

 前話後、一玻さん一人称です。

 

 





「六人のヒロインを堕とすギャルゲー…………と見せ掛けてのキューピッドゲームです!」


 ちょっぴり度入りのリムレス眼鏡をクイっと上げ決め顔で言い切りました!


 ……おおっと失礼、私、一戸一玻(いちのへかずは)と申します。大企業圓城寺グループの総帥、圓城寺司皇(えんじょうじしおう)の主席秘書であり……その、つい先日結婚したばかりの新妻、でもございます。


 で、私が今、何をしているかと申しますと……本日はそもそも、私の主が理事長をつとめます城生院学園で昨今頻発しておりました一部女生徒への嫌がらせに対する対策を話し合う会談を、正午より学園内のサロン──城生院学園はお金持ち学校なのです──で行う予定で、実際行いました。


 ですが予想外に早く全会一致の結論にいたり、けれど私を含め皆様方は午後を丸々空けておりまして……なので前世、私と他お二人がプレイした、この世界とこの場の人々を元にしたゲームについて面白おかしく語った訳でございます。


 そして、そのゲームの続編について、私以外の転生者、桜花院優菜(おうかいんゆうな)様より知りたいとお申しつけられ、私、一戸一玻、誠心誠意語ろうとしております。


「……キューピッドゲーム?」


 はい、この麗しく首を傾げられました我が女神様の為に!


「YES! ……まあ、その結果主人公その1はヒロインとラブになるのですが」


 ええと、それは……はい、後で……ええとまずは当たり障りがないところから、


「まず、ゲームシステムとしては全ヒロインとの出会いイベントの後、個別ルートを選択する股掛け不能な純愛システムでした」


 好き嫌いの分かれるシステムでしたが……、


「あら、素敵」


 作品以外での股掛けはお嫌いらしい姉神様は、


「……そうですね。多分凄く気に入られたと思います。……色々と」


 この後話すシステムも含め楽しまれたのでしょうね……はい、私はちょっとあれでした。


「えー、ではヒロイン達を紹介しますね。まず『斜陽令嬢』桜花院優菜様。ユーザー内の愛称は『恋より命』の……はい、前作とあまり変わらない感じです」


 ある意味、主人公その2モードでの酷さは前作以上かも知れません……さすが闇姫様と、


「続いて『臆病なピアニスト』桃園百合恵(ももぞのゆりえ)ちゃん。ユーザー内の愛称は『恋よりピアノ』。性格は前作一宏(かずひろ)君ルートのが近いですね。恋愛に臆病な彼女を熱烈に、なルートです」


 前作でもこのルートは攻略する、じゃなくされる、でしたし、


「そして前作ヒロインラスト。『捨てられメイド』六崎楪(むざきゆずり)ちゃん。ユーザー内の愛称は『恋より修業』。キャラは前作護衛ルートの方ですね。ラッキースケベ増量でした」


 今作のエロ担でしたね。まあ、キャラ的にいやらしさは皆無なのですけど、


「それから『ボクっ娘執行部員』一戸今璃(いまり)。ユーザー内の愛称は『恋よりお嬢様』。……彼女のルートで前作の謎の一部が明かされます」


 じめっと一歩手前のしっとりルートでした。……ちなみに彼女が一番ヒロイン達の仲で色気があります……最年少なのに、


「ここからは前作未登場キャラ、まずは『和風眼鏡っ子』鴇田子鞠(ときたこまり)嬢。ユーザー内の愛称は『恋より絵』。眼鏡枠とヤンデレ枠を一人で担う美少女です」


 和風が容姿だけじゃなく攻撃法だったのには……バッドはとても赤かったです。


「そしてラスト『憂いのカウンセラー』三澤梅子(みさわうめこ)さん。ユーザー内の愛称は『恋より健康』。……彼女は子鞠嬢とは違った感じで病んでいるキャラでバッドエンドでは自殺未遂を……このルートも前作を補完する話でした」


 そしてハッピーでも先々が不安になるエンドだったのですよね……うう、梅子ちゃん……なので、


「続きまして彼女達の攻略を進めると登場するのが当て馬キャラ、それぞれ『俺様な当て馬』桐生元治(きりゅうもとはる)。『紳士な当て馬』岸元(きしもと)一宏。『爽やかな当て馬』岸元光三朗(こうざぶろう)。『熱血漢な当て馬』六崎月史(つきひと)。『執着する当て馬』春日井柊耶(かすがいしゅうや)。『物ぐさな当て馬』桜花院(さとり)。の六名で、彼らを排除するとバッド。彼らを納得させるとハッピー。彼らの背中を押すと他キャラルート解放なのです」


 泣く泣く攻略を諦め覚様に任せると、ってな具合で、


「なので寝取られ、というか寝取り、というか……はい」


 攻略すると罪悪感、任せると喪失感、バッドで絶望感、な、


「……随分と変化球な」


 ゲームでした。


「……ストーリー自体はとても良かったのですが全体的にメリバ臭が……あっけらかんとハッピーエンド! とは言えない」


 現実を元に作られたので仕方がないといえば仕方がないのですが……、


「……うん、なんかモヤモヤするね~」


 その後味を含め好きな方はお好きでした。……ええとでは、


「で、今璃ルートと梅子ちゃんルートで明かされた情報が、」


「の、前に主人公は?」


 うう、その……ちょっと言い辛いので、


「その……今璃が盲目的に主人に仕える理由とか、」


「いや、だから主人公は?」


 ……あ、はい、すみません女神様……んん、よしっ!


「ええと……二人おりまして」


 すみませんやっぱり言い辛いので!


「その2が現在高等部一年の櫻庭洋平(さくらばようへい)君で……」


 今回も可愛い特待生君から、


「おお、なるほど……で? もう一人は?」


 うう、


「その1が桐生元治……です」


「「「……………………」」」


 ですよね! 何とも言えないですよね! だって、


「まあ、でしょうねー」


 え、あれ? 姉神様? え、ええと、


「で、でも元治モードでは優菜様とのトゥルーエンドが全ヒロインをくっつけさせた後に解放されるという凄まじく特別感のある感じで」


 結局この二人くっつくのかよ! と、皆様つっこ、


「いや、カトリーヌ、私にそんなフォローされても」


 んだ………………、


「…………あの、お嫌では?」


 ちなみに私はその、お、夫のゲームでのあれこれを思い出して嫌に、


「あのな、そのゲームの桐生元治は、私とは縁もゆかりも無い他人だぞ? 何故に気にせにゃならん……だから君も気にするな元治君」


「……いや、わかってはいるのだがダメージが……」


 ……私もダメージを……すみません心狭かったようです私。


「……で? その今璃ちゃんルートと梅子ちゃんルートで明かされた情報とは?」


 ………………あ、はい!


「すみません……ええと今璃が盲目的に主人に仕える理由は姉が主人の母親を奪ったから。でした」


 罪悪感から意見出来ない状態になっていたのですよねー。


「………………え?」


 ?


「つまり圓城寺香奈子(かなこ)を、一戸一玻が、あ、ゲームでは名前は出てなかったのですが……ええと殺害した。からです」


 うん、可哀相な今璃。


「ええと…………何故に?」


 ん、殺害動機ですか?


「一戸一玻が司皇に岡惚れしてたからですね」


 押さえ込んでいたそれが恋敵の出産を機に溢れ暴走、です。


「……え」


「で、その現場に居ながら香奈子を守らなかった六崎兄弟の父親と共に処刑されまして……だから今璃と月史は共依存じみた関係になり、二人で幼い主人へ盲目的に仕えている。という情報が今璃ルートで明かされます」


 罪悪感に加え、ほんの少し家族を奪われた恨み、が入り混じった複雑な感情を抱え、それでも完全な被害者である紗々蘭(ささら)に懸命に仕える二人なのです。……これをゲームで知った時の私は、


「………………お、重い」


 と、現在の姉神様同様、つぶやいたのです。


「ですよねー! ま、私は司皇に惚れませんでしたし……兄弟の父親、(れん)はまあ、結局やらかしたのですがそもそも屋敷に居た時から兄弟とはほぼ他人状態でしたし……家の父がまあ、なんとかしましたので家の子達はさほど病まず歪まず育った訳です」


 結論、お父さんの父性は素晴らしい!


「っていうかカトリーヌ……なかなかハードなキャラに転生したのだな」


 んー、確かに気づいて直ぐはビビりましたが、


「あ、いえ、そもそも私がこの器に入った時点でほぼフラグは折れましたし」


 ……なので油断、した訳ではない、のですが、


「けれど、世界の流れは止めきれず……」


 ……守れませんでした。大好きな友人を、


 …………って、あ、空気が暗く、


「あ、あの、すみませ、」


「『世界は優しく無い。美しくも無い。愛してもくれ無い。それは月が東に昇り日は西に沈むように当たり前で言うまでもないこと。お前が悔やむことでは無い』」


 謝り、話しを戻そうとしたところ、囁きのようなのに、良く通る声が響きました。その発生源を向くと、


「ささ、ら?」


 普段の感情が出にくい故の無表情ではなく、感情が抜け落ちたような無表情の、私達の宝物である少女が、


「………………っ」


 しばらく、誰も何も言えず彼女を見つめていましたが紗々蘭は数回瞬くと、普段の感情と顔面の連動が少ない無表情に戻り、


「…………あ、あれ? ……今、私……あ、これはそこの偽善者に対する苛立ちに近い感覚……なるほど、これが前世の名残の発露か」


 不思議そうに首を捻った後、納得したように手を叩きました。……某少年への毒を吐きながら、


「……そうですね。僕も君がそう言うのに違和感を覚えませんでした『当然だ』と……そして同時に『だから何、不幸に甘んじてんだ』とムカつきましたね。……ふふ」


 すかさず某少年も応戦……ええと、お二人共、普段は温厚で通ってますよね?


「ふふ、私も今『お前が言うな』と」


 なのに、こんな、


「「ふふふふふ……」」


 空気を凍りつかせる笑顔でって……、


「……か、課長ー!? どんな天敵同士を入れたんですかー!?」


 後々。いや、くっつけようと思ったのだが。と、実は前世で婚約をしてた二人だと聞きました時は……うう、恐ろしや。



「え、えと、話しを戻しますね?」


 なんとも心臓に悪い笑い合いは縦ロールがお似合いなお嬢様が二人の頭をペチリと叩き止めて下さいました。うう、カッコイイぃ!


「で、梅子ちゃんルートで明かされたのは桜花院家を司皇が攻撃したことと、後、」


「ちょっ待て! なんだそりゃ!」


 情報を語っている私を焦った様子で止め、色々言いつつもめちゃくちゃ懐いているご近所さんをチラチラと伺う主。


 ……たまに可愛いんですよね。この人。


 とは言え彼の為に口をつぐむのは……はい、女神様に叱られる方が嫌ですので言います。


「なんだといってもゲームでは司皇と桜花院、並びに桐生はあまり良好な関係ではなく……で、まあ、色々あって司皇は桜花院に怒り、攻撃したと、で、双子のお嬢様方が不幸な結婚をし、優菜様も対等ではない婚約を結んだと、そういう設定でした」


 と……現在の仲良し家族状態とは違い過ぎております。


「……えぇ、なんだそりゃ……」


「まあ、私が私になったことであなたの人格は変わったということでしょうねー」


 主にツッコミに明け暮れた日々で。


「そのことがあって優菜様と覚様は自分だけが幸せになることを拒み……という感じで二組とも大体相思相愛なのにこじれていた訳です」


 うん、桜花院家との決裂の原因も含め本当に一戸一玻ってば諸悪の根源ですよね。……ですが、2以降に明かされた真の悪役なのは一戸一玻だけではなく!


「とりあえず神様方! 私を褒めて下さい!」


「ん? ええと頑張りましたねカトリーヌ?」


「え? 良くやったね~、カトリーヌ?」


「はい! 私はやりました!」


 守りきりましたから!


「……で、私達は何を褒めたのだ?」


「うふふ、圓城寺紗々蘭、人形化阻止をです!」


 やったりましたよ! ……当然、


「「………………良くやった!!」」


 ゲームのあの状態を知っているお二人からものすごく褒められました!



「というかそもそもなんで紗々蘭さんが『誰かの願いを叶える』という機能と欲求だけが残された人形。なんてものになるのですか? ……そりゃ母親がいないのは痛いでしょうが理事長達ご家族がたっぷりと愛情を注いだのでしょう?」


 まあ、そりゃ婚約者殿は気になりますよね。


「はい、そうですよね。実際エクストラの元佳(もとか)様ルートに……「紗々蘭も昔からああだった訳じゃないのよ。初めて会った時のあの子はわがままなくらい甘えたで良く笑う子だったんだから」という台詞がありましたのできっと愛情たっぷりでスクスクと成長していた。のです……途中までは」


 翔馬(かけうま)君がなんであんなに尽くすんだ! と怒ったことへの返答です。ちなみにさらに言い募るとバッド直行という……ほんとゲームでもこの二人(双姫達)はラブラブですよね……、


「あ、確かに言われて驚き黙りこんだ覚えが……」


 お、かー君ここでのバッドは回避したのですね。


「それで……これは一見紗々蘭とは関係ない情報なのですが。梅子ちゃんルートで彼女が懐いてくれる洋平君に言う台詞「あなたといると今は入院していて一緒に暮らせていない甥達を思い出してとても安らぐわ」……これを合わせて考えれば答えは出ますよね?」


 そう、それは、


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 となるとざっくりと筋が見える。


「多分三澤兄弟を人質に紗々蘭をおびき出し……まあ、酷いことになると」


 けれどそれさえわかっていれば対処は簡単でした。


「なので三澤家に説明し、『七瀬(ななせ)』に陰からの護衛を頼んで後は待つ、と」


 圓城寺家はなんちゃって予知者が良く生まれるのであっさりと信じてもらえました。


 ……まあ、それを機に、司皇や(ほのか)ちゃんと話し合い、危機感を持ってもらおうと、紗々蘭に自身に待つ危険について話し、結果紗々蘭は感情を抑えてしまうことになり……無表情は変わらなかったと、


 うう、実は煉がいなければ精神の均衡を保つのが難しかったという……ゴメン紗々蘭。


「で、エサに食いついた下手人達を捕らえ、色々処理しました」


 ちなみに下手人筆頭は三澤兄弟の実の祖父だったという……真琴(まこと)さん落ち込んでたなぁ。


「………………処理」


「ああ、全員存命ですよ」


 パーツは減ってたりしますが。



「……で、なんでかー君落ち込んでますのん?」


 唐突に顔を覆ったのですよね。


「……じ、自分の視野狭窄っぷりに気づいて」


 ?


「ああ、なるほど、その情報を使い我が家に取り入れば今回同様、いや、それ以上の後ろ盾になったと」


 あ、


「成功するかはわかんないけど一二度試す価値はあったよね?」


 たしかに圓城寺は予知やらに理解がありますからねー。


「あら? でもそうなると私達、みんなと会えなかったんじゃないの?」


「あ、そうですね。この世界が進むかはわかりませんが少なくともお二人はハッピーエンドを迎えれば他の器に移るでしょうし」


 多分最初のバッドエンドで魂が器に癒着してしまったので……その無念を晴らせれば新たな人生に向かうでしょうね。


「だったら……歴代の紗々蘭達には悪いけど、思いつかなくて良かった…………とは言えないわね、さすがに」


 でしょうね……、


「まあ、私は言うが……モカたんに会えて幸せだ。と」


 ………………!


「紗々蘭……」


「モカたん。愛してる」


「私も……」


 ………………ああ、


「百合百合……最っ高っ!!」


 ほんっとうにっ!! 可愛いは正義で最強で花丸ですっ!!


「…………栄次(えいじ)君あれ大丈夫なの!? 僕は全然大丈夫じゃないけどっ!!」


「うーん、美しいね」


「くっ! これが両思いの余裕かっ!」


 かー君、ドンマイ! 君も百合の素晴らしさに目覚めれば平気になりますよ!



「……ええと、一玻さん。ゲーム内容の続きお願いします」


 かー君……ドンマイ。


「ええとではルートごとの説明を、まず優菜様ルートはその1では全ルートクリア後にトゥルーエンド解放というのは言いましたよね? で、この二人にはノーマルとグッドもありまして、ノーマルは前作ノーマルと同じ、すれ違い解消はされないまま結婚です」


 前作同様パラメータとか選択肢とかいい加減でもさらっと行けるエンドです。


「え、ノーマルで結婚?」


 なのですよ百合ちゃん。


「まあ、婚約してますからね……ちなみに私、ゲーム期間に記憶が戻っていたらこのルートを選んでました」


 ああ、姉神様……そうですねー、トゥルエンは綱渡りですからね。


「で、グッドではまあまあすれ違い解消で結婚です」


 ビミョーに盛り上がりに欠けたエンドです。


「で、トゥルーは切なさと麗しさに満ちた……キュンキュンするエンドでした」


 やっぱりこの二人はくっつくべきだ! という。


「ちなみにその2モードでは……メリバな結婚エンドと」


 婚約者(障害)がこの世からいなくなったことでの結婚……ハッピーではありませんよね。


「優菜様の目の前でその2君が殺されるというデッドです」


 ……色々とR指定なスチルでした。


「えー、続きまして百合恵ちゃんルートは……その1は優菜様に後押しされて付き合いはじめるという……」


「あー、無印でも他ヒロイン後押ししますものね。優菜」


 ……身を引いたのか押し付けたのか……反応に困りました。


「で、その2モードでは互いに夢を叶える為切磋琢磨という、けっこうちゃんとしたエンドでした。ちなみにバッドはどちらも普通にフラれるだけです」


 正統派でしたね。まあ、任せるエンドが一番幸せそうなのですが。


「そして楪ちゃんルート、これもその1では優菜様の後押し……というか、ええとこの後のヒロインルートでもその1ハッピーは全部優菜様の後押しで。です」


「……まあ、前作からそうですし」


「……そ、そんなに優菜は元治と」


 落ち込む見た目王子様を優しくなだめる凛々しい美少女……どこか薔薇感が……はっ、


「え、ええと話しを戻しますね? で、その2モードではクラスメイトとしての友情から発展し、です。あ、このルートでも普通にフラれるだけのバッドです」


 うん、楪ちゃんは温厚ですものね。


「で、ここからは……ファレコンらしくなります」


 つまりバッドのえぐさに叫ぶ感じの、そしてハッピーでも首を傾げる感じで……はい、


「まずは今璃ルート、その1はさっき言った通りです。で、その2モードですが……これ結婚詐欺じゃ? とプレイヤーが思う……ええと、端的に申しますと圓城寺社畜エンドです」


 ハッピーでもそうならば、


「ちなみにその2はバッドでも社畜エンドです」


「……えーと違いは?」


「美少女に好き好き言われるか、ヤレグズと言われるか、ですね」


 ちなみにどっちもボディタッチゼロです。


「……さすがお姉ちゃん」


「ん、今のボクもそういうの紗々蘭の命令ならヤレるよ?」


「いらない。色仕掛けに簡単にひっかかる人は面倒」


「ま、だよね」


 ………………、


「なんで私の妹なのにそんな色気が」


「姉がなさすぎなだけだよ。父も母もあるじゃん」


「うう、拾われっ子ですか? 私」


「単に中身のせいだろ」


 ひ、酷っ!


「ハニーの色気は俺っちだけが感じ取れればイイからイイんすよ」


 ろ、緑君!? ……う、うう、うー、


「一玻さん、また脱線してるよ〜?」


 すみません弟神様、頬の熱が引くまで待って下さいぃ。



「えー、その1バッドはなんか子会社を奪われる。でした」


「……まだ耳赤い」


深子(みこ)、見て見ぬ振りをしましょう」


 うん、友人達が何やら言ってる気配がしますが無視します。


「えー、続きまして子鞠さんルート、その1は以下略です。で、その2モードではほのぼのラブエンドでした。……ではお待ちかねバッドエンドの内容の発表でーす」


「浮気に怒り日本刀で切って元恋人で絵を描く?」


「……かー君?」


 なんで?


「何度かニュースで見たことが」


 ……ああ、


「…………えー、そういうエンドでした」


 赤いのです。


「血は直ぐ凝固するから描き辛いと思うなぁ」


「そういう反応ですかっ!?」


 お嬢さん!?


「んー、たしかにわたし浮気は嫌だなぁ。って」


 え、


「激昂した時に手近に慣れた得物があれば使うか」


 いやあの?


「まあ、そうですね……ハ、だから私は戦闘力皆無なのか」


 お嬢様!?


「…………いや、それがメインの理由じゃないぞ?」


 ……………………、


「ヤンデレはヤンデレに共感出来るのですね……」


「え、俺は愛する人を傷つける心理は理解出来ないですよ?」


「うん、僕も全然理解出来ないです。……ヤルなら浮気相手ですよね」


「だね~」


 ……………………、


「……ヤンデレ二大派閥っ!?」


 そしてヤンデレ率の高さよっ! 一方、


「一般的には浮気で恋人に怒りが向くのは男性で浮気相手に怒りが向くのが女性とされてますよー?」


「あらそうなのですか?」


「へー、私は自分に一番腹が立つと思うわ」


「あー、ですね……自分に魅力が足りないと」


「いえ、この私をそこらの女と同列に扱う馬鹿と付き合っていたことに」


「え、じゃあ浮気相手がこの場の子達レベルならどうかな?」


「……怒りよりも先に凄っ! って思っちゃうかも」


「……たしかに」


 と………………、


「一切動揺しない彼女達! プラス婚約者殿!」


 か、カッケー!?



 ちなみに司皇と柊耶君は後者だそうです。……ヤバいのは跡取り娘,sか……うん、


「ではラスト、梅子さんルートです。……その1では以下略の後……まあ、初恋の相手の妹の婚約者を寝取ったことになるのでかなり不安な終わりでした。……そしてその2モードでも彼の能力や性格的に将来が不安になるもので……ええと、バッドも酷かったです。司皇が出てきますので」


 つまり結論。


「当て馬さんに任せるのが良いですよね! になりました」


 そしてそれは、


「なんだかんだ全員そうですけどね!」


「……とりあえず洋平君ドンマイ」


 まあ、彼には普通の可愛い女の子……か、


「ちなみにその2モードで全員任せた後は友情エンドです」


「友情?」


 ……ええ、一応、


「はい、2にも『城生院さん』みたいなお助けキャラがいまして」


「へー」


「岸元栄次君が」


「……へー」


「まあ、当然かも知れませんが百合恵ちゃんと楪ちゃんルートでは協力されません」


 ちなみに百合恵ちゃんルートでは緑郎(ろくろう)君が、楪ちゃんルートでは月明(つきあきら)君が協力者になったりします。


「……それはそうでしょうね」


「そして彼との友情エンドに……平凡受け最高! と、一部が叫んだという」


 もちろん私は叫んだ一部です。


「んー、どS攻め? 溺愛攻め?」


 お、弟神様からの究極の選択!? ……うう、


「個人的には溺愛……からのどSに一票です!」


「それイイね!」


 ですよね!!


「……腐った会話は余所でやれや」


「あー、先生も腐ってたんすね」


「弟は雑食の悪食なのだよ」


「……ちょっとお手洗いに」


「「栄ちゃん!?」」


 この直後、栄次君が体調不良を訴えた為この日は解散になりました。


 そして……、


「個人の趣味には意見するつもりはありませんが……TPOはわきまえましょうね?」


「ええ、本当に」


 私達は淡々とお嬢様方からお説教を二時間みっちり受けました。


 ……申し訳ありませんでした!!





 

 

 お説教の後の転生者達の会話


「ちなみにエクストラはどういう内容だったのですか? ……先程聞いた限りかなり酷かったようですが」


「ええ……まず全てを粉砕する主馬鹿メイドと日本刀がお似合いな画家さんと策謀が大好きな主馬鹿秘書を攻略するゲームをクリアしまして」


「……どうしましょう既に不穏だわ」


「そしてサイコパスな兄二人がいるお嬢様を死にまくってから攻略するゲーム、サイコパスな父と婚約者がいるお嬢様を攻略……出来ないゲームをプレイし絶望を叫ぶゲームでした」


「……何そのゲーム」


「ちなみに某縦ロールがお似合いのお嬢様のハッピーエンドは駆け落ちエンドだったのですが」


「え、それハッピー?」


「これはゲームには描かれてないのですが……その後、空港に向かう高速バスが横転炎上し」


「ちょ!?」


「彼らは繰り返しをはじめる訳です」


「……………………」


「聞きましたらその『ハッピーエンド』後にデッドエンドを数十回」


「…………うん、彼のことちゃんと庇います」


「お願いします。姉神様」






 ここまでお読みいただきありがとうございます。


 続いて別で『城生院学園にはハッピーエンド好きな精霊がいます。』投稿します。


 この作品の裏側やこぼれ話。


 ゲームとは関係のないカップルの恋愛話を投稿予定です。


 お読みいただいたらとても嬉しいです。

 

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