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第七章 村の掟
【第七章 村の掟】ーーーーーーーーーーーーーーー
翌朝。学校へ行っても悠斗と圭介の机は空いたまま、誰も話題にしようとしなかった。
教室の空気は妙に冷たく、淳は孤立した気分になった。まるで「いずれお前も消える」と暗黙の了解を交わされているかのように。
放課後、彼は図書館で古い郷土誌を探した。ほこりを被った冊子に「鏡沼伝承」と題された章を見つける。
そこには衝撃的な記述があった。
――鏡沼には、村の“悪しき血”を沈める風習があった。病や災いを招く者は、生贄として沈められ、沼神への供物とされた。
ページの余白に、鉛筆で書き込みがある。
「井内家(淳の苗字)より捧ぐ」
心臓が跳ねた。
自分の家の名前が、はっきりとそこに記されている。
さらに記録には、数十年前にも「同じ血筋の者」が沼に沈められたと書かれていた。
――祖母が言った「父もそうして消えた」という言葉が脳裏に蘇る。
つまり、自分の家系は代々“贄”に選ばれる運命だったのだ。
背筋に冷たい汗が流れる。逃げ場など、最初から存在しなかった。
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