表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/12

UFO娘登場!!!!

SFなのかファンタジーなのか!?

予定では宇宙が舞台になるはず・・とおもう・・・


赤いリボンが目立つ黒髪少女が 神官の前に歩み出てきた。


そして 神官は その少女の手のひらを見る。

「・・・・・・・」

神官は声を発せない!! すこし困っているようだ。

まわりに集まっている村人は、その様子を注目し、なんらかの期待をしている。


神官は意を決したように声を発した!!!

「ソフィアーナ!! あ・あなたのギフトは・・・」


----- ------ -----


「なにそれ!?」

「聞いたことがないギフト名だ!!」

「す・・すごいの!?  どうなの!?」

村の神殿に集まった村人は騒然となった。



「 ソフィアーナ!! あなたのギフトは・・・

・・・  UFOコンタクト !??? 」




------------------------------------------------------



この世界では10歳になると、神はそれぞれの子供たちに、

ギフトとよばれる特別な特殊能力が与えられる。

今日は、年に一回のギフトを与える儀式の日。


この日のために、目一杯のオシャレを着こむ子供たち。

いつもは 汚い恰好でも 今日だけは馬子にも衣装!?


山間部の小さく寂れたフユル村でも 今日だけはお祭り騒ぎです。

村中で ノボリの旗が立ち並び、家々には飾りがたてかけられている。

娯楽の少ない村では、祭りは一種の娯楽!! 楽しみにしている住民も多かった。


遠くの町から訪れた神官は、このフユル村で簡易に作られた神殿にはいり、

今年で10歳になった子供たちにギフトを与える儀式を行うのである。


神官は 厳かに詔を唱え、御幣を振る。

集まった村人一同は、一斉に頭を下げ いよいよ儀式の始まりである。


今年で、10歳になったのは3人のみ。

始めは 村で有名なヤンチャ坊主のエンドレ君。

腹の出た巨体で神官の前に ドスンドスンと現れる。

神官もさすがに驚いた様子だ。


あのエンドレは、たいへん乱暴で、女の子であるうちの髪を何度引っ張られたか!!


神官はエンドレの手のひらを開かせ、手元においてある分厚い本をめくっていった。

そして その手相と合致する項目を見つけ神官は宣言する。


「この子のギフトは 格闘家 」


すると村人たちは一斉に拍手するのである。

エンドレ君の見た目から格闘家は 当然の結果と言えるのだが、

神官からの宣言でお墨付きを得たようなものであった。


・・・・・・っていうか この儀式はいわゆる手相占いである。

魔法道具とかで、神秘な力により不思議なことが起こるのではないのです!!


ということで・・・格闘家になれるかどうかは 結局は本人の努力しだいということで・・・・ww



次の痩せているが賢そうな少年も同じく神官に手のひらを見せて

「この子のギフトは 学士」

おなじく 村人たちが一斉に拍手した。


手相占いというより見た目判断なのか!?



そして いよいよ最後はうちの番。


うちは 元々この村の生まれではなく、ある日、大怪我を負った騎士がこの村に逃げ込んできた際、

その騎士に抱かれていた赤子をこの村の村長に託して、その騎士は息を引き取った。

うちは その騎士の子供だったのか 違うのかさえ分からなかったが、名前だけは伝えられた。

ソフィアーナと・・・・・


村長は、託された赤子を育てた。 大切に育てたのである。

なぜなら村長は見た目だけは若い女性であるが・・・実年齢は!?!?

ひさしぶりに子育てをしたくなったからだろう。

長寿のエルフだという噂はあるが エルフ特有の耳の長さはなく 普通の赤毛色の髪をした女性であった。

「ソフィア―ナ・・・・そうね!! ソフィちゃんと呼ぼうかな!!  あたらしい母のノアおねーさんだよ!!」

おねーさんという言葉を強く印象つけるように 赤子をあやしたのであった。 


そして うちは平凡ながら すくすく育ち村人とも仲良く幸せに暮らすのである。

ときおり エンドレ君が うちをイジメてくるが そのたびにノアねーさんが エンドレ君を逆さづりの刑にして、

玄関につるすのだった!!




・・・・・・・おもわず回想のため、うちの意識が違う世界に行ってしまっていた!!!




いよいよ手相占いもどきのギフトの儀式。


黒髪に赤いリボンをつけ 眠たそうな顔をしながら神官に自分の手のひらを見せる。


神官は、うちの手相を見て困惑した様子になった。

慌てるように分厚い本をめくったが、判断がつかず、別の本を取り出してきてめくりだした。


普通ではない状態に集まった村人たちは、ざわつきだした。

これは・・・・もしかして特別なギフトではないかと!!!

ギフトによれば この村に恩恵があるかもしれない!!

親がわりに育ててもらった村長のノアねーさんの顔がドヤ顔になっている。

さすが私の子ね!的な顔である!!



やっとのことで・・神官は 一つの項目を見つけた。

「なんと! これは・・・・よく分からないが・・・・

この子の・・・ギフトは UFOコンタクト」


神官の宣言に村人は沈黙する!!

なぜならUFOコンタクトという意味が分からない。

もちろん神官もわからないし うちも分からない!!



「とりあえず! おめでとう  かなり珍しく貴重なギフト・・・とおもう」

なぜか 急にトーンがおちる神官であった。



そんなことはあったが、ギフトは人生の指針程度で、あまり、その子の将来とは関係ないので、

村人もそんなに深くは考えなかった。


どちらかと言えば、魔術師とか魔法のギフトのほうが、魔法が使える証拠になり、

神官の斡旋で無料で魔法学校などいけるので、そちらの方が村にとってメリットがあった。


でも、村人の態度が すこし変わったような気がする。

村人がうちに会うたびに・・・・UFO娘さんと呼ぶ!!

ついに・・・・ あだ名がUFO娘になった!!


UFOという言葉に なにやら神秘でも感じたのやら!?


とくに乱暴者のエンドレ君は「UFO娘」などと言ってからかう。

でも、うちは知ってます。

好きな女子をイジメたくなる年頃だと・・・・・


このエンドレ君は 川で魚とか釣ってきたときには、なぜかうちに焼き魚を持ってくる。

それも貴重な塩をふりかけて・・・・


もうちょっと 顔がよくて、痩せてたらよかったのにね!!!





---------------------------------------



そんな平和な村で 村長のノアねーさんと平凡で幸せに過ごしていたある日。

それは うちが15歳の時だった。


山岳地帯の村に 武装した男たちが表れた。

おそらく数は200人近く。 あれは盗賊団だ!!

村を襲い、女子供をさらい奴隷として売る無法集団。


近くの村が襲われていたという情報もあり、領主の騎士団も出動して討伐していたというのに・・・

街道からかなり外れた いわば死角のような この山岳村が襲われたということなのか!?



フユル村では 警報の鐘が鳴り響く。

カー―ン カー―ン


村のへいは薄く、対動物のためのへいで けっして戦闘用ではない!!

唯一の防御地点といえるのは 村を取り巻いている水堀程度。


村の男たちが 弓や剣、または鍬などを持って村の出入口にあたる門に集まるが

はたして、200名の盗賊団に対抗できるのか!?


村長のノアねーさんが村の門前に駆け足で到着すると 村の男たちもノアねーさんの周りに集まってきた。

うちもノアねーさんを追いかけて、門前に走った。


この村で もっとも戦闘力が高いのはノアねーさんである。

村の男たちの心の支えともいえる存在であった。

ノアねーさんは魔術師だったのだ。 

それも元はどこかの国に仕えていた魔導師で・・・それなりの地位についていたらしい・・・


うちもいままで 少しは魔法の手ほどきを習ったが、ノアねーさんの魔法は桁が違う。

うちは ノアねーさんのサポートのために 魔法攻撃を行うつもり。

始めての戦いで、ちょっと手が震えてるけど・・・・・なんとか頑張ります!!



うちの横では 巨体な身体に槍を持ったエンドレ君の顔が青ざめていた。  

うちを守るつもりなのだろうが・・・・頼りなさがにじみ出ている。

ギフトが格闘家のわりには ギフトの恩恵がなさそうである。



うちとともにギフトを授かった 学士君の方がやる気がありそうだ。

どうも ノアねーさんに魔術を教えられて 筋がいいらしく自信がありの様子。

この細くて見た目が頼りなさそうな学士君のほうが 頼りがありそうに見える。



盗賊団は 横一列てなって 村に迫っていた。


村の門前から 仁王立ちして盗賊団を睨むノアねーさん。

その背後には 村の男たちが 各々の武器を持ち緊張しているようだ。

「あの程度の盗賊団は 私の魔法で片付けてやるよ!」


ノアねーさんの設定している 絶体防衛ラインAを盗賊団たちが越えたところで 戦闘の火花が切られた。


ノアねーさんは詠唱を唱えると、巨大な火の玉が上空に生成され 迫りくる敵の盗賊集団にむかって、

轟音と熱をまき散らしながら火の玉は、直進していく。

ターゲットは盗賊団の中央!! 命中すれば巨大なクレーターが出現する!!


同時に うちの詠唱した火弾、学士君の火弾も、頼りげがなさそうだが、盗賊たちに飛翔していく。



だが 盗賊たちの突撃は止まらない!

片手に長剣のような武器をかかげもち 全速力で村へと走ってくる。

盗賊団たちには 火の玉が見えてないのか!?  まったく恐れずに突撃をする!!


その時 盗賊団の中の一人が詠唱をとなえ、魔方陣のようなものが空中に形成されるやいなや、

盗賊団の正面に透明色の青い防壁がはられ 直進してきたノアねーさんの火の玉がはじきとび消滅した。

もちろん うちの火弾も学士君の火弾も 何事もないように防壁にはじかれてしまった!!

盗賊団の中に かなり優秀な魔導士がいたのである。


「なんてことなの!! まずい!!」

ノアねーさんの焦った声がした。



それに反して、盗賊団のニヤリとした余裕な顔がいやな気分にさせる!!!


ノアねーさんは、それから、いくつもの火弾を放ってみるが やはり・・・青い防壁にはじかれてしまった。


「ぐぅはははは~  俺たちにも魔術師はいるんだよ!!」

盗賊たちの勝利を確信した声が鳴り響く。


ノアねーさんは 両腰に差している鞘から小刀を抜き構えをとった。  

二刀流の構えである。

そして、ノアねーさんは敵の盗賊団を睨みつつ 後方の村人に囁くのだった。


「仕方がない! 久しぶりに格闘戦をすることになってしまったわね

みんなは危険なので逃げなさい!! ソフィ も逃げるのよ!

私は大丈夫よ! あんな盗賊程度、私の敵ではないわぁ! 」


ノアねーさんは余裕ありげに言っているが・・・・

うちには分かります!!

ノアねーさんは・・・覚悟を決めたことを!!

おそらく ここで死ぬ気なのでしょう!

うちも覚悟を決めました! 


「うちは逃げません! いつだってノアねーさんの側にいます!!」

「ソフィ・・・」

ノアねーさんの目が うちには すこし潤んだように見えた。


そして 次に声をはり上げたのは・・・村の男たちであった!! 


「ノア村長! いやです!  逃げません!   我らは逃げません!!」

村の男たちは 誰も逃げなかった。  誰一人逃げなかった!!


男たちの心は一つとなったのである!!

村長であるノアねーさんとともに玉砕覚悟のようだ!!


「我らは村のために死ぬ覚悟がある!! ノア村長に栄光あれ!! 」

・・・・・・この村は まるでスパルタ。   

ノアねーさんは、村の男たちを洗脳しつくしていた!!!


「みんな! 」


「ノア村長!」 「ノア村長!」

村の男たちのかけ声が一つになった!!


「わかった!! みんなの命は私が預かった!!! 全員で突撃! 目標は盗賊首領の首! フユル村の荒廃!この一戦にあり!!」


ついに ノアねーさんの本性が表れた!! 戦闘民族の本性が現われたのだ。

ちなみに・・・ノアねーさんは ここで村のために死ぬ気などまったくなく・・・

これ以上の敵と戦場で何度も戦った経験から この程度の盗賊団を一人で壊滅する気であった・・・・のだが、

まさに・・声高に主張する男たちの戦意高揚に応じてしまい かつて血に飢えた狼だったころを思い出したノアねーさんは、

まさに戦闘民族になってしまったのである。



「突撃準備!!!」







この妙な状況に戸惑っているうちは・・・・何かを感じた!!

何か天から声が聞こえたのだ。

これは所謂・・・天の啓示というものなのか!?

   

なんだろ!?   なにかを感じる!! うちには何かをしないといけない!!

無意識にうちは片手を上げると思わず口が開いた。

「UFOコンタクト  ペンタン ペンタン スペースピープル 」 

「UFOコンタクト  ペンタン ペンタン スペースピープル 」


あまりの唐突な、間抜けな発言のため、ノアねーさんをはじめ男たちは うちに注目した。

エンドレ君の青い顔が、より青くなり紫にかわっていた。

学士君は、なにか期待したかのように うちをワクワクしながら見ている!!

この学士君の精神は わりと強そうだ。

「ソフィ!!」


その時 周辺の空気がかわった。

薄暗くなり突風が吹き荒れ始めると 凄まじい光が上空を駆け抜ける。

そして・・・徐々に姿を現したのだ。  

上空に巨大な円盤の形をしたUFO!!

直径20kmの巨大円盤!!

人類を侵略したどこかのエイリアン宇宙船なみの巨大UFO


地上はこのUFOの影のため暗くなり、まるで夜のように真っ暗になる。

昼間なのに真っ暗なのだ。

そして UFOの背面に点滅する光の線は幻想的であり、七色に光り輝く



ノアねーさんも村人たちも この異常事態に驚いている。

唖然として、上空を見上げ硬直状態。

エンドレ君の紫顔がより青くなり、顔色が真っ黒となって その場で倒れた。  ノックアウト!!

しかし、学士君は、空を見上げ、大喜びをしている。

こういう異常事態とかが好きらしい!?



もちろん、村に突撃してくる盗賊たちも足を止めた。

予想がつかない状況に困惑しているのだ!!

「なに! なんだ! 魔法なのか!?」


盗賊たちが混乱していたその時!

巨大UFOから放たれた雷が、盗賊団のいる付近に落下し 轟音と地響きとともに大爆発をした。

スドォォォォ―ン


凄まじい爆風、吹き上がる砂煙、放射される熱風、

そして、盗賊団を守っていた青い防壁が、一撃で吹き飛ばされ、そのまま盗賊団に直撃!!

盗賊たちの何人かは、転がるように吹き飛ばされていった。



この世のものとは思えない恐怖が 盗賊たちを襲う!

「ひぇぇぇ」

「悪魔だ  大悪魔が降臨した!!」


まさに大混乱である!!!

もはや村の襲撃どころではない!!

悲鳴と叫び声とともに全速力で逃げる盗賊たち。

ものすごい速さで逃げる!!!

火事場のバカ走りであった。


そして・・・・・盗賊団はいなくなった!!

とりあえず村は守られたが・・・上空には新たなる敵!?



盗賊団同様にうちもあまりの恐ろしさに硬直してしまった。

うちがこの恐ろしい現象をひきおこした張本人だという自覚はある。

しかし・・・・あまりの荒唐無稽さに足が動かない。


そうしてるうちに 信じられないことがおこった。


UFOから光弾が うちに向かって落ちてきたと思うや 私の体が宙に浮きだし、上空へと浮かびあがりだした。

「えっ ノア・・・おね・・・」

うちは あまりの恐ろしさのため声がでない。


うちの体は ゆっくりとUFOに向かって浮上していく。


「だめ! いっちゃだめ! ソフィ!!」

ノアねーさんの叫び声が地上から聞こえてくる。

ノアねーさんの悲し気な顔、恐怖で歪む村人たち。

エンドレ君は相変わらず失神中。


学士君はジャンプして、私の足を掴もうとしているが・・・無理だった。

「ソフィ」

小さい声だが学士君の寂しそうな声が聞こえてきた。

無口な学士君の声・・・・・



うちはどうなるの!?  もう帰れないの!?


うちことソフィアーナは UFOにキャトルミューティレーションされたのであった。






--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ) キャトルミューティレーションとは UFOに拉致された事件のことです





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ