遺書・1ページ目
諸君、きみたちの生きる意味とはなんだろうか?
恋人のため?家族のため?趣味のため?夢のため?
あるいはこの文章を読んで数秒経っても答えが出ない者もいるかもしれない。
だが、私は胸を張って、私が生きる理由がただ一つだと言える。
死ぬのが怖いからだ。
そもそも勝手に産み落とされたこの世界において、主体的に生きる意味を探さないといけないという前提自体が間違っている。
それでも生きる意味を探してしまうのは、きみが社会の中に生きているからだ。社会はきみたちに、社会が与えた生きる意味なんてものを心の支えに、社会に対して貢献することを求めている。全く滑稽で、ふざけた話だ。
時にきみは、暗い部屋で包丁を手に、自分に刺そうとしても刺せず、情けなくガタガタ震えたことはあるだろうか?
適当な物干しに縄を結び輪を作ってみたことは?屋上の端で足を半分外に出してみたことは?風呂の中ですべての息を吐き出して水を飲んでみたことは?このまま何も食べないと決意してベッドの上でただ時が過ぎるのを待ったことは?
そんなときに聞こえてくる声は聞いたことがあるか?それは恋人か?両親か?友人か?はたまた神か?
どれも違う。どれも全く違う。私は知っている。
聞こえてくるのは、狂おしく、醜く、浅ましく、情けない、自分の「死にたくない」という声だけだ。
はじめまして、獺田と申します。
全15話の予定で、毎日更新してまいります。よろしくお願いします。




