第1話真の筋肉を求めてトラックを喰らう
筋肉バカな主人公が異世界転生!
「‥チッ、甘めぇ」
控室の隅で筋金獅子は己の広背筋を睨みつけていた。
バキバキに割れた腹筋。地を這う血管。側から見ればそれは完璧な体だった。
でも「変わってねぇ」
ここ一週間、いやもっと前だ。1ヶ月近く全くバルクが変わっていない。
プラトー(停滞期)。受け入れられず腹が立つ
「クソがここで終わりなのかよ」
名は筋金獅子。何故そんな名を親がつけたか昔は分からなかった
だが、いつしか彼の中で呪いとなり、誇りとなった。
見合うようになろうと追いかけていた。
物心ついた頃から父の影響で筋肉に興味を持つようになった。
初めは真似ごとだった。今ではそれだけが残っていた。
「選手のみなさん、ステージ裏に集まってください! 大会開始10分前でーす!」
係員の声が響き渡る。
周囲の選手たちが焦ってチューブを引っ張り、最後のアガキを見せていた。
そんな中獅子の視線は「そいつ」に釘付けになった。
今回、優勝候補と目される男だ。
肩の膨らみが異常だった。メロン、と言うか、なんだあれ。膨らみ方が変だ。
皮膚の質感はまるでビニール。
「ユーザー」……ステロイドに魂を売った、汚い筋肉。
(……ふざけんなよ。あんな『飾り』に、俺の真実が負けるわけねぇ)
腹の底から怒りが込み上げる。そんな中大会は始まった。
結果は準優勝。
「おめでとう、素晴らしいカットだったよ」
審査員の声が軽く聞こえた。
獅子はトロフィーを片手でへし折らんばかりの勢いで会場を飛び出した。
「あいつら何も分かっちゃいねぇ」
外の空気は少し冷たい。
頭が冷える。
「何がボディビルだ。何が見せる筋肉だ……。」
そんな不満を漏らす。コンビニでも行くか、そう思い歩いていた。
今までの思い出が蘇る。小3にして初めて大会優勝。
小4、いや5か?準優勝で悔しい思いをしたのは
そんな時断末魔が聞こえてきた。
「危ないッツ」
悲鳴
視界の先、ブレーキの壊れた10トントラックが、逃げ遅れた子供に向かって突っ込んで行く
普通なら逃げるだろう。獅子の脳内に好奇心が溢れる
獅子はニヤリと笑った。
(俺なら止められるんじゃねぇか?)
「実践開始じゃ」獅子は呟く
究極まで追い込んだこの大腿四頭筋なら、数トンの質量すら、「レッグプレス」の
要領で押し返せるんじゃないか?
「見とけよ、ユーザー野郎ぉ」
叫んだ時にはもう動いていた。
獅子は子供を突き飛ばし、トラックの真正面に仁王立ちした。
深く腰を落とし、全神経を「止める」ためだけに集中させる。
「フンヌッッッッ!!!!」
――ドゴォォォォォォォォッン!!!!!
鼓膜を震わせる轟音が響きわたる
それは肉体と鉄塊がぶつかった音とは思えない、巨大な岩石同士が衝突したような破砕音だ
しかし、獅子は一歩も引かない
キィィィィィィィィッ!!!
信じられないことに数トンの鉄塊が、一人の男の肉体によって強引に静止させられた。
「……ハ、ハハ。止まった、ぞ……。見たか、これが俺の……真実の……」
獅子は笑う
そして気づく。筋肉の、己の肉体のあり方に。
だが、全運動エネルギーを受け止めた代償は大きい。
内臓は破裂し、全身の血管がパンプの極限を超えて弾け飛ぶ。
「……証明できたのか?まぁ、いいか……」
立ったまま、満足げに笑い、死んだ。
視界が真っ白に染まる。
なんだ?、死んだのか?そんなのどうでもいい。
筋金 獅子にとって重要なのは自分の状態だった。
「……なんだ、この疲労困憊感は。全身が、焼けるように熱いぜ……」
真っ白な空間で、俺は自分の腕を掴んだ。
「だいぶこたえてんな、」
ボソッと呟く。これから何があるのかそんなことを考えるまもなく声がする。
「あ、起きた? ヤッホー! びっくりしたよー、キミ。あんな勢いでトラックに突っ込む人、初めて見たもん!」
「あ?」
ゆっくり目を開ける。そこには鮮やかな衣装を纏った女がいた。
「誰だ?」
「女神だよ、それにしてもキミ、すごかったね! 子供を助けてヒーロー死とか、超カッコいいじゃん! 神様界隈でも今、ちょっとした話題だよ? その勇気に免じて、特別な転生をさせてあげるね!」
指先で光のアイコンを弾いた。
「来世で行くのは『バルガイア』っていう、魔物がうじゃうじゃいて戦いが絶えないハードな世界なんだけど……。せめて安全に暮らせるように、この『絶対隠密』のスキルを‥」
「おい、待て」
獅子が話を遮る
「そんなくだらん物はいらん。筋肉が隠れてどうする。俺に、使う以外の選択肢はねぇ」
「ええっ、いらないの!? 超レアスキルだよ!? ……じゃ、じゃあ、せめてこれだけでも! どんな傷も癒える最強の自己再生能力――」
「いらねぇっつてんだろ」
「ほ‥、本当に?次死だからって転生出来るわけじゃないんだよ?」
「女神か何かしらねぇけどよ、死ぬわけねぇだろ」
「死んだからここにいるんでしょ?説得力ないなー」
「あ?」
「だったらよ、一つ欲しいもんがある」
「なんだい、なんだい?炎?氷?」
「成長し続ける、限界のない筋肉、それをよこせ」
プハはッ
「キミ、本当に変な人! いいよ、面白いから特別にあげちゃう! 」
「頑張ってー」
女神が指を鳴らすと再び視界が白くなる
「ここがバルガイアか、案外平和じゃねぇか」
ヒラヒラ
「ん?」
獅子はベットの上で目が覚めた。頭上から紙が降ってきた。
獅子へ
説明し忘れてた!まず死んだ時の年齢からスタートだよ!
要望通り筋肉は鍛えるほど凄くなるよ!的にはランクがあるから要注意!
倒すとその分筋肉のステータスが上がるよ!君ができそうな職業は3つ!
1 ハンター 魔物を狩ってお金や、ステータスを稼ぐよ
2 グラウンド・ゼロに入る これはハンターの真逆だね。
ハンターを狩ることでお金とステータスを稼ぐよ!ちなみに悪側だね
3 アイギスに入る ハンターが攻ならこっちは防だね!街を守るよ
攻めてきた魔物を倒してステータスを稼ぐ。お金は定期的に支給されるよ
頑張って!
「どこでもいいんだけどよぉ、ハンターにしとくか」
「なりかたぐらい書いとけよ、気ぃきかねぇな」
バンッ
「なんだぁ?」
頭上から鉄板と紙が落ちてきた
聞こえてるからね(怒)
まずハンターには2種類いるの、世界共通の試験に通過したもののみなれる方といわゆる自営業。こっちは求人してるとこ見つけたり、チームを作ったりするよ
求人探してみるのがおすすめ!役場で確認できるよ!
「求人だと、1人でやるに決まってんだろ」
獅子は起き上がる。
「役場まで行くか。」
ヨッ
バキバキ
起きた反動でベッドが壊れる
「チッ、脆れぇ」
バンッ
ドアが外れる
「どんだけボロいんだよ、クソが」
バンッ
壁を叩く。
ガタガタガタ、バッシャン
家が崩れる
「どうせ家で出るしいいか」
看板の方向に向かって歩く
バッコン
役場のドアを壊す
「どっ、どうしましたか?」
職員が少し怯えた様子で声をかける
「ハンターになりてぇ、さっさと登録しろ」
「はっはい、メンバーの登録名をお伺いしても?」
「獅子だ、」
「残りのメンバーの登録名をお伺いしても?」
「あ?1人に決まってんだろ」
「はい?1人は大変危険でして、」
「さっさとしろ、ぶっ殺すぞ」
「承知しました、少々お待ちを」
逃げるように裏に入って行く。
獅子は早く魔物とやらと対峙したくてたまらなかった
「完了いたしました。こちらがバッジです。換金の際はこちらと魔物の核を役場に
お持ちください」
獅子は乱暴にバッジを受け取り、その場を離れようとする
「お、お待ちください、注意点が」
「うるせぇ」
役場を出て空を見上げる。
ニヤリと笑い村の外に向かって歩き出す
「狩りの始まりだぜ」
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