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お笑いとラブコメは混ざりますか?~ゲラなヒロインとスベる俺が青春を沸かす話~  作者: たーたん
第一章 東高等学校はじまり編

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32話 ハル時々雨

 雨宮さんという生徒会の目もあり、白井さんとは校門で別れたが、チャットの中でやり取りは続けていた。


 雨宮さんのことは聞かなかった。幼なじみといっても仲がいいとは限らないし、何かあったとしても、興味本位で聞くような話じゃない気がした。


 家に帰ると、E-1用のネタに目を通す。

 実際のネタ合わせはテスト明けからだとしたらもう2週間もない。

 考えている以上に時間がなかった。

 ボケの内容、ツッコミの内容は磨き上げる前提! と注記がされていたが、大まかな動きが書かれている。


 ざっくりとしたテーマは夢や未来についてだ。

 将来の夢や、未来の展望を白井さんがボケていき、俺が違うでしょう、みたいな冷静なツッコミで返していく流れだ。


『ツッコミ無視してボケていくテンポ、おもしろいです!』


 と、少しでも白井さんの気分を変えようとネタの感想を送ると、


『ほんまに!? ありがとうございます! 梶くんのツッコミ部分も合わせながら、もっと磨いていきましょー! 梶くんが声に出したとき、噛まずに言いやすくしていくのも大切な調整ですから!』


 という言葉と、喜んでいるスタンプが連打されて送られてくる。


『なんか噂になってんじゃん、アーヴァンチュール!』

『うんうん! でも、クレーム入れるなんてひどいよ』


 わらおー会のグループに通知があった。

 女子さんもファナさんも踊り場でのことは知っている。

 

『止められたけど、この数日は絶対アドバンテージになる! 予選に来た生徒がさ、こいつら踊り場で見たことあるやつだってなれば、最初の見方が変わってくると思うし! ファナちのアドバイスのおかげ、ありがと~~ファナち! 好き!』

『えへへ~。実際にやったほのちゃんと先輩が凄いんだよ~! ファナはライブしてみたらどうかなって提案しただけだから』


 路上ライブみたいに、自己紹介だけでもやってみるのはと、発案したのはファナさんだった。

 ココナッツとアーヴァンチュールの命名といい、ファナさんはプロデュースする側として才能があるのではと感じる。



◇ ◇ ◇



「こんばんは、ハルです!」


 勉強も一区切りつけて、いつものように配信を始める。

 始まるとすぐにリッカさんが来てくれる。

 なんと、チャンネル登録者第1号にもなってくれたのだ。

 

 >こんばんは~間に合いました~! イベント進んじゃいました?(@rikka)


「リッカさん、こんばんは! まだです! 今、装備の見直ししてたところです」


 リッカさん以外には人がこないので、自然と会話のようになる。


 >良かったです! ボス戦見たかったので!

 今日は何時まで配信予定ですか?(@rikka)


「特に決めてはないですが、明日は休みなので1時とか2時までとか、ですかね」


 >私も休みなので長時間配信嬉しいです!

 あれ、ハルさんって社会人でしたっけ?(@rikka)


「いえ~学生です! 期末テスト前でして……。勉強しとけって言われそうです」


 >それは勉強しとけ(笑)(@rikka)


「ははは、言われましたね! 土日で頑張ります」


 プレイでミスをすると「w」と小さなリアクションもくれる。

 コメントに対して声で返すことにも慣れてきた。

 俺の配信に来てくれるのは、少なくてもプレイしているゲームに興味を持っているからで、最初から共通の話題があるから喋りやすい。


 そんなことを思いながら、時間を割いて視聴してくれるリッカさんに感謝しつつ、少しでも楽しませようとセリフを読み上げたり、できるだけ無言の状態を作らないように口と手を動かし続けた。


 >私も学生なので歳は近いかもしれませんね! でも、こんなマニアックなインディーズゲームをチョイスするセンスは渋みを感じます(@rikka)


「中身はおっさんかもしれません」


 >ww 私も好きなんですよね、埋もれた名作を掘り当てたときの、あの自分が見つけたぞ感! だからハルさんの配信を見かけたとき、この人、私と同じ感性もってる! って思って嬉しくなっちゃって(@rikka)


「それは僕もです。リッカさんが来てくれなかったら延々と独り言いってるだけの配信になってましたから」


 笑うと、リッカさんも一緒に笑ってくれる。 


 おもしろいことを言ってもっと笑わせることができたら最高なんだけど、スベッてしまったらどうしよう、なんてつい考えてしまう。

 結果、相槌を打つような無難な返事を繰り返してしまってる俺。

 反省すべき点だし、目的が変わってきてるとわかってはいるものの、喋ってる時点で特訓になっているのでは? と、自分に反論してみると容易く納得してしまうのだった。



◇ ◇ ◇



 土曜日はわらおー会のチャットで息抜きしつつ、勉強に集中する。

 そうして夜になったらゲーム配信して過ごした。

 日曜日も土曜日をコピペした一日を過ごし、夜の配信時間になる。

 少しだけでも配信してくれると嬉しいとリッカさんも言ってくれるので、すっかり日課になってしまった。


 >実は私も来週テストなんです。ハルさんの配信見ながら勉強してたり(@rikka)


「勉強しとけって言いたかったですけど、勉強しながらだったら言えませんね」


 リッカさんの親しみやすさからか、俺はすっかり仲良くなった気分でいた。


 >本当ならそのまま冬休みなんですけど、終業式の後に変なイベントがあるんですよ。何の思い付きなんだか、振り回されちゃってて(@rikka)


「これまた奇遇ですね! うちの高校も終業式のあとにイベントがあるんです」


 >なんだか嬉しい奇遇です! 私のところは、お笑い決定戦とかワケわかんないイベントですよ。なぜか生徒会がサポートに回ってて、そのせいで終わるまで帰れないんですよ(泣)(@rikka)


「……へ、へえ……」


 お笑い決定戦? 生徒会……?


 >金曜日なんて、クレーム対応までやらされちゃいました。ハルさん、聞いてくださいよお~(@rikka)


 クレーム対応? なんだろう頭痛が。


「そ、それは、災難でしたね……」


 震える口でなんとか発音する。


 え? ……まさか、な?

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