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二世界生活、始めました。  作者: ふくろうの祭
5章 みんなの日常生活
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93/300

No.93 え…?

「え、何? ユウさんどうしたんだ!?」


目の前で突然倒れてしまったユウさんに、流石に俺も同様を隠せなかった。

俺はユウさんのおでこを触って、体温を確めた。


「…よく分からん」


言わずもがな、本来であれば自分のおでこも触って、相手の体温と比べて初めて成立する確かめ方であり、相手のおでこだけ触った所で何の意味もない。

それだけ、俺は焦ってしまっていた。


とりあえず、俺はユウさんの体をベッドに運んで寝かせた。

自分自身も身体中が痛み、満身創痍だ。

誰かに助けを求めなければ…。


俺は体に鞭を打って、家の外に出た。

しかし、目の前に広がるのは生い茂る木々ばかりだった。


「え、ここどこだ!? ユウさん、一体どこに家借りたの? っていうかホントにイクタ村か?」


そんな疑いを持つ程に見慣れない光景だった。


「どうしよう…助けは呼びたいけど、闇雲に歩き回って、俺まで倒れたら元も子も無いな」


色々な策を練りながら何気なくポケットをまさぐっていると、魔石を持っている事に気が付いた。


「そうだ、一か八か…」


俺は全神経を集中させ、研ぎ澄ました。

そして、ありったけの暴風を目の前の木々に対して放った。


俺が放った風は物凄い音をたてて、目の前の木々をなぎ倒した。

そして、俺はそのまま外で再び気を失ってしまった。


……


それから、どれだけ時間がたったのかは分からない。

気が付くと、俺は再びベッドの上に居た。


「あれ…俺、自分で家の中に戻ったんだっけ……?」


まだ視界がぼやけていて、よく見えなかったが、誰かがこちらを見ているのが分かった。


「誰…?」


「良かった、意識が戻った様だね!」


その声の主は、村長さんだった。

そっか、村長さんが外で倒れていた俺をここまで運んでくれたのか…。


「突然、物凄いが森の方から聞こえたから、何かと思って来てみたら、レント君がまた倒れていたから、ビックリしたよ」


「すみません、何度もご迷惑かけちゃって…。あ、そうだ、ユウさんは?」


「ユウちゃんかい? ユウちゃんなら君の隣で寝てるじゃないか」


「隣…? うお!」


俺は右側を向くと、ユウさんがすやすやと寝息をたてて寝ている事にようやく気が付いた。


「一応、村の医者に見てもらったけど、大した事は無いみたいだよ」


「そっか、良かった…」


「毎日、朝早く起きて村の見回りやら、復興の手伝いやらで疲労が溜まってたんだろうね。我々も彼女に頼り過ぎだったと反省しなければ」


「復興の方は順調ですか?」


「あぁ、あらかた片付いたよ。ただ、用意しておいた木材が突然消えてしまったので、その分の作業は止まってしまってるけど…」


「あー成る程…」


「君達のいきさつは、リンタロウとシュン君から聞いているよ。大変な目に遭ったね」


「まぁ…大変は大変でしたけど…ユウさんが看病してくれたんで、なんとかなりました」


村長さんから、じいちゃんと駿が村長さんの家に居る事や、無事である事を改めて聞かされた。

村長さんは自宅に戻ったが、流石にユウさんの事を放ってはおけなかったので、そのまま俺はユウさんの家に留まることにした。


「ん…」


「あ、ユウさん気が付きましたか?」


「あれ、あたしは…」


「ユウさん、急に倒れちゃったから驚きましたよ」


「うぅ…面目無い…」


「村長さんから話聞きました。村の為にスゴく頑張ってくれたって」


「ん、んな事当たり前だろーが! お前らにこの村を頼むって言われたんだ、別に誉められるこっちゃないよ」


ユウさんは完全に照れてしまい、ぶっきらぼうな物言いになっていた。


「これ…ちょっと少ないですけど…」


「お、プリンじゃんか! レンが作ってくれたのか?」


「元々好きなだけプリンを食べさせるって約束だったし…」


「さ、早速食べても良いか!?」


「勿論!」


俺が言うや否や、ユウさんはプリンを口に運んだ。


「はぁ…これこれ、この味だよ~♪」


ユウさんはホントに美味しそうな顔をしてプリンを味わっていた。


「相変わらずプリンが好きなんですね」


「ったりめぇだろ? レンが帰ってからプリンが恋しくて仕方が無かったんだからよ」


「プリン欠乏症的な…?」


「お前、隙あらばあたしをバカにしてくんだな。この感じも久しぶりだよ」


そんな他愛の無いやり取りをしている内に、ユウさんはあっという間にプリンを平らげた。


「はぁー、美味しかった♪ ご馳走さん!」


「どういたしまして」


「そういや、スーナ達は変わりないか?」


「んー、まぁスーナは変わり無く元気なんだけど…」


俺はユウさんに、今の俺達の状況、つまり二人のちびっこを預かってる事を説明した。


「泉狐族…今、泉狐族っつったのか!?」


「あ、はい。ユウさん知ってるんですか?」


「知っているも何も…この世界で一番神に近いと言われていた一族だぞ!」


「そ、そんなすごい一族だったの、あいつら…」


「でも…」


「?」


「泉狐族はとっくに絶滅させられたって聞いたぞ…?」


「え…?」

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