荒木電矢
「8(ヤギリ)」
目の前で大爆発が起き、スライムとウォーウルフが全滅した後、ホワイトマジシャンは手元にハートの8のトランプを出す。
するとカードは一瞬光ると紫色の大鎌へと変化する。
「これは私の活躍次第といった所ですかね」
ホワイトマジシャンは大鎌を地面に素振りをして地面に×印を作り感触を確かめる。
「ではいきましょう」
ホワイトマジシャンは真っ直ぐ鳥型の魔物であるリュッテオワゾー達に向かって走り出す。
その後ろをゆっくりとゴーレムが追いかけていくが、ウルフゴーレムだけはその場で伏せたまま動かないでいた。
「「「カァァアア!!」」」
向かってくるホワイトマジシャンとゴーレムに向かって100体のリュッテオワゾーが一斉に襲いかかってくる。
「五月蝿くて品の無い鳥は嫌いですよ」
ホワイトマジシャンは大鎌を一振りすると纏めて3体を両断する。
更にリュッテオワゾーを足場に使って宙へと飛び上がると一回転して周囲の5体を切り倒す。
ゴーレムに向かっていったリュッテオワゾーもゴーレムの硬い体に傷をつける事しか出来ず、大したダメージも与えらずにいた。
そうして5分の間ででリュッテオワゾーを半数程倒した時、状況が変わった。
リュッテオワゾーを足場に次々に切り倒していたホワイトマジシャンであったが、突如銃声と共に左脇腹が撃ち抜かれ全身が炎で燃え盛る。
「くっ、、
99(キュウキュウ)」
ホワイトマジシャンは手元にハートの9とダイヤの9を出現させて自身の脇腹に押し当てる。
カードはピンク色の光に変化すると全身の火傷と受けた傷跡を綺麗に回復させた。
ホワイトマジシャンが銃声の方向に目を移すとそこにはゲートから出て来たエレメントガンナーと電矢の姿があった。
「思ったよりもお早い登場ですね、、
13(キングスキップ)」
スペードの13を手元に出すと一瞬でホワイトマジシャンはその場から消える。
次の瞬間、ホワイトマジシャンは一瞬でエレメントガンナーの目の前に現れ大鎌を降り降ろす。
「何!?」
不意を突かれたエレメントガンナーは拳銃をクロスさせて防御の構えを取る。
エレメントガンナーは大きく吹き飛ばされゲートの奥へと戻っていった。
「稲妻」
横から雷矢の雷が襲いかかるとホワイトマジシャンは大鎌を投げて相殺する。
「貴方は後で倒させてもらいます。
では」
ホワイトマジシャンは雷を防ぐと走ってゲートの奥へと行ってしまった。
「・・・今のはユニークモンスターか。
なら魔物強化はプレイヤーのスキル。
優先するべきはプレイヤーの抹殺だな!!」
電矢は目の前にスクリーンを表示してホワイトマジシャンがユニークモンスターという事を確認すると目の前にいるゴーレム達へと突っ走る。
「迅雷風烈」
全身に雷を纏って身体能力を強化させた電矢は素早い動きでゴーレムの目の前に移動すると胸部に手を当てる。
するとゴーレムの全身を雷で覆い尽くす。
ゴーレムの体は岩のような物質でできている為、雷は通りづらく表皮を焼く程度に収まる。
しかし、胸部に当てた雷によって黒く焦げた部位に膝蹴りを与えると胸部は壊れてコアが丸見えになる。
「まずは一体!」
剥き出しになったコアに電矢が雷を流し込むとコアが壊れゴーレムの体は崩れ落ちる。
数体のゴーレムを同じように倒し続けた電矢は少し後方に下がって休憩をしながら辺りを見渡す。
「チッ、まだ20体以上いるな、、
流石に俺の魔力が尽きるのが早そうだ」
まだ、電矢の周囲にはリュッテオワゾーが50体程いるがゴーレムと相性が悪すぎて戦力にならない。
「いや、待てよコイツらの相手なんかしなくても」
電矢はゴーレムへと目を配る。
ゴーレムの動きはとても鈍く、対する電矢は雷によって強化された身体能力を持つ。
答えは明白であった。
「戦う術の無いプレイヤーを叩けば終わりだ」
電矢は満面の笑みを浮かべるとゴーレムの集団に突っ込んだ。
ゴーレム達は次々に電矢へ殴りかかったり、目の前に立ち塞がったりするが、どれも電矢に軽々と避けられてしまう。
数秒でゴーレムの集団を抜けた電矢は最後列にいたウルフゴーレムと対峙する。
「ワォォォォォン!!!」
ウルフゴーレムは電矢が向かってくる姿を見た瞬間に大きな雄叫びを上げる。
「負け犬の遠吠えか?」
そんなウルフゴーレムを電矢は嘲笑いながら右手に電気を溜める。
狼型の魔物相手に素通りは出来ないと判断したのだ。
ウルフゴーレムも雄叫びの後に勢いよく電矢に向かって走り出した。
-
ゲートの奥へと行ったエレメントガンナーとホワイトマジシャンはエレメントガンナーの優勢に戦況は進んでいた。
既に賢が送り込んでいたゴーレム達は全滅しており、オルクは20体程生き残っていたのだ。
ホワイトマジシャンはオルク達の猛攻をかわしながら隙を突いて撃ってくるエレメントガンナーの一撃を確実に対処しなければならない状況。
「13(キングスキップ)」
ホワイトマジシャンは大鎌でオルクの首を刎ねた後に頭を狙って放たれた弾丸を間一髪で避けとその場から一瞬で消える。
「同じ手は二度も食わないぞ!」
エレメントガンナーは前転をしながら後方へ弾丸を撃ち込む。
エレメントガンナーの読みは当たっており、ホワイトマジシャンが後方で大鎌を振り上げていた。
氷の弾丸はホワイトマジシャンの横腹を貫き、横腹を氷で覆って動きを拘束する。
「99(キュウキュウ)」
ホワイトマジシャンはすぐさまスペードの9とクラブの9を脇腹に当てると氷を溶かして貫かれた傷口を治療する。
「炎弾!!」
しかし、その隙にエレメントガンナーからは追い打ちの弾丸が撃ち込まれてくる。
「風車」
ホワイトマジシャンは大鎌を勢いよく回転させて盾にした後、中心を蹴りつけてエレメントガンナーへ飛ばす。
「甘いぞ!!」
エレメントガンナーは的確に大鎌の末端に弾丸を当てて狙いを逸らす。
だが、大鎌の背後にホワイトマジシャンの姿は無かった。
ホワイトマジシャンはエレメントガンナーの頭上へ転移しており、大鎌を振るってエレメントガンナーの首を刈ろうとしていた。
するとエレメントガンナーは両足を最大限に広げて開脚し地面に体を落として避けながら両手の銃口を真上に上げる。
「炎弾・氷弾」
炎の弾丸はホワイトマジシャンの左肩を貫き、氷の弾丸は右手を貫いた。
弾丸の威力にホワイトマジシャンは数メートル吹き飛ばされてしまう。
「終わりだ」
地面に倒れるホワイトマジシャンにエレメントガンナーは銃口を向ける。
「ワォォォォォン!!!」
すると、ウルフゴーレムの遠吠えがホワイトマジシャン達にも届いた。
バン
遠吠えと同時にエレメントガンナーの持つ銃から弾丸が放たれる。
それは寸分の狂いも無くホワイトマジシャンの頭部へと向かう。
「間に合いましたか」
ホワイトマジシャンは満面の笑みと共に左手にダイヤのKを出現させその場から消えた。




