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巨大人型ロボットに物理法則を適用したら一体どうなるのだろうか  作者: 勇者王ああああ
悠久機試作16号機『皇帝(ツァーリ)』
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第一ルール、『ドミネーション』

 体が粒子に包まれて、目の前が暗転していくような感覚。体は浮くような浮遊感に覆われて、視界が明るくなっていくと同時に肌が戦場の空気を感じ取っていく。

 そしてその転移感覚に身を委ねていると、突如重力が僕の体を強く引き、草が生い茂った地面にしっかりと足をつける。


 目映い光に目を細めながら僕はゆっくりと辺りを見渡す。すると、草に覆われた瓦礫が目に飛び込んできた。

 森を切り開いたような場所で、崩れた遺跡は敵地への侵入ルートにもなるし、射線を遮る障害物にもなる。


 ここは第24ステージ。通称『森林遺跡』と呼ばれるステージだ。

 今、後ろから誰かが草を踏む音が聞こえてきた。風見さんが到着したんだろう。


『ふぇありーさん。聞こえていますか?』


 そして僕の装着するインカムから、東藤さんの少しくぐもった声が聞こえてくる。インカム越しだけどなんとなく不安そうなのが感じる。きっと東藤さんも緊張してるんだろう。


『そこは第24ステージ、『深林の遺跡』です。死角が大量に存在し、ゲリラ戦を行うのに適した地形です』

「うん。わかってるよ、ありがとう」


 僕は自分の装備が適切に装着できているか確認しながら、東藤さんの問いかけに答える。

 そうこうしているうちに続々と他チームが集まってきた。各々のチームは戦闘服の右胸部にBチームのマークを装着していて、一目で味方がわかるようになっている。


「ふぇありー。確認だけど、私は貴方に着いていけばいいのね?」

「うん。もし僕が弾を欲したら、すぐにマガジンを渡してくれると嬉しいな」


 今、風見さんは僕と同じMP7を武器として装備してもらっている。彼女的にはもっと重火器がよかったそうだが、弾薬共有化の都合上僕に合わせてもらっと。


「僕結構走るから、頑張って着いてきてね」

「頑張ってって……。あなたルールわかってるわよね? 『ドミネーション』よ?」


 僕はニヤリと風見さんに笑みだけを返し、手元の武器の安全装置を外す。ボディーアーマーから感じる『閃光弾フラッシュバン』の重みを感じながら、僕は正面を見据えた。


 『ドミネーション』はフラッグの取り合いを基本ルールとする。ステージの中に5つのフラッグが点在していて、そこの半径5m以内に入ると、旗を『確保』できる。旗を確保している数が多ければ多いほどたくさんの得点が手に入る為、攻めと守りを同時に行うことが大切だ。


 それはわかってるんだけど、その攻防に参加するには勿論、他チームとの連携が大切になってくる。もちろん僕はそんな甲斐性はないから、僕がすることはひたすら戦場を駆け抜ける事だ。


『ふぇありーさん! 全隊戦闘準備完了だそうです。準備はいいですか?』


 少し心配そうに震える東藤さんの声。よかった。緊張しているのは僕だけじゃないんだ。


「うん! いいよ!」

『わかりました。それではふぇありーさんと風見さん。健闘を祈ります!』

「うん!」

「ええ」


 後は開始のカウントダウンが始まるまでに心を落ち着けるだけだ。精神統一こそ高スコアへの道。

 僕は大きく深呼吸をした。


 ……よし! いける!


 僕が決意を存分に含んだら目線を風見さんへ向けると、彼女は綺麗な笑顔を浮かべてきた。

 それは仮面越しの笑顔だったけど、僕の心の中に残っていた固さが取り除かれるような気がした。


『それでは。ただ今をもちまして、『ドミネーション』を開始致します』


 そんなアナウンスと共に、僕たちの目の前に大きな数字が浮かび上がってきた。そしてその数字は一秒毎に小さくなっていく。


『ふぇありー! 頑張って!』


 と、弓佳ちゃんの応援が聞こえてきた。僕はニヤリと笑みを溢し、大きく息を吸った。


『『悠久機プロジェクト』正式戦闘員バトラー閃光の妖精ふぇありー・フラッシュ。出撃します!』


 そして、戦闘の火蓋が切って落とされた。



 













短くてすいません。キリが良かったのでここで切りました。

ところで、短くしたと言えば何ですが、あらすじをごっそりと削りました。やっぱりロマンがどうこう言っている作品なのに、あらすじでグダグダ説明するのもどうかと思いましたので。


タイトルも短くしようかなぁ。


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