牽制
昼休みのランチタイム。
カレーパンを食べながら、とある聞き耳ダイアローグ。
「遠足、まじだりぃ」
「それなっ」
「うんうん」
「わかるぅー」
「あたしは楽しみだけどなぁ~」
「カーッ、高陽田はイベント好きだもんな。当日、近場で何かやってっか?」
「都会は遊ぶスポットが多いと思うな」
「あーし、渋谷で人気のカヌレ専門店行きたーい。まりり~ん、だよね?」
「カヌレ美味しいよね。コンビニはどこも売り切れでビックリしちゃった」
「おいおい、マリィにこれ以上スイーツを食べさせるな。油断してるとすぐ肥えるぞ」
「ひどいっ。あたしの涙ぐましいスタイル維持を知らないな?」
「マリィちゃんに可愛い服とっかえひっかえしてー。コスプレ館で、映え写真っしょ」
「コスプレはちょっと興味あるよ。好いではないかぁ~、およしになってぇ~」
「高陽田、しょうがねえ俺がリーダーやってやるよお。さっさと予定決めようぜ」
「勝手に決めんなし。まりりんはボクがエスコートする。お呼びじゃねーから」
「流石、マリィ。小学生から幼馴染で親友の私的に、どこへ行くか君に選ばせるさ」
「マリィちゃん所有マウントよせぃ。束縛とかほんと嫌われっから」
「あん?」
「んだよ」
「はい?」
「そマ?」
「……っ、ちょっと落ち着こっかぁ~。はい、リラックス。あたし、みんなと楽しくお昼食べたいかな?」
教室全体に1軍たちのひりついた感情が伝播して、気まずい気配が流れた。
他の昼食グループも鳴りを潜め、口を閉じてしまう程度に。
さりとて、普段から感染対策に励む僕は平然と黙食を貫くのであった。
ごめん、嘘つきました。お昼一緒に食べる友達、いないだけでしたね。てへぺろ。




