次の相手
「作戦会議?」
「そう! 作戦会議!!」
「最近、リリィがまともなことを言ってるぞ……」
「き〜う〜? それはちょっと失礼じゃないかな〜?」
リリィの目が怖い。このままサイコキネシスで殺されると想像したら、少し恐怖を感じた。
(もう、からかうのはよそうか……)
「で、なんでいきなりなんだ?」
「さっきね、ボスから連絡が入ったの」
主な内容は2つあった。1つ目は中国への行き方。ここから東に向かうと国際空港があり、そこから約10時間、乗ると北京に到着する。
「問題は、タクシーはやめて欲しいってこと! 酔ってしまうから!」
「朝から思ってたんだが、ジェットや電車はよくて、なんでタクシーは駄目なんだ?」
「それは遺伝子の問題かな? お父さんが乗り物全般が駄目な人だったんだ。それを少し受け継いだみたい」
少し申し訳なさそうに言う。鬼雨はリリィを見ないように背中を向けていたら、リリィが洗ってくれた。
そんなことより、鬼雨が気になっているのは──
「それで、もう1つはなんなんだ?」
「お札の使い方についてだよ」
「あぁ、そういえば入っていたな……」
お札といっても真ん中に『殺』という字が書いているだけの紙切れだ。特にこれといったものはないが、不思議と変な力が感じる。
湯船に浸かると張っていた水が溢れ出てきた。
「あれは何に使うんだ?」
「封印だよ……次の相手のね……」
「ふーん……とりあえず、のぼせそうだ。続きは後だな」
鬼雨は上がるとすぐに体を乾かして、机の上に置いてある端末を手に取った。画面が明るくなり、電話のキーボードが出る。画面の下にアイコンがあり、中には登録された連絡先が1つだけ入っていた。名前にはステンノーと書かれていた。
「これか……」
タップすると、電波が繋がり、電話のコールが鳴る。待つこと数秒、ボスの声が聞こえた。
「もしもし?」
「ボス……俺だ。一条 鬼雨だ」
「鬼雨か? どうした?」
「今度の任務を教えてくれ。というか、前のミッションはなんだったんだ?」
ボスは鬼雨の質問には少し間を置いてた。そして、1つの可能性を至った。
「まさか、リリィから聞いていないのか?」
「あぁ、そうだ」
「はぁ……すまない。また、私のせいだ。前回の任務はユニコーンの角を採取することだ。思った以上の収穫があったがな」
肩を見ろと言うボスの言葉で鬼雨は理解する。
「眷属の印か……」
「そうだ……そうして、今回の任務は中国に代々伝わる伝説の動物……『麒麟』の保護だ」
「保護?誰か襲ってくるのか?」
ボスが名前を言おうとした時、リリィがちょうどお風呂から上がってきた。
「あぁ、そうだ」
「相手は誰なんだ?」
「相手は……九尾だ」
ボスの言葉がやけに重く感じた。




