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今のままで…いい…。 vol.001 「ふ~~。ただいまっ。オシっと。」

会社の前で立ち止まって奈都美(なつみ)、

「ふ~~。ただいまっ。オシっと。」



会社の中に入って、声を掛けてくれる社員たち、

「おはよう~~。」

「おぅ~~。帰ったか~~。お疲れ~~。」

「はいナッちゃん、おかえり~~。」


そんな声に奈都美、

「ふふ。ただいま~~。」



「おぅ、七瀬(ななせ)~~。無事、ご帰還か。」

髭面の男性。


「はい、郷池(さといけ)課長、戻りました~~。」


郷池、

「あ~~???なんだお前、日焼け…してねぇじゃねぇか。」


「な~~に言ってます~~。しっかりと…日焼け対策、してましたから~~。常識ですよ~~。」

目を真ん丸く奈都美。


「かかかか。そうか~~。おじさん、そう言う事には…、疎くてな~~。かかかか。」

そう言いながら廊下を行く郷池。




そしてまた廊下を歩いて角を曲がった途端、バン。

「わっ!!!」

奈都美、持っていたカバンや荷物の入った紙袋を床に。


ぶつかった相手、

「あ~~。ご、ごめんなさい。…すみません。慌ててて。あ~~。トイレ、トイレ~~。」


走り去っていく男性。


奈都美、

「びっくりした~~。」

そして後ろを向いて、

「…ん…???今の…誰…???」

首を傾げながら…。




開け放たれたドアから、

「おはようございま~~す。」


一斉に入口に視線が集まる。


「おはよう~~。おかえり~ナッちゃ~~ん。」

「なっちゃん、おかえり~~。帰ったんだ~~。」

「よ~~七瀬~~。日焼けしてねぇな~~。」


様々な声。


奈都美、歩いて、男性の机の前に、

「内海(うつみ)課長、ただいま、戻りました。」


内海と言われる男性、

「かかかか。おかえり~~。お土産、ちゃ~~んと、買ってきたか~~はははは。」


奈都美、

「はい。しっかりと。」


内海、右後ろに顔を向けて、

「ほぃ。」


奈都美、

「はい。」

今度は中央の机に向かって歩み寄って。

「瀧澤部長、ただいま、戻りました。」


「おかえり~~。ふふ…、楽しかった???」

瀧澤(たきざわ)と呼ばれる女性、奈都美の顔を見て、にっこりと。

「10日間…、いいよね~~。バカンスだよ。」


奈都美、

「いえいえ。」

そして両手に持った紙袋の中から…、

「え…っと…。…あ、あった、これこれ。部長に、お土産。」


瀧澤、

「まぁ…。いいのに、そんな~~。」


「それからっと~~。」

振り返って、

「はい。これ…課長。」


「え~~???」


そして、ひとりひとりに…。


「なんだ、おま…。みんな…ひとりひとりにあんのか…???」


そんな内海の声に、奈都美、

「うん。当然。なんでか…、みんなから…餞別、もらっちゃったから。」


内海、

「はぁ~~。何と、何と…。出来てるわ~~。」



そして、ひとりひとりにお土産を渡す奈都美、そして、それぞれが、

「私も…???」

「おやおや。」

「そんな…いいのに~~。」


そして奈都美、

「はい、これ、ユッコ。そしてカンちゃん。」


ユッコと呼ばれた女性、そしてカンちゃんと呼ばれた女性も、

「キッャハハハ、ありがと。」

「サ~~ンキュ~~。」


「そして…、これが~~。翔(かける)~~。」


翔と呼ばれた男性、

「おっと~~。ゲット~~。サ~ンキュッ。」


奈都美、

「ふふ…。」

そして、

「…と、これで…全部…で…。」

その時、

「へっ…???」

翔の隣にいる男性を見て奈都美、

「あ…、あのぉ~~。…ん…???」

頭の中で、

「…さっき…廊下でぶつかった人…。」


その時、内海、

「あ~~。七瀬、ははは、スマン、スマン。彼な、新入りだ。」


奈都美、

「へっ…???…新入…社員…???」


内海、椅子から立ち上がって、

「おまえが、鹿児島に行った、次の、次にここに配属された。…尾田伸永(おだのぶなが)君だ。」


その瞬間、奈都美、

「え゛っ!!!おだのぶながっ!!!…あの…、おだのぶなが…???」


内海、

「かかかかか。はは。や~~っぱり、言うと思った。」


その瞬間、他のスタッフも…、

「ほ~~れみろ~~。かかかか。」


内海、

「七瀬~~。よ~く見てみろ、ネームプレート~~。」


その声に奈都美、

「へっ…???ネームプレート…。」

その男性まで近づいて。


男性、奈都美にペコリと、

「おだ、のぶながと言います。よろしくお願いします。」


奈都美、

「尾田…伸永…。へぇ~~~~。」





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