5.アピールを踏まえてるかもしれない紹介【肆】
こんにちは、こんばんは、お早うございます。
前回まで実況解説を担当していた『中村・ジョンソン・彰』君がギブアップ宣言をした挙げ句、黒岩暁さんが「ぜんっぜん戦えねーですだ! つまんねーですだ!」と叫んでどっかへ行ってしまったので今回から僕が担当です。どうも、『人間掃除人』の熊です。
もうなんだよそれ……自由かよ、本当に。
因みにパートナーは爺言葉のフィカイアちゃんがそのままついでにやってくれることになった。いや、何をどうしたらいいとか、せめて詳細を引き継いでから交代してほしかったよね。僕にどうしろっていうんだよ。
「台本があるのを忘れたのかの?」
「……そんなものあったのか……」
「じゃあずっと手に持ってるそれはなんじゃ。飾りかの?」
「……紙、の束」
「アホじゃなぁ」
開始早々に爺言葉のロリにアホ呼ばわりされる僕。なんだこの子。言ってることがあんまり可愛くないぞ。というか、見た目よりも中身の方が年上な気がする。どうせロリならいっそのこと蜘蛛ちゃんぐらい子どもらしくいてくれよ。
「ええっと……『infiorarsi』ゾーンでキャラを紹介……? 次は……?」
「ふむ。次は主役二人なのじゃな! 主役と言えばじゃが、『主人公なのに一時期蜂ちゃんやらに票数で負けていたり、現時点でも蜘蛛ちゃんや兎さんに負けている気分はどうですか?』というしつもんが熊に来てるのじゃ。どうなのじゃ?」
「やめろ、僕の心を抉りに来るな」
僕だって好きで不人気な訳じゃないんだぞ。蜘蛛ちゃんと兎さんが人気過ぎるのが悪いんだ。
「まあその話はまたおいおいしていくかの」
「するのかよ!」
「するのじゃよ。さ、『infiorarsi』の二人を紹介なのじゃよ」
「……すっげぇ出づらいフリをされたんだけど……しかも何この花」
「このまま不人気についての話の流れだと思ったの……」
フィカイアが言うと、突然色とりどりの花や花びらが舞い、その中心から一組の男女が現れた。男は夜のような髪色をしていて、女は銀に輝く髪色だ。
それよりも本当に何この花。今までこんな演出なかったのに。
「んーと……? 『圧倒的にこいつらのせいで花のイメージが定着したので舞わせてみました。主役だし』ってことだそうなのじゃ。まあ、花言葉で戦うぐらいじゃからの」
「花言葉で戦えるんだ……」
「それは昔の話なの」
「すごくお世話になったけどね」
「お世話になるんだ……」
どういうことなんだろう。戦える花言葉。
「ちなみに、『今回に戦うにあたってクリムの魔力は戻しておきます。全盛期だから心置きなく戦ってね!』とのことなのじゃ。まあ、上位に入ればじゃがの?」
クリムと呼ばれたのは女の人の方。クリム・ブルジェオン。資料にそう書いてある。
「え……? また不老不死の魔女になるの……?」
「そういうことじゃの。ちなみに『ネロは魔力があろうがなかろうが大して変わらないけど、可哀想なので魔力プラスしてあげます。その代わりビアンコ禁止で』だそうなのじゃ。ビアンコ禁止ってどういうことかの?」
「俺の扱い!」
「分身は使っちゃダメってことなの。ネロは魔法があっても拳で戦うから仕方ないの」
「……うん、まあそうなんだけどさ? そこはクリムさん、俺のフォローをしてくれたって良かったんじゃないの……?」
「ん? どういうことなの?」
「ナンデモナイデス……」
散々な言われようの不憫な男はネロ・アフィニティー。主人公なのにこの扱いっていうのも中々世知辛い世の中だなと僕は子供ながらに思いました、まる。
「ふむ。『花畑の魔女』ばーさす『影遣いのヴァンパイア』の実現も可能ということじゃな。あ、ちなみにもう一つお知らせの紙が来てるのじゃ」
フィカイアはそう言ってさらにもう一つどこからか送られてきた紙を確認した。
「ええっと……『ブランテは特別案として生前と死後の融合体とします。魔力無効出来つつ物理的に殴れるので、ハンデを抱えることはないはずです』……だそうなのじゃ。あの金髪ただの金髪じゃなかったのじゃな」
凄まじい不平等と理不尽を見たような気がした。