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スキル汚部屋しかない俺が異世界で掃除スキルを習得してもしかしたら整理収納アドバイザーになれるかもしれない?!お話【仮】  作者: 三愛 紫月
第一章 真っ白な世界

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初めての魔法

「へーー。何か寂しい街だな」


俺の言葉にパーンは頷いていた。


「生物以外は、全部白ですからね。だいたい、皆さん。建物にぶつかったり石につまづいたり、時には川に落ちてます」


そう言われて、俺は道を見つめていた。

確かに、質感は違うように感じるけれど……。見た目で、わかる程ではないよな。


「って、掃除の国って言ったよな?」


「はい、言いました」


「えっ、それって。俺、掃除出来るって事だよな?」


「はい?」


パーンは、疑いの眼差しで俺を見つめている。


「ほら、魔法の言葉教えろよ」


「あっ、はい。マトメーです」


「何それ?」


俺の言葉に、パーンは見本を見せてくれる。


目の前に白い葉っぱが沢山落ちている。

パーンが、手を(かざ)して「マトメー」と声を掛けると白い葉っぱは木の根本にサァーと集められた。


「凄いなーー」


「これは、纏める魔法です。散らかったものを一ヶ所に纏めてくれます。やってみて下さい」


俺は、そう言われて「マトメー」とでっかい声で叫んだ。


ザザザ…………


バサッッッ………………


「えっ?」


俺とパーンは、真っ白な葉っぱにまみれた。


「何だこれ?」


「木から葉っぱが全部落ちました」


「何で?」


「さあーー」


こうなったのは、初めてなのかパーンは困っている。


「マトメー」


ひとまず、パーンはそう言って葉っぱをどかしてくれる。


「あのさ……。ここって、俗にいう異世界だよな?」


俺の言葉にパーンは、何か調べている。


「あー、あー、そう言うことですね。あなたがいた世界とは違うって事ですね。そうなりますね。異世界ですね」


そう言うとパーンは、俺を見つめる。


「異世界ってのはね。現実世界と違って、何でも出来るわけだよ。だから、最初からスキルもあって。こうやって、パーンと俺は話せてるだろ?何でも出来るわけだよ」


パーンは、その言葉に首を傾げていた。


「何でもですか……。あなたと私が話せるのは、まあ、何となくです。ただ、何でもは出来ないですが……。基本的なお掃除スキルは、皆さん持っていますね」


「だろ?まあ、昔から整理整頓は苦手な方だけどさ……。それなりに、掃除は出来たとは思うんだよ。纏めたり、掃除機かけたり、拭き掃除したりな」


その言葉に、パーンは「掃除機!!!!?」と驚いて口を開けていた。


「いや、驚くとこ、そこじゃないだろ?」


「いやいやいや。掃除機は、この国では8000万キラリですよ」


「何それ?」


「何それって、あなたの国でいうお金の事です」


「8000万キラリって凄いの?」


「あ、あ、当たり前じゃないですか!働いた収入が多い人でも、8万キラリです。掃除機なんか王様しか持ってませんよ」


そう言って、パーンは目をパチクリさせながら俺を見つめている。



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