第28話
『この異世界に救済を』以外にも以下の作品を投稿しています。
『水晶』(「小説家になろう」で投稿中);https://ncode.syosetu.com/n5361ga/
『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中);https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138
興味のある方は、ぜひ読んで見てください。
宣伝以上。
前回までの『この異世界に救済を』のあらすじは、ついに有輝は自らのギフトを手に入れるのだった。
絶望だ。
有輝達ではなく、フォーミランド家の切り札にとって―…。
そう、有輝は今、ギフトに触れ、力を得ているのだから―…。
これは、関数シュミレーションがフォングラが生き残るために必要なことなのだ。
この力を有輝―…、君は―…。
(摂理者。)
そう、自らのギフトの名前を唱えれば良い。
この問題に答え、答えを支配するんだ。
「お前は~、何てことをしてくれているんだぁ~。ああ。
ギフトはお前のような下々が所有して良いものじゃない。
世界は、我ら、世界を支配する上流層のために存在し、それ以外の者たちは、ちゃんと支配されないといけない。
ギフトは、我々のために存在するんだ。
当たり前だろ。
だけど、そんなお前のためにチャンスをやろう。
我々のために仕えるのならば、生かしておいてやろう。」
ここに来ても、苛立ち以外の感情を上手く動員して、今自らがすべきことを理解していますねぇ~。
それなら、私に対する不意打ちをしないでいただきたい。
だけど、ここは盛り上がりどころなので、無駄に余計なことは言いませんよぉ~。
「さあ、選べ。」
有輝の後ろにいた私を刺した人物が有輝の後ろにおり、脅してくる。
この人物なら、有輝を殺すことは簡単にできる。
有輝がもしも、彼らの言う誘いを断ったとしても、すぐに刺すことができるだろう。ほぼ確実に―…。
そのことを理解しているからこそ、いつでも刺せるぞ、という後ろから脅しをかけるのである。
その脅しは、今の有輝には通用していないと思いますよ。
今、手に入れるべきギフトを手に入れたのだから、そのことによって、少しの間、思考停止状態になっているのだよ。
まあ、気づかないよね、普通―…。
だけど、有輝は思考する。
(…………………彼らがフォーミランド家の中で重要な存在であることはわかる。
そして、フォイリさんは完全に駄目な可能性が高い。
だけど、イルアーナのギフトは、先導者。
俺のギフトは、摂理者。
摂理とは、万象を支配する力―…。自然の摂理ということも言われる言葉があるから―…。
さて、何をもって支配させるのか、この力がどこまでのものかを理解できない以上、イチかバチかということになるのか。
考えろ―…、というか、何となく結論づいたか。)
有輝は心の中で、何をすべきか思い浮かべたようだ。
やることは決まっている。
摂理者のなのだから―…。
「摂理者の名で命じる。お前ら、フォーミランド家の切り札、先導者の命に従うことを理とする。」
有輝は言う。
それも自信満々に―…。
有輝としては、これが、このフォーミランド家の切り札に対する勝利の道。
分かっている人は分かっていることだろう。
そして、今はネタバレを口にしないでくださいね。
それに気づいていない、フォーミランド家の切り札は―…。
「ガハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、何を馬鹿なことを言っていやがる。
先導者のギフトがここに存在するわけがないだろ!!!
ギフトを手に入れた者は、自らの能力を声を出して言うはずがない!!!
ギフトを手に入れたとしても、その能力を知ることができるはずがない!!!
ギフトの能力は、それなりの訓練を積んで理解する必要があるんだよ!!!
やっぱり、下賤な者たちはギフトを手に入れたとしても、こんなちっぽけなことしか考えることができない!!!!
それにギフトは上流層の者のみしか、それをしっかりと理解して扱うことはできないのだよ!!!」
何を言っているんですか、この人?
フォーミランド家の切り札と言われていますが、ギフトに関してはそれこそ今の理解は素人としか思えないような反応ですねぇ~。
それに有輝は、ギフトを少し理解し、発動させることに成功していますよ。
ギフトの能力の名前を知っているのだから、扱い方の基礎が理解しているでしょう。
摂理者。
私が調べた中では、この摂理者のギフトを手に入れた人は過去におらず、有輝が初めての使用者ということになります。
ゆえに、分からないことは多いですが、有輝が手に入れた時に、ギフトが能力を教えたということから、それなりの訓練は別の面で必要な可能性が高いということだ。
さあ~、有輝の意図をイルアーナさんは理解できるかな。
(……………何を言っているのか敵方は分かっていないようね。
まあ、ギフトを達観有輝が手に入れた。その能力と関連していることは、簡単に分かることなのに―…。
たとえ、フォーミランド家の切り札とかいう中二病としか思えないことを言っている奴には、ギャフンと言ってやらないとねぇ~。
私は、優秀なのよ!!)
イルアーナさん、頭が良いのは分かるのですが、それにしても―…、自分が凄い人、優秀な人だと思っていることをすぐに心の中で言ってしまうのだけはほどほどにして欲しいです。
イルアーナさんは、有輝の言おうとしていることに気づいていることでしょう。
「私としては、先導者として、フォーミランド家の切り札には、主君のもとへ帰ってもらって、「ギフトを奪うことに失敗してしまいました。申し訳ございません」と言ってきなさい!!!」
あ~、理解されてましたよ。
イルアーナさんは、理解した上で、この言葉を言ったのだよね。
(有輝のギフトの能力は、摂理者。摂理とは自然を支配している法則、神学ではすべてが神の配慮によって起こっていること、の思想だったかしら。
まあ、フォングラでは、摂理者という能力は神学と関係しているのかは分からないけど、自然を支配している法則に関係しているのなら、その法則を理解するもしくはその支配する法則を定義する、そんな関係の能力っぽい。
後者の方ね、有輝のは―…。)
まあ、有輝の手に入れた摂理者の能力は、ここでは詳しく述べるつもりがないが、摂理者のギフト能力は世界における法則を理解し、時には世界の法則を書き換えることができる能力という感じです。
全知全能?
ヤバくね、チートじゃね?
こんなの、最初から手に入れて良いのかよ!!
……………………………落ち着け。
合理厨―…。
私は、合理厨によって、冷静になることができました。
さて、状況は―…。
「ガハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、何を言ってやがるんだ。両方とも、この状況で思考停止にでもなって、頭がいかれて―…。
撤退―…しなければ―…。
俺たちはギフトを奪取することに失敗したんだ。」
「だな。」
そして、二人は撤退していくのでした。
何ですか? これ?
どういう展開なんですか?
意味不明。
では、説明いたしましょう。
そう思ってしまったあなたのために―…。
有輝の摂理者の能力は、さっき説明した通りであり、これ以上の説明は今のところ加える必要はないでしょう。
つまり、有輝はフォーミランド家の切り札である二人の考えの定義を変えたのです。あくまでも洗脳や精神を操作したわけではなく、この世の常識だと彼らに思わせただけです。
ただし、相手を殺したりする操作は、摂理者が能力ではできないわけではないが、そのような選択肢を摂理者のギフトは望まない。
そして、相手を殺すようなことができないのは、イルアーナさんのギフトの能力だ。
それを有輝は理解しているからこそ、今回、フォーミランド家の切り札を殺すのではなく、敢えて、フォーミランド家の切り札が敗北したことを、フォーミランド家の当主に報告させたのだ。切り札自ら―…。
これは嘘であることが分かっているだろう。
有輝は、イルアーナの先導者のギフトの能力を知っている。相手を導くことができる。つまり、今回のイルアーナの言葉のように、フォーミランド家の切り札を導いたのである。
要は、二人の連携による勝利ですよ!!
もし、分からなければ、後で、私の方で受け付けますから、今はこの言葉で我慢してください。
(何とか、撤退させることはできた。
だけど、これだけで終わるとは思えない。
摂理者のギフトを手に入れることができたけど、このギフトは―…、このフォングラの崩壊を望んでいない。
ギフトや関数シュミレーションの掌の上で踊らされているように感じるけど、世界管理局の言っていることが嘘ではないことが分かってしまった。
便利なギフトだが、デメリットが何かを知っておかないと―…。)
有輝は摂理者のギフトを心の中で考える。
デメリットとかそんなことを―…。
というか、世界管理局が言っていることが事実だと気づいたのですね、良かったぁ~。
まあ、私にとって、関係あるかどうかはわかりませんが―…。
そして、有輝ぃ~、思い出してください。
(あっ、フォイリさん!!)
と、有輝は私の倒れたところに視線を向けるのだった。
イルアーナさんは気づいてすでに視線を向けていた。
そして、二人が私のもとへと近づいてくる。
だけど、私は―…。
「死んでる…。」
イルアーナさんは私の脈と呼吸を調べ、無駄だと有輝にもわかるように知らせるのだった。
そう、私は、この時、フォングラのフラード山の、フォーミランド家の切り札がイルアーナさんのギフトを狙った時に、命を落とすことは決まっていました。
だけどね、私は有輝とイルアーナさんに完全に会えなくなったわけではないですよ。
まあ、今の二人には、聞こえませんよね。
…………………………これが関数シュミレーションによる結果です。フォングラを崩壊から救われるための―…。
第29話に続く。
誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。
後、もう少しでプロローグが完結します。
執筆ペースがかなり落ち気味です。
どこかで休むかもしれません。
では―…。




