視点Y イツカノ夢
ダイヤモンドダストのパフォーマンスは見事成功。私たちはステージ裏に戻っていた。
「みんな、お疲れ。よくやったわ。特に代理の2人、2週間という短い期間でたった1回のために頑張ってくれて、本当に感謝するわ。」
「それほどでもないわ。それよりも怪我のメンバーが帰ったらしっかり教えなさいよ。私たちそれなりに仕上げたから。」
「いやー、でも1回なんてなんかもったいないねー。あ、そうだ流瑠ちゃん。気が早すぎるけど次の忘年会か新年会で2人で踊らn」
「いやよ。」
「これで私は・・・」
伊達が少し悲しい目をする。
「・・・いや、そうね。やることはやった。あとは待つだけ。」
独り言か。彼女も色々背負っているのか。
「ん。なんだこの生き物!?っていうか生き物かこれ?」
「ちょっと誰か捕まえて!」
「無理だよ、お前がやれって!」
何か騒がしいな。すると何か小さな物体が近づいてきた。そのすぐ後に風也が来た。
「流瑠!そいつを抑えろ!」
物体はジャンプして伊達に飛びついた。庇おうとしたが間に合わない。
小型の蛇のツクモは伊達の夢の世界に入っていった。
「しまった!」
「間に合わなかったか。」
「大丈夫だ。直ぐに倒せばいいだけよ。」
私は夢ウ筒を取り出した。
ー--------
彼女の夢の世界に私と風也は降り立った。
「ここは、映画館?」
巨大なスクリーンと客席。満員の人たちの前に彼女がいる。マイクをもった彼女はスクリーンに映されたタイトルの映画への意気込みを語っている。
「これが彼女の夢。女優の姿か。」
「レッジ、どうやらこの部屋にはヤツはいないようだ。他を探そう。」
1番の劇場を出ると通路に少しだけ大きくなったツクモがいた。
狭い通路を天井、壁と縦横無尽に駆け巡ってくる。
「まずいな。狙いが定まらない。」
「風也、ここはあなたには合わないようね。邪魔にならないように見てなさい。」
私は槍を構える。攻撃はしない。相手が来るのをただただ待つ。
「一撃で仕留める!」
蛇は回転するようにこちらに迫る。そして目の前に来た瞬間ー--
「ハアアアアアアア!」
ツクモの頭頂部を一刺しした。あっけなく蛇は消滅した。
「ふぅ。これくらいは余裕ね。で、あんたは何してるの?」
風也が元から来た1番の劇場で何かしている。
「夢の種の回収だ。これは「女優」。というより「俳優」だな。これは色々と使えそうだな。西条さんに渡しておかないと。」
やるべきこともすまして夢の世界から脱出した。
ー--------------
現実世界では恵里菜が伊達の介抱をしていた。周りの心配性なスタッフたちに対して「疲れて寝てるだけ」とか無理な言い訳で止めてくれたとか。
「そういえば真白は?」
「ああ、あいつは・・・。」
風也が答える前に真白が戻ってきた。
「・・・悪い、逃げられた。」
「そうか。」
あの2人の間に何かあったの?
「あ、でもこの屑マネージャーはとっちめたから。こいつはその、威力業務妨害にでもなるのか?」
「その辺は切山刑事に任せよう。こいつからは聞き出さないといけないことが山ほどあるからな。」
裏さん(真白)の後ろには完全にノビているマネージャーがいた。
普通の豆知識
Idle
仕事のない、という意味をもつ英単語。
歌って踊るアイドルとは違う。




