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神ノ夢見物語 日木ノ国編  作者: カイトーチ
第10章 ー神ノ夢見物語 劇場版ー
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視点R 脱出

 風也君(?)に引っ張られながら気づいたことがある。この風也君、ユニットを付けていない。緑色に、最近刻印の入った、見知らぬ人が見れば派手な腕時計だと思われる、そのユニットを。

 それに普段クールな風也君がこんなに高めなテンションなわけがない。世界には同じ顔が3人分存在するとは聞くけど、まさか棟京に3分の2がいるとは。


「それでさ林堂君、アナウンサーからの質問に・・、ってあれ?なんで逃げるの?」


 僕がとった行動はシンプル。逃げる、それだけだ。

 

「ごめんなさい!人違いです!」


 と一言だけ叫びながら廊下を駆け抜ける。途中、スーツ姿の大人にぶつかりそうになるが何とか避けつつ、建物を後にする。


「え?ちょっとまって!・・・どこに行ったんだ?・・・お!いたー!林堂君探したよー。あれ?いつの間に着替えたの?何々、トイレにこもってた?だいじょーぶ?」


 風也君のそっくりさんが誰かと会話している、何のことを話してるのかよくわからないがとにかく助かった。

 建物を出ると見慣れた光景だった。


「渋矢のスクランブル交差点?」


 2018年。しっかり新年ムードだ。


「家にいたはずなのになー。」

(おい、この世界、なんか変だぞ?)


 独り言に、裏さんが入ってきた?


「え、どういうこと?」


 でも確かに違和感はある。暫く交差点付近をうろうろしてみる。そして渋矢駅も見てみた。


「あれ?」


 違和感の1つに気づく。


「字が違う・・・。」


 駅の看板には「渋谷駅」と書かれていた。おかしいな。正しくは「渋矢駅」だ。現に僕が通っている大学も「渋矢教育大学」だし。誤植は他にも見つかった。「棟京メトロ」が「東京メトロ」になっていたり、「最玉方面」が「埼玉方面」だったり。なんでこんなに違うんだ?


 再びスクランブル交差点に戻ってくる。ふと交差点のビルを見上げると壁にある大きなビジョンには新春のバラエティー番組が放送されている。どうやら1月から放送されるドラマの特集がされている。


(元旦からドラマの特集なんて珍しいな。しかも生放送って・・・。)


 しかし次の瞬間、息をのんだ。画面に釘付けになった。猫なで声の女子アナウンサーが3人の俳優を紹介する。


「はーい。ではこの方たちにご登場していただきましょう。1月11日から放送が開始されますテレビドラマ『神ノ夢見物語』にて主演キャストを務めていますこのお三方ですー。六ノ宮真白役、林堂龍介さん。にのまえ風也役、中町健吾さん。二上恵里菜役、福島恵さんです。」

 

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