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477 ガーデンのグロット フェアリーリングで
「仮説に従って犯行現場を再現してみよう。きっと、こういうことだろう」
レイミはオップラーガーデンのグロット、その中心、フェアリーリングでイペを待った。
一緒の分科会に出ていたから、それほど待つことはないはず。
狭くて天井の低いフェアリーリングの入り口付近。
後ろ手にナイフを握って。
万一の時には、これにものを言わせるつもりだった。
非常に暗いが、それはもちろん好都合。
外は中よりわずかに明るく、中にいる自分は見づらい。しかも、こちらからは入り口に立った者がはっきり見える。
ふ、と香りが流れてきた。
来たな。
外では、イペが立っていた。
レイミが既に中にいることは分かっていた。
分科会が終わってから、ずっと後をつけてきたから。
もう一人。
レイミの背後。
フェアリーリングの奥の方、反対側の出入り口。
幸い、周りに人の姿はない。
中のレイミの注意を引くように、イペは中に入るのを躊躇っているかのように振舞った。
十数秒経過した。
もういいだろう。
あいつが、向こう側から入った頃だ。
踵を返したイペ。
いつまでもここにいる必要はない。
誰かに姿を見られたくもない。
「以上が、レイミとイペの行動。そしてもう一人」




