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474 なんと緩慢な捜査

「スミソ、イペの部屋の捜索はいつ行われたんだい?」

「水が引いて翌々日かな。つまり、資材庫からの報告があってすぐ」

「ふむ。で、レイミの部屋は?」

「かなり後になってから。しかも非公式に」

「なんと緩慢な捜査、という感は拭えないよね。いくら多忙を極めていたとはいえ」



 確かにあの頃、シェルタ通路の崩落やその結果としての洪水、ジェドリとニェメトの一件、シェルタの不審人物、メダカシップへの攻撃など、急を要する事案が立て続けに起きていた。

 それらへの対応に忙しく、被害者及び容疑者の身辺調査並びに家宅捜索は延び延びになっていたのかもしれない。

 僕自身も、レイミ殺害の件は頭の隅にあるだけで、真剣に取り組もうとはしていなかった。


 それにしてもだ。

 関係先の家宅捜索など、殺人事件の直後に実施されるのが常道ではないのか。



「忙しかったことは理解できるよ。でも、見に行くこともしなかった?」

「そういう意見も出たけど、行ってもどうせろくな家財道具もないんだから、ということになって。結局、後回しに」



「忙しかったと言えば、タァーレルの件もあったねえ」

「そう。警察として、当時、容疑者一号はタァーレル」



 スミソが当時の警察の考えを披露してくれる。


 レイミに罵倒されて頭に来ていただろうし、事情聴取を受けるどころか、さっさと姿をくらましてしまった。

 しかも、タァーレルがようやく姿を見せたのが、チョコレート備蓄庫の奥で起きたあの事件。

 事件と呼んでいいのかどうかわからないが、タァーレルの腕の中でキスした直後、キャンティが消滅したあの時。

 警察としては、タァーレルを拘束しないわけにはいかなかった。

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