469 松茸を腹に収め
「さあ、再開するよ」
イコマは名残惜しく角のハイボールを口に含んでから、一同を見渡した。
会の最初にあった和やかさは消えてしまったが、犯人がもうすぐ分かるという安堵感のようなものが漂っている。
「サスケイが自首してきて、イペが最後の尋問を受けた時のことを話そう。ボニボニはナイフのことを質問した」
スゥがまた料理を運んできて、始めようとした話を中断してくれる。
しかも、その中断は大歓迎だ。
なんとなんと、焼き松茸!
「どないしたんや、これ!」
「今日だけは、なんでも自由に持ち帰っていいって、レイチェルが」
「それは分かってる。でも、松茸!」
「いいでしょ! どうせ、一生のうちに何回かしか食べられないんだから」
この集まりだけではない。
今日は全市民、好きなものを買い物籠一杯にしてよいということになっている。
「レイチェルに言われたのよ。ノブをねぎらう意味で、特別に」
「えっ、そうなのか。それは、それは、レイチェル、うれしいよ。でもこれ、僕だけ?」
「そうよ」
「ええっ、そりゃ悪いよ!」
「いいからいいから。ノブだけじゃないから。レイチェルは、ほかの人にも別の特別功労賞を用意してあげてって」
「そうか! じゃ、遠慮なく。冷めないうちにいただこう。アヤ、チョットマ、アングレーヌ、一口ずつ一緒に食べよう。サリもおいで」
イペの香りがかき消された!




