462 局長会議
「トゥルワドゥルーの動機は、脅迫を止めさせること。そのために脅迫者を亡き者にする。だとすれば、誰にも知られず死体を始末するに越したことはない」と、コリネルス。
イコマの言葉に呼応して、先導役を務めてくれる。
「そう。すべてを無かったことにしてしまいたいはず。トゥルワドゥルーに死体を水流に放り込めなかった理由は思いつかない。本当に目の前なんだ。水飛沫がかかるほどの距離なんだ」
「トゥルワドゥルーであれ、誰であれ。だな」
「そう。実は、このことに気づいて、僕はすっかり見落としていたことに、遅ればせながら、やっと気づいた。恥ずかしながら、全くの凡ミス」
犯行時刻。
トゥルワドゥルーはフェアリーリングには行けなかったんだ。
レイミやイペも出ていた僕らの分科会が終わって、しばらく僕はユウが来るのを待っていた。
ユウは息せき切って走って来た。やっと会議が終わったと言って。
ユウが出ていた会議、それは局長会議。ユウとトゥルワドゥルー、イッジ、ミタカライネンの会議だ。
レイチェルが招集したトップ会議。
誰も欠席はなかったし、中座した者もいない。コリネルスの議事録集にそうある。コリナルスがとった議事録じゃないがな。
つまり、その会議が終わってからトゥルワドゥルーがガーデンの奥深く、グロットのフェアリーリングまで行けたはずがないんだ。
イコマはそう繰り返した。
「コリネルス、すまない。議事録集、読ませてもらった」
「謝ることはないさ。なるほど。レイミはイコマ達の分科会が終わってすぐにフェアリーリングに向かい、すぐに殺された。その時、局長会議はまだ終わっていなかった。もし終わっていたとしても、トゥルワドゥルーが犯行現場に行けたはずがない」
「そういうこと。イッジには申し訳ないけど、僕は一時、トゥルワドゥルーを疑った。すまなかった」
イッジには、最初からトゥルワドゥルーが犯人かもしれないなどという馬鹿げた発想はなかったのだ。
当然だ。
犯行時刻と思われる時間帯は、一緒に会議に出ていたのだから。
そして、念のため、という意味で、こう付け加えた。
「もちろん、トゥルワドゥルーだけではなく、局長会に出ていた人は犯人とはなりえない」
これは一つの結論である。
それが皆の頭に染みていくのを待ってから、話題をまた変えた。




