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459 シンプルに考えてみれば
イコマは「僕の考えたことを聞いてくれ」と、両手を挙げた。
このままではイッジの怒りが、肩の震えでは済まなくなってしまう。
聞いてくれ。
「ところで、妙なことがある。サスケイが自首してからのこと」
そのことを、トゥルワドゥルーは一言も口にしなかった。
たぶん、一番の部下だったはず。レイチェルのシェルタに同行させていたくらいだから。
なのに、サスケイに面会した形跡はないし、僕にも何も言わなかった。ただの一言も。
これはどうしたことだろう。
これが最も分からないことだった。
奇妙過ぎる。
トゥルワドゥルー自身への不審を増幅するだけではないのか。
人を欺くためでも、形だけでも、サスケイを見舞うなり、様子を気に掛けるのが普通ではないのか。
しかし、気がついたんだ。
シンプルに考えてみれば。
「理由は簡単。トゥルワドゥルーは、サスケイが犯人だと考えていた、ということだ」




