515/568
451 彼らが教えてくれたこと
さらにもう一つ、彼らが教えてくれたことがある。
こちらの方がもっと重要。
初心者パリサイドが、免許皆伝レベルの技、縄抜けの術、つまり身体をパウダー状にする技など、使えるはずがない。
そこにひとつの謎があると教えてくれたのだ。
真の犯人に直接結びつく謎があると。
「それから? 他に考えは?」
アングレーヌは一瞬困った顔をしたが、あっさり一同を見渡した。
「個人的な意見を言わせてもらえば、現時点で、容疑が一番濃い、と思うのは」
しかし、ここで口をつぐんだ。
まだ話題にしていないことを先走って話してはいけない、と思ったのだろう。
何事もなかったかのように、澄まして座っている。
そして、ワインで唇を湿らせた。
目はもう赤い飲み物を見つめている。
イコマは、目でアングレーヌにありがとうと言った。




