449 さっきの袋の中身、見せてくれないか
「ふうむ。じゃ、アングレーヌ、どう思う?」
ユウの経験と記憶を持つアングレーヌなら。
ここはうまく話のきっかけを与えてくれるかもしれない。
アングレーヌは当てられてちょっと驚いた顔をしたが、さすが、スラスラと話を整理しつつ、リードしてくれる。
「つまり、トゥルワドゥルーはレイミに脅迫されていた。ということは、サスケイも脅迫されてておかしくない。トゥルワドゥルーに同行してシェルタに行ってたんだから」
「だね」
「ところでジェドリとニェメトは?」
「ああ、あれか」
そうか、それを消さなくてはいけなかった。
「容疑者とはならないのかな?」
「うむ。違うな」
「なぜ?」
「彼らがもしレイミを殺したとする。その理由は?」
「そりゃあ、自分達のものと思ってる財宝を」
「レイミが身に着けていたから?」
「そうねえ」
「だから、レイミの死体からあの豪華なネックレスを剥ぎ取っていった?」
「うーん」
「イエロータドがトゥルワドゥルーにつけた猿知恵はこうだ。三人はグルだった。財宝を我が物にする一味の。今回の事件はその仲間割れだというんだ。そんなことがあり得るかい? おかしいだろ」
「うん、おかしいかも……」
そもそもジェドリとニェメトはその財宝のある洞窟に住んでいたと思われる。
実質的にそこにいたんだ。
何年も前から。
きっと金銀財宝のベッドで寝てたんだろうよ。
そこに乗り込んだレイミが、どうして仲間として受け入れられる?
「無理よね」
「そう。レイミが仲間にしろと言ったところで、一蹴されて終わり。一蹴されるだけならまだいい。きっとジェドリとニェメトはレイミの口を封じようとするだろう」
「うん」
「だからと言って、レイミが殺された理由がそれだとは思えない」
イコマはイッジに微笑みかけた。
「すまないが、さっきの袋の中身、見せてくれないか」
そして、袋から緑石のネックレスを取り出した。
「スゥ、これ、だろ。レイミがつけてたもの」
「そうね。水系に沈んでいたもの、よね」
キャプテン・キョー・マチボリーのクルーが見つけたもの。
パキトポークもこれを見つけ、袋の中に一緒に入れたというわけだ。
が、くどい説明はもう不要。
「犯人はレイミからこれを奪って、すぐ横の水系に捨てた。つまりこの行動、ジェドリとニェメトなら、犯行動機と一致しない」
「それに、殺された場所が腑に落ちないわよね。ジェドリとニェメトの犯行だとすれば」
「そういうこと。同時に、行きずり犯行説や物取り犯行説も消えるということ」
「じゃ、あの二人、何だったの?」
もっともな疑問だ。




