448 証拠を羅列しようにも
「犯人は誰か。容疑者は誰か。どう思う? 皆、意見を聞かせてくれ」
この問いを、誰に投げ掛ければいいだろう。
誰でもいい。
話を前に進めてくれないか。
一方的に話し続けるのは難しい。
辛い。
特に、自信がなくなって来た時には。
「コリネルス、どう思う?」
「裁判を司る者としては、今の段階で誰かの名を口にするのは憚られる」
ずるいな。
でも、そうだろう。
「ンドペキ、どう思う?」
「もったいつけてないで、早く言え」
「ふうむ。じゃ、スミソは?」
スミソは少し頬を赤らめ、
「サスケイが犯人だとは思えない」と、言った。
「理由を話してくれるかな」
チョットマがじっとスミソを見つめている。
その目を受けたまま、言った。
「あいつは、自分がレイミを殺す理由は雄弁に語った。しかし、その絶対的な証拠となると、言葉を濁した。自分を犯人と認めて欲しいが、証拠を羅列しようにも何も知らなかった。僕にはそう見えた」
「うむ」
イコマがサスケイは違うと感じたのも、まさにそのことだった。
サスケイは、ナイフのことなど、なにも話さなかったのだ。
話せなかったのだ。
「スジーウォンや攻撃隊の面々はどうかな?」
と、質問先を変えた。
スジーウォンは首を振るだけだったが、後ろに居並ぶ者の中にひとり、イッジをちらりと見た者がいた。
そしてもうひとり、イエロータドに目をやった者がいた。
しかし、それは無視し、別の人に顔を向けた。




