441 もう詮索する気はない
あんたは知っていた。
トゥルワドゥルーがあのガーデンの奥、グロットのフェアリーリングと呼ばれる場所で、レイミに宝物を渡していることを。
目撃したんだよな。
そしてレイミを殺したのはトゥルワドゥルーだと考えた。
だな?
「はい。そうです。ですが、手渡す現場を実際に見た訳じゃない。俺の手下が、その、そうだろうと」
「そうだろうと?」
「いえ、その、以前に、彼らが会っていたのがフェアリーリングだったので、そうだろうと……」
「ふうん」
で、あんたは、トゥルワドゥルーに猿知恵を付けた。
だな?
猿知恵という馬鹿にした言い方にも、イエロータドは神妙に答える。
「ジェドリとニェメトのせいにしてしまえと」
そしてあろうことか、トゥルワドゥルーは本当にその猿知恵を使ってしまった。
自分の立場をいよいよ悪くすることに繋がるのに。
トゥルワドゥルーがそう言ったことで、かえって後ろ暗いところがあると公言したようなものだった。
「まことに申し訳ございません!」
と、イエロータドがぴたりと平伏した。
イコマはイッジを見た。
彼女に婚約指輪のことを聞くというアイデアは、結局は実現しなかった。
イッジはどこまで知っていたのだろう。
あるいは何も知らなかったのだろうか。
このことについても、もう詮索する気はない。
もしイッジが知っていたとしても、責めても意味はない。
一番の被害者はイッジだともいえるわけだから。




