440 こいつ、嘘がうまくなりやがった
「イエロータドは今回の事件解決の立役者だ。彼に教わったことは多い」
と、イコマは話し始めた。
「ただ、それをすべて語るとなると、何時に終わるか分からないし、退屈でもある。だから、ポイントとなることだけを」
まずは、トゥルワドゥルーがやっていたこと。
なぜ、トゥルワドゥルーはレイチェルのシェルタに忍び込み、宝飾品を持ち出したのか。
イエロータド、どう思う?
「それは、イッジに贈り物をしようと」
えっ。
こいつ、嘘がうまくなりやがった。
ふうむ。
そういうことにしておこう。
レイチェルはイエロータドの嘘を見抜いたようで、鼻の頭を指先で掻いているが、まあ、それでいい。
でも、実際はそれらがイッジに手渡されることはなかった。
なぜか。
「レイミに見られてしまった」
それで?
「レイミの奴、畏れ多くも食料局長であるトゥルワドゥルーを脅したわけです。まことに申し訳ございません。このイエロータド、なんとお詫びを申し上げたらよいか。この上は死んでお詫びを」
「そこまで言うことはないさ。レイミがあんたが雇ったホステスだとしても、あんたにゃ罪はない。ですよね? レイチェル」
レイチェルは、あなたはとてもよくやってくれています、とイエロータドを安心させた。
「それに、結果的にはイッジの手元に渡ったわけだし」
イッジがアイーナから手渡されたもの。
袋の中にはダイヤを散りばめたプラチナの美しいティアラや、手の込んだ細工の金のイヤリングや、色とりどりの宝石で埋め尽くされた豪華なブレスレットなどが入っていた。
それがシェルタの宝物庫から持ち出されものであることははっきりしていた。
水系に捨てられた、つまり証拠が隠滅されたわけだが、それをパリサイドであったパキトポークが見つけ、アイーナに贈ったというわけだ。
誰が捨てたのか。
事実はもう分からない。
どうでもいいこと、とは言わないが、明らかにしなくてもいいこと。
よし。
では次の質問。




