435 ポイントは、ピンクのハートマーク
あの惨劇がロームスの実験だとはっきりした今、接点はチョットマに語り掛けてくるコモレビーという奴の言葉だけ。
この二週間、考え続けてきたのだ。
コモレビーがチョットマに語り掛けた言葉。
これを列挙してみたことで、奴が何を意識していたのか、想像がついた。
並べてみるとこうなる。
まずは、チョットマがパリサイドの身体になったあの時。
ーーーーお前も行けばどうだ。
ーーーーお前の抱いた愛。それがこれか?
ーーーーパパやアヤを助けに行かないのか。
ーーーー見せてもらおう。
連続した会話が交わされたと考えていいだろう。
見せてもらおう、というフレーズの前には、お前の愛、というフレーズがつくに違いない。
人が聞けば嫌味、あるいはそそのかし、と聞こえる言い方。
しかし、人の言葉をまだ使いこなせているとは言えないロームスの言葉として捉えるとき、純粋に「見せてもらいたい」と思っていたとは考えられないだろうか。
つまり、愛とは何かという「実験」の一環として。
そして、数日の間を置き、再び聞こえだしたコモレビーの声。
ーーーー私は私だ。
ーーーーチョットマ。
ーーーーかき乱される。
ーーーーピンクのハートマーク。
ーーーーフフ。
これらの言葉は時間をおいて切れ切れに発せられたものだったが、これはこれでひとつの繋がりではないか。
ポイントは、ピンクのハートマーク。
むろん、レイチェルがメッセージに記すサイン。
明快に、レイチェルが発する、あなたが好きよというサイン。
少なくとも親愛の情を雄弁に示している。
ピンクのハートマーク。
フフ、と笑ったのは、チョットマが「コモレビー」という名を付けた時だった。
チョットマによれば、ロームスはあの時、初めて真に笑ったのだという。
療養中、イコマは考え抜いたことをチョットマに話して聞かせた。
ピンクのハートマーク、つまり一連の言葉。
コモレビーはこう言いたかったんじゃないかと。
私は、つまりロームス総体としてではなく、私個人として、チョットマ、君に心をかき乱されているんだ。
だから、ピンクのハートマークのサインをあげよう。
そして、コモレビーという名を付けてもらって、思わず微笑んでしまったよ。
というわけだ。
奴はきっと、チョットマの心の中に住んでいることに幸せを感じたんだ。
違うかな?




