432 そして、ある朝、パキトポークは死を迎えた
アイーナは献身的にパキトポークの世話を続け、彼の体力も持ち直し始めた。
しかし、第二陣はやってこなかった。
月日はどんどん過ぎていき、やがてアンドロ以外の人類は二人きりになった。
数十人のアンドロはまだ働いていたが、食料も水も、不足しがちになった。
ヌヌロッチでさえ死んだ。
とうとう、アイーナの身体も弱り始めた。
もう何とかしなければ、このままここで全員死んでしまう、という状況が近づいていた。
そんなある日、アイーナがパリサイドの姿になった。
パリサイドの身体になってしまえば、エネルギー補給は簡単だ。
アイーナは毎日毎日、アンドロを励まし、ベータディメンジョンをくまなく探索し、パキトポークのために口に入れることができるものを持ち帰ってきた。
しかし、いったん持ち直したパキトポークもいよいよ弱っていく。
やがて、もう明日は立つことさえできないかもしれない、というところまで来ていた。
そして、ある朝、パキトポークは死を迎えた。
しかしその直後、パリサイドとなって甦ったんだ。
数日後、二人の姿は消えた。
次元の壁をすり抜けたのだと思った。
その頃、アンジェリナの眠りは浅くなり、時々、目を開けたりしているようだった。
覚醒の時が近づいている。そんな気がした。
ホームディメンジョンから、三人のアンドロが来るようになった。
若い女性を連れてきたこともあった。
僕は、こちらの次元だけでなく、地球でも事態は切迫しているのでは、と思った。
セオジュンがマリーリに顔を向け、話していいか? と聞いた。
マリーリはしばらく黙っていたが、やがて小さく頷くのを見て、セオジュンは再び語り出した。




