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493 自分から話すより、適任がいる
何から話そう。
いつも悩むことである。
話すことは決まっていても、順番は難しい。
結局、出たとこ勝負もいつものこと。
やはり彼らのことを一番に話しておこう。供養のためにも。
パキトポークとアイーナ。
自分から話すより、適任がいる。
「セオジュン」
レイチェルの元シークレットサービスであったハワードの生まれ変わり。
レイチェルを愛し、アヤを愛し、チョットマを愛し、そして最後はアンジェリナを愛したアンドロ。
「ベータディメンジョンで何が起きたのか、もう一度、みんなに聞かせてくれないか」
立ち上がったセオジュン。
戻ってきた直後はやつれた顔をしていたが、もうすっかり元気になっている。
池の底、シルベスの装置で眠っている間にも少年は成長して、目鼻立ちにはハワードらしい面影が現れ始めている。
レイチェルに一礼すると、アンジェリナに、ニニに、チョットマに目をやり、話し出した。




