426 はっ! 図々しい!
ガーデンは今朝も明るい光が満ちていた。
キョー・マチボリーによって、少なくとも岩の天井は見えなくなり、朝には朝の、昼には昼の、夕には夕の、そして夜には夜の空が広がっていた。
これが人々に与えた影響は計り知れない。
たとえそれが、宇宙船のクルーたちによって作り出された光景だと知ってはいても。
生活にリズムを与えたばかりでなく、平静な心と、前向きな気持ちを与えたのだ。
レイチェルももう、エネルギーの無駄遣いだと反対はしなかった。
資材庫への通路は復旧され、当面の暮らしに不自由はなくなった。
人々の気持ちに余裕が生まれたことは疑いようもない。
明日、ガーデンの避難所は閉鎖される。
イエロータドのボランティアセンターも、役割を果たし終えた。
人々は自分の部屋に戻る。
ガーデンは、今日、なんとなく、静かで、そして華やいでいた。
あの殺戮の日、わが娘、チョットマが為した功績を誰もが知っている。
ガーデンを歩くと、ある人は頭を下げ、ある人は手を振り、またある人は目で感謝の気持ちを伝えた。
「なあ、チョットマ」
「なに?」
「あれからコモレビー、なんか言ってきたか?」
「あ、そうそう、久しぶりに昨日の夜、話しかけてきたわよ。たくさん話した」
ほう。そうか。
「ロームスは、すべてのシンラを統べる存在なんだって。それって、宇宙の、なんて言うか第一人者? 絶対権力者? まさか神様?」
「さあな」
「戦いは終わってはいない。とも言ったよ」
チョットマは微妙に得意顔だ。
人前では、決してロームスやコモレビーのことは話さないが。
「それだけか?」
「んー」
「隠すな」
ーーーーもっと必要だ。
「何が?」
「えっと……」
「ん?」
ーーーー君の愛が。
「はっ! 図々しい!」
「コモレビーは、初めて私を「キミ」って呼んだよ。「オマエ」から格上げ」
「かっ! ふん! 気に入らん奴や!」




