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424 礼を言わずじまいになってしまった

 ところで、イコマが死に、そして復活したことは周知となっている。

 ユウがこともなげに言ったものだ。


「ノブ、忘れた? 私、光の柱の守り人、してたやん。そう、金沢で。あの時と同じ。ノブは一旦、死んだ。でも、私は引き戻せると思ってた。それだけのこと。大丈夫って、言ったでしょ」



 金沢でのあの出来事。

 六百年前のことだが忘れもしない。

 ユウを訪ねてイコマとアヤが金沢郊外の光の柱を訪れたとき。

 当時は地球周回軌道に浮かぶ生産基地との間の、エネルギーや物資の輸送にその柱が使われていた。

 現在の技術よりはるかに進んだ人類の英知ともいうべきものだった。

 ユウはその装置の守り人、いや守護神だったのだ。


 遠い昔、あの日、灼熱の大地で、ユウに抱き留められて、当時今よりはるかに高齢だったイコマは死んだ。

 しかし、数日後には大阪の福島のマンションに、生きて送り届けられたのだった。


「ノブに対してだけは、ああいう力をまだ持ってる。そう、確信してたのよ。でも、もう、今回で最後って気がする」



 ユウのその力。

 不思議だ。

 説明がつかない。

 いや、つくのだろうか。


 シンラなどというものが、この宇宙に無限に存在し、それがとてつもない大きな力を生み出しているのなら、どんなことでも説明できるのかもしれない。



「ねえノブ。ちょっとだけ勘違いしてると思うから、日本の自衛隊の皆さんの名誉のために種明かしをしておくわね。金沢でノブを生き返らせたのは私。意識を引き戻したという方が正確ね。でも、大阪まで運んでくれたのは、彼ら」

「え、そうやったんか。てっきり僕は」


「私の超能力? 魔法? ないよ、まさかそんな力は」

「前に、そう言ったような気が」

「そう? だとしたら、ノブに自慢したかったのかも」


「そうなんか。ユウはなんでもありかと思ってたんやけど」

「違うって。北陸県の知事、えーと名前は、忘れたけど、彼が自衛隊に要請してくれてたのよ」


 そうか。

 礼を言わずじまいになってしまったな。

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