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416 ただ怖いほどの冷たさだけを
腹部に激痛を感じた。
意識がまた切れそうになった。
「ユウ……」
「ノブ、大丈夫。しっかりして」
「切られたのか」
意識がまた切れそうになった。
「ユウ……」
「ノブ、大丈夫よ。大丈夫よ。しっかりして」
「切られたのか、僕は……」
「大丈夫。心配しないで。大丈夫。たいしたことないから」
ユウとアヤの腕に抱きかかえながら、見た。
パキトポークの亡骸の前で蹲っていたチョットマが振り向いた。
その顔に恐怖が張りついた。
そして次の瞬間、目の前に来た。
急速に痛みは消えた。
ただ怖いほどの冷たさだけを感じた。
ユウやアヤやチョットマに言葉を掛けようとした。
最後の言葉を。
だが、もう唇も舌もうまく動かせなかった。
呼吸さえもままならなかった。
自分の鼓動がまるで他人のもののように聞こえた。
そしてそれは、今まさに止まろうとしていた。




