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413 視線を一身に集めて
チョットマはそっと手を差し出し、パリサイドの身体に触れた。
そして、ゆっくりとその頬を、血に濡れたパリサイドの胸に押し付けた。
パキトポーク……、ありがとう……。
チョットマを受け入れてくれて……。
ンドペキもそのパリサイドに話しかけている。
「パキトポーク。これ見てどう思う? お前のアーマーだ。お前の武勇に少しでもあやかりたいと、借りている」
パリサイドはチョットマをゆっくり引き離し、屈み込むようにして囁いた。
もどかしいが、遠くて聞こえない。
そして、やおらンドペキの首を羽交い絞めにしたかと思うと、二十メートルほども投げ飛ばした。
「さすがだな。パキトポーク」と、ンドペキが起き上がる。
「もう一回やってみろ。今度は負けない」
スジーウォンがパキトポークに近づいて行った。
何事か、語りかけている。
コリネルスも。
意識が薄れていくのを感じた。
アヤの腕に抱きかかえられながら、イコマは見た。
もう一人のパリサイドが膝を折るのを。
掴みかかるンドペキをいなしておいて、パキトポークがそちらに歩み寄っていく。
ゆっくり、ゆっくりと。
ここガーデンに居合わせた人々の視線を一身に集めて。




